なぜ"著者としての強み"はなかなか見つからないのか?
2019/12/12
こんにちは、保護ねこ9匹と暮らす出版コンサルタントの、樺木宏です。
さて、いきなりですが質問です。
「あなたの著者としての強みは何ですか?」
いきなり聞かれて、答えられる人は少ないでしょう。
かくいう私も、突然聞かれたらまごつくと思います(笑)
しかし私がそのとき何を言うにしても、絶対に忘れない点は、
「この強みが読者にとってどういうメリットになるのか?」
という点です。
というのも、この「読者にとってのメリット」という視点が無いと、
どんなに優れた強みも、商業出版では価値として認められないからです。
商業出版でお金を払うのは読者。
そして人は何らかの悩みを解消するため、
あるいは喜びを得るためにしか、お金を払いません。
だから、
「それが読者のどんな悩みを解消するのか、あるいは喜びを与えるのか」
が伝わらないのなら、いかに凄い著者の強みでも、価値にはなり得ないのですね。
例えば仮に、「年収の高さ」が強みだとしましょう。
では、年収100億円の人と、年収1千万円の人では、どちらの著者の強みが上でしょうか?
どちらが商業出版として、価値が高いと認められやすいでしょうか。
こう聞くからには逆張りなのは見え見えですが、
ご想像通り、「年収1千万円」のほうが上になります。
金額が少ないのに、なぜ上になるのか。
それは、読者が「自分にも出来そうだ」と感じやすいからです。
例外的な人もいるでしょうが、多くの人は年収100億円と本に書いてあれば、
「自分にはちょっと無理そう」
と、第一印象で感じるほうが普通です。
しかし年収1千万円なら、「がんばれば自分にも出来そうだ」と感じられるので、
「それが読者のどんな悩みを解消するのか、あるいは喜びを与えるのか」
という視点から言えば、価値は上になるのですね。
もちろん、本当に年収100億円の人が本をだそうとしているなら、
著者としての説得力を活かして、別の切り口で企画を考えるので大丈夫です(笑)
ただ大事なのは、「読者にとって」という視点が抜け落ちてしまうと、
いかに凄い強みでも、そのまま価値にはなり得ない、
という考え方なのですね。
このような極端な例でないにせよ、
自分の強みが、読者にとってどのような価値になるのか、
という視点はつい忘れがちなもの。
そこをしっかりと客観的にチェックしていくことで、
意外な落とし穴を避け、あなたの著者としてのポテンシャルを最大限に発揮できることでしょう。
ご参考になれば幸いです。