"アウトプット本"の意外な落とし穴とは?
2020/06/11
こんにちは、保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタントの樺木宏です。
さて、少し前に「読書本」ブームがあり、その後、「アウトプット本」が流行しました。
誰もが情報発信者になれる時代に、「インプット→アウトプット」という流れで、ブームが起きた形ですね。
多くの本が出ましたから、目にした方も多いのではないでしょうか。
アウトプットを前提にすることで、インプットは長期記憶に残りやすくなりますし、
誰かに説明するつもりで読めば、抽象化されて頭の中で構造化される、という効果がありますから、
この2つが順に求められたのも頷けます。
ただし。
こと商業出版の著者に限っていえば、注意が必要です。
というのも、安易にインプットして、すぐアウトプットしてしまうと、
「あなたならではの意見」
がおろそかになりがちだからです。
独自性が足りなくなる、といってもいいでしょう。
右から左に大量に情報を流すことを繰り返していると、
それが習慣になってしまい、質が荒れてしまうのです。
先のアウトプットブームは、読書の効果を高める手段として、
いわば、インプットが主で、アウトプットは従、という流れでした。
そのため、アウトプットの「質」については、じつはけっこうおろそかになっています。
誰よりも早く新しい情報を得られる人、
あるいは特別にユニークな情報を仕入れられる人ならば、それでもよいでしょう。
情報自体の価値が高いので、そのまま流しても価値はあるからです。
しかし、そのような情報ソースは少ないですし、持続するのも難しいもの。
インプットの質が落ちたとたんに、アウトプットの質も下がってしまいます。
情報の価値が低くなれば、あなたの著者としての価値も低くなってしまうのです。
それでは商業出版で本を出すのは難しいですし、仮に出せてもあとが続きませんね。
それでも無理して本を出し続けようとすると、
いろいろなテーマをつまみ食いすることになってしまい、
「この人はなんの専門家か分からない」
といった本末転倒の、マイナスブランディングになってしまうこともしばしば。
そうならない為にも、
アウトプットには、「あなたならではの意見」が必要です。
あなたにしかない、独自の視点から、情報を解釈する。
あるいは、全く別の情報と情報を、ユニークに組み合わせる。
ひと手間くわえたアウトプットが、
あなたの著者としての付加価値になり、
著者としてのスペックを上げてくれることでしょう。
すぐに役立つものは、すぐに役に立たなくなる。
逆に、時間をかけて積み上げたものは、確かな力量となって返ってきます。
効率も大事ですが、しっかりといいインプットを積み上げたいものですね。
ご参考になれば幸いです。