趣味は商業出版のテーマになりうるか?
2023/02/16
こんにちは。
保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタント、樺木宏です。
商業出版で本を出そうとすると、まずは自分の仕事をテーマにすることを考えますね。
たとえば、
医師であれば、健康本。
ビジネスパーソンであればビジネス書。
法律の専門家であれば、その実用書。
などなどです。
一方、趣味はなかなか本のテーマにはならないと言われています。
というのも、商業出版の本は読者の問題解決のために書くためで、
仕事であれば何らかの形で他者に貢献していますが、
趣味は自分のためにやるものですから、読者のためになりにくいのです。
と、ここまでは一般論ですが、
私の考えはちょっと違っていまして、
「仕事と趣味をかけあわせると、いい本になる」
と考えています。
なぜなら、自分の仕事をテーマに本を書きたいという人は多すぎて、
似たような本がすでにたくさん出ているからです。
出版社は後から似たような本を出しても売れないと考えますから、
なかなか企画が通らないか、通っても売れない本になりやすいのです。
一方、趣味はというと、確かにそのままでは読者のメリットになりにくいのですが、
その過程で培われた経験やエピソード、考え方などは活かせます。
むしろあなたならではのオリジナリティがある、強みとも言えるのです。
こうして、
「読者ニーズはあるが、差別化できていない」仕事のテーマと、
「読者ニーズは無いが、差別化できている」趣味のテーマを組み合わせると、
「読者ニーズがあり、かつ差別化もできてきる」本が生まれる可能性があるのですね。
たとえば一例を挙げますと、
拙著「幸せになりたければ ねこと暮らしなさい」は、
そうした組み合わせの例になります。
「ねこが好き」という趣味の領域と、
「いろいろな本に接している」という仕事の知見を組み合わせて、
「ねこと暮らすことの素晴らしさを、いろいろな知見から説明する本」
になっています。
このように組み合わせることによって、
読者ニーズと差別化を両立することもできるのですね。
ちなみにこの本は10万部近いベストセラーになりましたので、
商業出版としても通用する考え方なのは実証済みです。
いかがでしょうか。
趣味はそのままでは出版のテーマにはなりませんが、
組み合わせて使えばとても強力な著者の武器になりますよ。
ご参考になれば幸いです。