本とラーメンの、意外な共通点とは?
2025/02/06
こんにちは、
保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタント、樺木宏です。
本を出そうというあなたは、その道のエキスパートだと思います。
豊富な専門知識と経験があり、
それを体系立てて教える力をもっていることでしょう。
ただここで、問題が1つ。
「エキスパートになればなるほど、素人だったときの自分を思いだせなくなる」
ものなのです。
このことは洋の東西を問わないようで、
チップ・ハースさんの「アイデアのちから」という本では、
「知の呪縛」
という言葉で紹介されています。
曰く、
「専門家というのは、ニュアンスや複雑さに魅力を感じるものだ。そこに「知の呪縛」が生じる。
そうなると単純明快なメッセージを書くことがただの『白痴化』に思えてしまう。」
とのこと。
読者に親切に、分かりやすく書くことが「白痴」のように思えてしまうのですから、
素人向けに分かりやすく本を書くことが難しいのも当然ですね。
私はこれが、
「必ずしも専門能力が高い人が、ベストセラーを出せるわけではない理由」
だと考えています。
むしろ大切なのは、自分の感覚はさておき、
「読者感情を想像して、それに寄り添う感覚」
なのでしょう。
少々話が遠回りになりましたが、ここで記事のタイトルです。
素人が何を求めているか、プロの自分には分からない。
だからいかに腕のいいシェフでも、繁昌するラーメン店を開こうと思えば、
行列ができる店をはしごして、いろいろ見て回ることが役に立ちます。
著者も同様で、よい一般書を書こうと思えば、多くのよい一般書に目を通すことが、
遠回りのようでいて最短距離になるのです。
高い専門知識を持ちつつ、
それに感情的に振り回されないようにして、
著者としても成功していきましょう。
ご参考になれば幸いです。