ノウハウを全部分かっているプロの落とし穴とは?
2025/02/13
こんにちは、
保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタント、樺木宏です。
本を書こうというあなたは、もちろんその分野のプロでしょう。
ノウハウは頭の中にしっかりと入っていて体系化されていますし、
長年の経験からいろいろな事例を引きだして、臨場感をもって伝えることもできます。
まさに「著者としてふさわしい」という感じですね。
でも、ここに落とし穴があるといったら驚くでしょうか。
そう、実は著者としてレベルが高いほど、深くなる落とし穴があるのです。
それは何かといえば、
「素人だったときの気持ちが、思いだせなくなること」です。
逆に、
「素人に分かりやすい内容は、回りくどく感じて、不快感すら覚える」
ことも多いのですね。
こうなると、自然と書く内容は、
「プロとしての自分にとって心地よいもの」
になってきます。
しっかりと体系化されて無駄がない反面、
無味乾燥でとっつきにくいものになりがちです。
さらにいえば、
素人からすれば小難しくて、敬遠されがちなものにもなりやすいでしょう。
そう、まさに昔学校で退屈したあの「教科書」のような本になるのですね。
これのやっかいなところは、
著者であるあなた自身にとっては「美しく整理されていて心地よい」と感じられることです。
つまりよい本にしようと思えば思うほど、
逆に素人にとっては「教科書」のように感じられ、
マイナスの印象を与えてしまうのですね。
このように、プロが素人に求められるアウトプットをするというのは、意外と大変です。
自分の判断基準をいったん否定しなければいけないので、
結局自分の書きたいように書いてしまうことに。
ではどうするか?
ということですが、あなたの周りにいるプロやセミプロではなく、
「素人」
の意見を大切にしましょう。
彼らは一般書の「読者」に最も近い存在になります。
そして、一見意に沿わないフィードバックでも、
受け入れて企画の方向性を、柔軟に変更していくことができれば、
よりよい「出版企画」になっていきます。
ご参考になれば幸いです。