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海外の本を翻訳し、日本で出版したいのだが、どうすれば?

2014/10/06

こんにちは、樺木宏です。


過去「海外の本を翻訳し、日本で出版したいのだが、どうすれば?」

というご相談を何回か頂いています。

そこで今日はその具体的方法について、お話しようと思います。

海外の名著を読んで感銘を受け、その本を日本でぜひ出版したい、という方や、

また、海外で人気の本で、日本ではまだ発売されていないので、私が出来ないだろうか?

という方のご参考になればと思います。


結論からいいますと、海外の本も国内の本と同じく、

「出版企画書を作成し、出版社に提案して、編集会議で企画を通す」という事が必要です。

これは、日本人の著者が日本で普通に本を出すのと、基本的に同じです。


なぜかと言うと、海外から版権を購入するのは、一部の大手を除き、仲介する「版権エージェント」

が行うのですが、出版社以外の依頼では、まず動いてくれないからです。

そのため、日本の出版社の同意を、先に取り付けておく必要があるのです。

もし企画が出版社で通ったとなれば、出版社を通じて、上記の版権エージェントに依頼することができます。

そのために、「出版企画書を作成し、編集会議で企画を通す」事が必要なのですね。


なお、もう少し詳しく言うと、日本で海外の本を出す為には、いわゆる翻訳権

(正式には「日本語独占翻訳権」)を買う必要があります。

そして、この翻訳権というものは、基本的には出版社しか買うことは出来ません。

海外からみれば、日本では出版社でなければ書店に流通出来ない為、信用しずらい。

つまり権利を売ってもらえない、ということなのです。


では、企画を通したい、となったとしましょう。

もし出版社に企画を通すとなれば、その判断基準はただ1つ、「売れるかどうか」です。

本の内容が素晴らしいとか、そういうことではなくて、日本のマーケットで、

なぜ今その本が売れるのか。その理由をいかに客観的に、説得力をもって企画書に書けるか。

そこが、採用の成否を分けます。

こうした要素を踏まえ、出版企画をつくる必要があるのですね。


また、海外事情について少し。

米国では著者には代理人(出版エージェント)が付いているのが一般的です。

90%以上の著者に、代理人がついているとも言われています。

交渉の末条件がつり上がっていることもあり、人気作家の翻訳権は価格が高騰しています。

なので日本の出版社は、初版の部数を多く刷らないと採算が合わないケースも多く、

それはリスクが高まるという事でもありますから、米国に比べ市場が小さい日本では、

企画のハードルが高くなりがち、と言うことも覚えておいた方が良いと思います。

やはり、本を出すのであれば、企画力は避けて通れない、と言う事ですね。


以上、今日は海外の本を翻訳する件について、お伝えさせて頂きました。

ご参考になれば幸いです。

 

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