しっかり押さえたい、企画書の書き方編
2014/02/26著者プロフィールのチェックポイント
こんにちは、樺木宏です。
出版企画の採用確度は、ある程度までは企画自体の面白さにかかっていますが、
最後のところは、
「この人に頼んで大丈夫か?」
という所に行き着きます。
編集者のこの不安を払拭出来るかどうかが成否を分ける、といっても過言ではありません。
その不安を払拭しなければ、いくら良い企画でも、採用される事はありませんので、
著者紹介はとても大切になってくるのです。
皆さんのご経験、ご実積の中に、まだ書かれていない安心材料があるかもしれません。
以下は、過去にもお伝えしている著者紹介のチェックポイントです。
すでに著者紹介はなんども書いている方でも、再度見直してみる価値があります。
1,著者の思い入れを伝える
編集者に、「なぜこのテーマで本を書きたいのか」、
「誰をこの本で助けたいのか」を伝えましょう。
[感情移入」と同時に、「書く資格」をアピールする事に繋がります。
位置としては、こちらを冒頭に持ってくるのが良いでしょう。
「本書にかける熱い想い」と次につづく「経歴」の併用で、
十分な情報量と、編集者の共感が両立できます。
2,経歴を伝える
学歴、職歴を時系列で見せましょう。
まず、氏名と現在の職業を冒頭にご記載下さい。
その後、学歴、職歴などを記入します。趣味で取り組んだ事柄も対象です。
箇条書きや改行を多用し、簡潔に見せましょう。
このテーマの本を書くに値する専門知識を持っている事を証明する、という意味合いです。
ただ逆に、企画に関係ない事は省略したほうがよいでしょう。
ここの情報が少ない場合、編集者は「よく分からない人」という不安感を持ちます。
これは採用される上でマイナスですので、情報量で安心感をもってもらうようにしましょう。
3,実積を伝える
本企画を「語る資格がある」と思わせるのも著者紹介の役割です。
上記職歴を羅列するだけでは、無味乾燥ですので、
職歴に付随して、何を成し遂げたかを強調しましょう。
数字で示すのがベストです。
編集者に「これだけの実積を持つ人なら書けるだろう」という
信頼を得る事が目的です。
以上に沿って自分の著者紹介を見直してみましょう。
そうすることで、採用される可能性が格段に高まります。
チャンスを増やす為にも、ぜひご再考してみて下さいね。
2013/10/18修正し続ければ、必ずよい企画になる
こんにちは、樺木宏です。
一般的には、出版社に企画を送って採用される確率は、
1/200〜1/1000とも言われています。
でも私の支援だと、その確率が2ケタ以上あがるのですが、
その秘密は「ブラッシュアップ」にあります。
ブラッシュアップとは、最初につくった企画を修正し、
より良いものに改善していくこと。
改善といっても、見出しを追加削減するレベルから、
企画の方向性自体を見直してゼロベースで再考案など、
いろいろな種類がありますので、結構大変です。
なぜこの「ブラッシュアップ」が大切かというと、いわば、
"出版社のダメ出しを先取り"
しているからです。
出版社が「売れない」と思う理由、「売れるかどうか分からない」という不安、
これらを徹底的に事前に潰しているのです。
そうなれば、あとは出版社の得意分野とのマッチング、そして編集者個人の興味次第。
数を打てば、必ず誰かの関心を引きます。
もしそれを先にやっておかなければ、本番で企画がスルーされて終わりです。
実際、私のやっている出版企画コンテストというイベントでは、約30通の企画を送ったのですが、
その内実に25近くの企画に対し、出版社が「一度会いたい」と言ってきます。
1つの企画に対し5社近く関心表明があったものもあります。
このように、ブラッシュアップを着実に行い、一定のレベルを超えさえすれば、
必ず出版社の興味、関心は引けるものなのですね。
逆に、残念ながら声が掛からなかった企画も、わずかながらあります。
それは例外なく、ブラッシュアップを途中で止めているケースです。
自分の書きたいこと通りには行かない部分もあり、辛い部分もある「ブラッシュアップ」。
しかしそれは、出版社のダメ出しを先取りし、結果を出す為の登竜門。
ここをくぐれば、著者への道は最短距離になります。
2013/10/14あなたのプロフィールを"物語"にしましょう
こんにちは、樺木宏です。
さて、私は企画を考案するとき、クライアントさんの「物語」をつくります。
といっても、なにも小説を作るわけではなく、
ビジネス書の企画です。
そう、実はノンフィクション系の企画でも「物語」が大切なのです。
というのも物語は、記憶に長く留まり、感情を喚起するから。
いくら魅力的に企画をみせても、それがロジックだけでは味気ない。
企画を読む編集者も、出版社も、みな脳の構造は同じで、感情が先立ちます。
ここを考えているかどうかで、企画のインパクトは大きく変わります。
では具体的にどうやって物語を企画に取り込むか?という事ですが、
その1つが、「著者のプロフィール」。
この中に、物語をつくっていきます。
大切なのは"落差"です。
かつて逆境を経験するなどの"深い谷"。
今成功しているなどの"高い山"
この2つのギャップがあればあるほど、
物語のインパクトが増します。
インパクトが増せば、見た人の感情を動かし、共感を呼び、記憶に残ります。
あるいは、応援しよう、という人も出てくるでしょう。
無味乾燥に意義だけ主張する企画とは、雲泥の差が生まれるのです。
いかがでしょうか?
感情を味方につける物語の力は強力です。
あなたも、自分の企画に「物語」を取り込んでみて下さいね。
2013/08/27出版企画書から見えてしまうこと
こんにちは,樺木宏です。
さて、今日のお題は「出版企画書から見えてしまうこと」です。
出版企画書には著者のノウハウが書かれているわけですが、
それ以外のことも、いろいろ見えるもの。
例えば、今の仕事についている理由とか、やりがいとか、人間性についても強く表れます。
一見書いていないようでも、見る人が見れば見えてくるものなのですね。
そして・・・編集者は読んだ企画書を結構覚えているものです。
例えば、何度か提案していると、「前にこういう企画を出した人ですね」という事が、結構あったりします。
その時に、以前好印象を持っていたか、そうでないかではスタート地点が違ってくるのです。
前の印象が「採用はしなかったものの、素晴らしい理念を持っている著者で共感した」
というのと、
「読者のことをほとんど何も考えていない企画の著者だった」
というのとでは、まるで違いますね。
企画書には、思いの他いろいろと表れるものがあり、それは誰かの記憶に留まります。
そこを意識しつつ、気持ちを入れて書いていきましょう。
2013/08/26このストレスを減らせば、もっと企画が作りたくなる!
こんにちは、樺木宏です。
さて、企画を考えるストレスは、けっこうキツイ時がありますね。
いくらやる気があっても、ストレスも同時にあれば、行動は減ってしまいます。
そこで今週は、ストレスを消す技術の1つをお伝えします。
それは何かといえば、「考えるスピード」に注目するのです。
なぜかと言うと、企画を考えるのが苦痛なのではなく、
「考えるスピードが落ちる事がストレス」
ということが多いからです。
いうまでもなく「考えるだけ」が一番早く、「書く」のは遅いです。
考えるスピードで企画書が書ければよいのですが、なかなかそうも行きませんね。
そのスピードの差が、ストレスになってしまうのです。
例えば、
「誰かと話していると、いろいろとアイデアが出てくるのに、書きながらだと、ぜんぜんアイデアが出てこなくなる。」
「せっかくいい案を思いついたのに、文章にしてみたら、今一つでがっかりする。」
こんな経験はないでしょうか?
これらは、スピードの違いが原因かもしれません。
思考は一種のリズムですから、いつも10のスピードで考えている人が、
急に1のスピードで書きながらだと、質が落ちてしまうのも当然です。
ではどうするか?
最初から文章を書こうとするのを、やめる事です。
「話すように書く」
あるいは、「文章にしないで書いていく」のです。
方法はいくつもあります。
話すように書くのであれば、ICレコーダーに、考えながら自分の声を吹き込んでも良いでしょう。
あとでじっくり聞き直し、文章化していくのです。
これはプロのライターや、一部の文芸作家が実際に行っている方法です。
また、「文章にしないで書いていく」のであれば、
キーワードだけを書くのです。
単語だけを書くなら、思考のスピードに追いつけます。
その単語を後で並べ変えれば、企画概要も出来るのです。
数を出して、似たものをまとめれば、目次も出来ます。
実はこうした方法は昔からあり、「京大式カード」「KJ法」などの優れたノウハウが開発されました。
現在では、パソコン上でマインドマップを使うという、低コストで合理的な方法があります。
詳しいやり方はGoogleで検索すれば、いくらでも出てくるので、ぜひ取り入れて見て下さい。
今日のまとめです。
自分の思考スピードと、書くスピード、文章化するスピードのギャップがストレスになります。
考えるように、話すように、書きましょう。
その為には、工程を分けてしまえば良いのですね。
この技術さえあれば、もっとラクに企画書が量産できますよ。