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しっかり押さえたい、企画書の書き方編

2013/08/27出版企画書から見えてしまうこと

こんにちは,樺木宏です。


さて、今日のお題は「出版企画書から見えてしまうこと」です。

出版企画書には著者のノウハウが書かれているわけですが、

それ以外のことも、いろいろ見えるもの。

例えば、今の仕事についている理由とか、やりがいとか、人間性についても強く表れます。

一見書いていないようでも、見る人が見れば見えてくるものなのですね。


そして・・・編集者は読んだ企画書を結構覚えているものです。


例えば、何度か提案していると、「前にこういう企画を出した人ですね」という事が、結構あったりします。

その時に、以前好印象を持っていたか、そうでないかではスタート地点が違ってくるのです。

前の印象が「採用はしなかったものの、素晴らしい理念を持っている著者で共感した」

というのと、

「読者のことをほとんど何も考えていない企画の著者だった」

というのとでは、まるで違いますね。


企画書には、思いの他いろいろと表れるものがあり、それは誰かの記憶に留まります。

そこを意識しつつ、気持ちを入れて書いていきましょう。

 

2013/08/26このストレスを減らせば、もっと企画が作りたくなる!

こんにちは、樺木宏です。


さて、企画を考えるストレスは、けっこうキツイ時がありますね。

いくらやる気があっても、ストレスも同時にあれば、行動は減ってしまいます。

そこで今週は、ストレスを消す技術の1つをお伝えします。


それは何かといえば、「考えるスピード」に注目するのです。


なぜかと言うと、企画を考えるのが苦痛なのではなく、

「考えるスピードが落ちる事がストレス」

ということが多いからです。


いうまでもなく「考えるだけ」が一番早く、「書く」のは遅いです。

考えるスピードで企画書が書ければよいのですが、なかなかそうも行きませんね。

そのスピードの差が、ストレスになってしまうのです。


例えば、

「誰かと話していると、いろいろとアイデアが出てくるのに、書きながらだと、ぜんぜんアイデアが出てこなくなる。」

「せっかくいい案を思いついたのに、文章にしてみたら、今一つでがっかりする。」

こんな経験はないでしょうか?

これらは、スピードの違いが原因かもしれません。

思考は一種のリズムですから、いつも10のスピードで考えている人が、

急に1のスピードで書きながらだと、質が落ちてしまうのも当然です。


ではどうするか?

最初から文章を書こうとするのを、やめる事です。

「話すように書く」

あるいは、「文章にしないで書いていく」のです。

方法はいくつもあります。

話すように書くのであれば、ICレコーダーに、考えながら自分の声を吹き込んでも良いでしょう。

あとでじっくり聞き直し、文章化していくのです。

これはプロのライターや、一部の文芸作家が実際に行っている方法です。

また、「文章にしないで書いていく」のであれば、

キーワードだけを書くのです。

単語だけを書くなら、思考のスピードに追いつけます。

その単語を後で並べ変えれば、企画概要も出来るのです。

数を出して、似たものをまとめれば、目次も出来ます。

実はこうした方法は昔からあり、「京大式カード」「KJ法」などの優れたノウハウが開発されました。

現在では、パソコン上でマインドマップを使うという、低コストで合理的な方法があります。

詳しいやり方はGoogleで検索すれば、いくらでも出てくるので、ぜひ取り入れて見て下さい。


今日のまとめです。

自分の思考スピードと、書くスピード、文章化するスピードのギャップがストレスになります。

考えるように、話すように、書きましょう。

その為には、工程を分けてしまえば良いのですね。

この技術さえあれば、もっとラクに企画書が量産できますよ。

 

2013/07/01企画は柔軟に変更しましょう!

こんにちは、樺木宏です。


私の経験では、著者さんが考えた出版企画が、最初から商業出版で採用されるレベルだったことは、

ゼロではありませんが、ほとんどありません。

意外でしょうか?

つまり、何度も企画を変更していくことで、

多くの方が著者デビューしているのが実情なのですね。


そこで大切な企画の改善、つまりブラッシュアップですが、難航するケースもままあります。

よくあるのが、「何を書くか」が固定化してしまっているケース。


商業出版は、「売れる本」である事が絶対条件です。

自分が書きたいことも大切ですが、それ以上に、

「読者が読みたいこと」に焦点を当てる必要があります。

しかしここで視点が固定化してしまっていると、

内容を変える事が、心理的に難しくなってしまいます。

読者に合わせて易しい表現に変えようとしても、

頭では分かっていても、行動に移せない、という事に。

つまり、ブラッシュアップがここで行き詰まってしまうのですね。


読者が変わる、つまり「誰に書くか」が変われば、

当然「何を書くか」も連動して変わらなければいけません。

「何を書くかは」、最初に固定するのではなく、「誰に書くか」に応じて柔軟に考えましょう。

そうすれば、企画がスムーズに改善され、採用確度が向上します。

 

2013/06/27同じ一生懸命なのに、出版が決まる人、決まらない人の違いとは?

こんにちは、樺木宏です。


企画をより良くしていくために欠かせないのがブラッシュアップですが、

ここが上手く行く人と、詰まってしまう人に別れます。

うまく行けば企画が通り、著者デビュー。何冊も企画が通り、堂々たる著者のポジションを獲得する人がいます。

その一方で、最初の1冊に苦労し続ける人がいます。

皆一生懸命やっているのに、どうして明暗が分かれてしまうのでしょうか?


私が実感するのは、

「上手く行く人は、自分のアイデアを手放してでも一生懸命考える」

という事です。

逆にうまく行かない人は、

「自分の最初のアイデアに一生懸命こだわる」

のです。


なぜここが明暗を分けるかというと、

"自分の書きたいことと、読者の読みたい事は違う"から。

ブログであれば好きなことを書いてよいのですが、

商業出版は「売れる」から出せるものです。

自分のアイデアが読者ニーズと一致していれば良し、そうでない場合は手放した方が得策です。


また"最初のアイデアには似たような本がある"ことも多いです。

そうなると、いくら有益な内容でも、後から同じような本を出すのは困難です。

柔軟に差別化を考えて、方向転換したほうが近道です。


いかがでしょうか?

ブラッシュアップは自説にこだわり守りに入るのではなく、柔軟に攻めたいですね。

 

2013/06/25インパクトのあるタイトルをつくるには?

こんにちは、樺木宏です。


出版企画書では、タイトルがとても重要。

しかし分かっているものの、なかなか難しいのがこのタイトルですね。

そこで今回は、インパクトのあるタイトルを作るためのコツを1つ。


それは、

"内容の説明は脇におき、相手のメリットを書く"

ということです。

「そんなの当たり前では」

という声が聞こえてきそうですが、ここを踏まえている人は大変少ないです。


なぜここが重要かというと、読者は自分に得があるかどうかにしか、関心が無いから。

編集者も、同じ視線でタイトルをチェックします。


だからいちばん残念なのが、"よくよく読み込んでもらえれば、素晴らしさが分かる企画書"。

これは、まずスルーされてしまいます。

なぜなら、読み込むモチベーションをかき立てるのはタイトルなので、伝わらないのですね。


「ではどうしたらいいのか?」という声も聞こえて来そうなので、具体例を1つ。

かつてベストセラーになった話題書を例に挙げましょう。

『ワーク・シフト』リンダ・グラットン著・池村千秋訳

正直、インパクトの無いタイトルです。

もし新人著者がこのタイトルで企画書を出したら、通る可能性は低いでしょう。

しかし「孤独と貧困から自由になる働き方の未来図」というサブタイトルがついていることで、

「相手のメリット」が強調されて、強いタイトルになっています。


ただの説明ではなく、相手の悩んでいる問題を、解決してあげる、というメリットが伝わっていますね。

売れている本のタイトルを見る時は、こうしたポイントをぜひ押さえてみてください。

 

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