「原稿執筆」について
2021/05/13"伝える文章"の書きかた・その3
こんにちは、保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタント、樺木宏です。
「書く」ことが必須のスキルになってきた今の時代。
より多くの人に伝える「書き方」について、
今回もお伝えしていきます。
今一つ、伝えたいことが伝わらないのはなぜか?
それは、
「日本語で話すように書いてしまうから」
です。
実は、日本語は文章にすると、とても分かりにくい言葉。
だから分かりやすく伝えようと思ったら、文章にするときは、ちょっとした工夫が必要なのです。
ちょっと意外でしょうか?
でも、考えてみてください。
日本語は、主語が先にあって、最後に述語がきますね。
それは言い換えると、
聞き手は、
「最後になるまで、何を言いたいのかが分からない」
ということです。
加えて、日本は人種が基本的に1つの民族ですし、教育レベルもほぼ同じ。
「以心伝心」「空気を読む」という言葉もあるように、
察してもらうことに慣れています。
だから「私はこう考える」と言いきらず、語尾がうやむやになっても、
なんとなく伝わることに慣れているのです。
これらの日本語の特徴が組み合わさると、
「なかなか何を言いたいのかが出てこない上に、主張もしっかりと書かれていない」
文章のできあがりです。
読者からしてみたら、
「要するに、何が言いたいの?」
とストレスを感じてしまいますから、
それが立ち読み中であれば、あなたの本を買わずに棚に戻してしまいます。
買ってもらった本でも、最後まで読み終わりませんから、口コミで広まる可能性も低くなってしまうのですね。
ではどうするか?
ということですが、書き方として参考になるのは「英語」です。
英語は、主語のすぐ次に述語がきて、それから内容がきます。
「私は○○だと思う。なぜなら〜」
というイメージですね。
これなら読み手は、著者の言いたい事の方向を早めに察することができ、
頭の中に地図ができたようにスッキリします。
読みすすめるストレスも少なく、伝わりやすいのです。
ただ繰り返しになりますが、こうした言い方は日本語とは異なるので、
私たちはよほど意識しないと、なかなかこのようには書けません。
だから、
「普通に日本語を話すように書いたら、まどろっこしくて読みにくいんだな」
ということに、気づくことが大切です。
そこに気づければ、書き方を工夫する必要を感じますから、
文章を工夫しはじめますし、ノウハウもスッと頭の中に入ってくるでしょう。
ぜひ読み手にストレスが少ない、分かりやすく文章を量産してくださいね。
ご参考になれば幸いです。
2021/04/29"伝える文章"の書きかた・その2
こんにちは、保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタント、樺木宏です。
「書く」ことがますます大事になっている時代。
共感を得てファンをつくる「書き方」について、
今回もお伝えしていこうと思います。
本当は難しくないのに、自分で文章を難しくしてしまう理由。
その理由の2つ目は、
「自分の周りの人に、カッコよく見られたい」です。
これの何が問題かというと、
プロであるあなたの周りにいるひとは、みなレベル感が高いということ。
専門家であるあなたの周りには、同僚やライバルなどの高度な専門知識をもった人がいるでしょう。
生徒さんやクライアントについても、あなたほどでは無いにしても、多くの知識と高い意識を持っていますね。
書き手であるあなたも人間ですから、
周りのプロから「こんな内容ならもう知っている」と言われたくない、
という心理が働きます。
すると意識せずとも、
素人がついていけない高度で専門的な内容や、
先進的で玄人は好むものの、素人にはあまり関心の無い細かい内容が、
多くなってしまうのですね。
他にも、
素人には分かりにくい専門用語をたくさん使ってしまったり、
「これくらいは言わなくても分かるだろう」と、丁寧な説明を飛ばしてしまったり、
といったことが起こります。
だから、自分でどんどん、文章を難しくしていってしまうのです。
そういう文章を好む人は意識が高く知識もある少数の人に限られますから、
読者数も減ってしまい、売れる本にはなりにくい、という残念なことになってしまいます。
そして自分ではそのことに、なかなか気づけないのです。
いかがでしょうか。
文章が難しくなってしまう理由は、自分で勝手につくってしまっているもの。
言い換えれば、
「自分がどう見られたいか」
を気にしすぎているうちは、やさしい文章は書けません。
この気持ちを切り換えて、
「もうカッコつけない。プロにどう思われても言い。素人読者に親切に書く」
と思えるかどうか。
ここが、ポイント。
出版プロデュースで10年ほどいろいろな著者さんを見てきてきましたが、ここは確信しているところです。
このマインドセットを切り換えて、親切な気持ちで書ければ、あなたのポテンシャルはフルに発揮されますよ。
あなたの文章がより共感を得て、より多くのファンをつくるための、
ご参考になれば幸いです。
2021/04/22"伝える文章"の書きかた・その1
こんにちは、保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタント、樺木宏です。
「書く」ことがますます大事になっている時代ですね。
メールやSNS、ブログなどもみな「書く」ことで伝えるコミュニケーションです。
一億総執筆時代、といってもよいかもしれません。
ここまで「書く」ことが重要だった時代はないのでは?と思うほどです。
10年以上の出版プロデュースの経験からも言えるのは、うまく伝えることができる人は、
うまく説得することができ、共感を得ることができ、ファンをつくることができる、ということです。
仕事であれば、ビジネスにも好影響がありますし、
商業出版の著者であれば、売れる本に近づきます。
その逆もまた、然りです。
うまく書けないと、メリットが得にくいだけでなく、
誤解されたり、場合によってはトラブルになったりすることも。
こうした事態は避けたいですね。
そこで大事になってくるのが、
「伝える文章の書きかた」なのですが、
ここに苦手意識をもっている人は多いもの。
でも実は、難しいことではありません。
本当は難しくないのに、自分で文章を難しくしてしまう理由があるのです。
その理由の1つは、
「書くスピードは、頭の回転よりもはるかに遅い」
ということ。
だから、ついあれこれ、たくさん「盛って」しまいがちですし、
話をどんどん展開していくことになります。
でも、書く側はいろいろ書けて満足なのですが、読み手はその逆。
「いったい、この人は何を言おうとしているのか?」
が分からず、頭の中がモヤモヤし続けてしまいます。
そうなると、「もう読みたくない」となってしまったり、
酷い場合は、読者にコンプレックスや自己嫌悪感まで、抱かせてしまう可能性があるでしょう。
優秀な人はよほど気をつけないと、
自分で文章をどんどん難しくしていってしまうのですね。
文章を書くのが「難しい」と感じる理由は、自分で勝手につくってしまっているもの。
ここを知っておくと、書くストレスが大分減らせますよ。
ご参考になれば幸いです。
2021/03/11文を書くのが苦手な人は、"これ"を絞ればうまくいく
こんにちは、保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタント、樺木宏です。
文章を書くのが得意な人、苦手な人。
さて、あなたはどちらでしょうか?
現代はSNSやメールなど、文章を書くのが必須スキルとなった時代です。
たとえばメールでは、文章が苦手だと、
そんなつもりはないのに、意図を誤解されてトラブルになったり。
書くのがおっくうになって、無視されていると思われてしまったり。
あるいはアピールがうまくいかず、望んだ結果を引き出せなかったりします。
苦手は卒業して、どんどん分かりやすく伝えていきたいですよね。
でも、
「いまさら文章なんて、うまくなれるのだろうか?」
と思うかもしれません。
結論からいえば、ぜんぜん大丈夫です。
確かに文章にはセンスのようなものがあり、学んで習得しにくいものもあります。
でもそれは、あれば素晴らしいですが、なくてもそれほど困りません。
逆に、
「自分の意図を誤解されず、すっきりと分かりやすく伝える文章」
は、簡単に習得できる技術なのです。
なくて困るのはこちらのほうですから、すみやかに取得してしまいましょう。
では、具体的にどう書けばいいのか?ということですが、
「言いたいこと(結論)を1つに絞り込む」
これだけで、大半に文章はあっという間に分かりやすく変わります。
そもそも文章が分かりにくい理由は、
・言いたいことがなかなか出てこないので、読み手が混乱してしまうから
・多くの言いたいことが盛り込まれ過ぎていて、読み手が混乱してしまうから
であることが多いです。
それに関連して、
・言いたいことがあやふやか、数が多いと、「なぜ?」かの説明が弱くなり、説得力がなくなるから
・言いたいことがあやふやか、数が多いと、「たとえば?」が思い浮かばず、腑に落ちないから。
ということになり、ますます文章は分かりにくくなる、という悪循環なのですね。
であれば、解決策はカンタンです。
「言いたいこと(結論)を1つに決める」こと。
これだけで、言いたいことが絞り込まれ、前倒しされ、しっかりと伝わります。
同時に、「なぜ?」に答える説明(理由)も書きやすくなり、
「たとえば?」に答えるたとえ話を入れることも容易になるでしょう。
かくして、文章を分かりやすく伝えることがうまくいき、
誤解やトラブルを避けつつ、望む結果を得やすくなるのですね。
いかがでしょうか。
文章の苦手意識は、技術を得ればあっさり払拭できるもの。
ご参考になれば幸いです。
2015/12/02売れる本は"まえがき"にこだわっています
こんにちは、樺木宏です。
さて、売れる本はほぼ例外なく「まえがき」を工夫しています。
なぜかというと、多くの読者が立ち読みで買うかどうか決めるとき、参照する場所だからです。
また、本は買った人の10人に1人しか読み終わっていない、とも言われていますが、
さすがにまえがきは多くの人が読んでいます。
となると、読者に著者の主張や立ち位置を伝える、絶好の場所としても「まえがき」は大切なのですね。
例えば、かの名著夏目漱石の「坊ちゃん」では、
「親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている」
と始まります。
最初のたった1行を読んだだけで、主人公の性格や立ち位置が、ありありとイメージできますね。
ここだけで感情移入してしまう人も多い、まさに"つかみ"だと思います。
私が思うに、読者の悩みを解決する本、ビジネス書や健康本などであれば、
まえがきで伝えるべきは、
「私はこういう立ち位置で、あなたの問題を解決しますよ!」
という主張になるでしょう。
であれば、それに徹して関係ない箇所や、ブレる箇所はカットしていくことが、
読み手へのインパクト、納得感、読みやすいテンポ、といったものに影響します。
でも実際は、まえがきでは他の事をいろいろと入れてしまいがち。例えば、
いきなり内容の説明を始めてしまったり、著者の主張とは関係ない経歴を紹介したり・・・
これらはインパクト、納得感、テンポ、といったものをスポイルしてしまうかもしれず、勿体ないですね。
そうならないためにも、軸となる「要するにどういう主張をするのか?」を確認し、
関係ないものはどんどんカットして、尖らせていきましょう。
あなたの本が、1人でも多くの読者の共感を得るための、ご参考になれば幸いです。