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出版ノウハウ無料公開ブログ

いなければ始まらない「読者ターゲット」

2020/10/29出版企画書も"話し方"が9割!?

こんにちは、保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタント、樺木宏です。


今回の記事のタイトル。

今年の某ベストセラーからもじってみました ^_^


ちなみにその本、タイトルは「話し方」となっていますが、

実は第1章はまるまる「聞き方」になっていたりします。


要はコミュニケーションなので、

「自分の言いたいことばかりをいってもダメで、

まずは相手の欲求を知り、それを満たしてあげればうまくいく」

ということですね。


これは話し方と聞き方だけにとどまらず、

人と人とのコミュニケーション全般に当てはまる、と言えるでしょう。

もちろん、出版企画書も例外ではありません。


なぜなら、本の向こうには、必ず読者がいるからです。

たまに読者の存在が感じられない本がありますが、そうした本は例外なく売れない本。


逆に、読者がありありとリアルに、その心情まで想像できるような本は、

一見たいしたことがなさそうで、すごいベストセラーになっていたりします。

本も、まずは相手の欲求を知り、それを満たしてあげればうまくいく、

ということなのですね。


編集者は、出版企画書でそのあたりを見てきますから、

「著者が書きたいことばかりを並べるのではなく、

まずは読者が読みたいことを知り、それを書いてあげればうまくいく」

と言い換えると、著者にピッタリ当てはまるでしょう。


本も出版企画書も、まずは読者の読みたいことをしっかり把握することから。

売れる本、通る出版企画への第一歩は、間違いなくそこから始まります。


ご参考になれば幸いです。

 

2020/09/17一番てっとり早く、企画を通すためのコツとは?

こんにちは、保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタントの樺木宏です。


さて今回は、商業出版で、一番てっとり早く企画を通すためのコツ。


結論からいってしまえば、

「似たような本がたくさんでている」

ことが、一番てっとり早いです。


なぜなら、

「その本を読みたい人が大勢いる」ことが、証明済みだから。

本は買ってくれる読者がいなければはじまらないので、

そこが保証されているのは、とても大きなアドバンテージなのです。


とはいえ、そこにはいくつか注意点があります。

1つ目は、

「こんな内容、誰でも書ける。私ならもっとすごい内容が書ける」、

という風に、先に出ている似たような本を、見下してしまうこと。


これのなにがまずいかというと、

その「もっとすごい内容」が、プロ向けの高度過ぎる内容になりがちだからです。

そうなってしまうと、読者はついていけず、

「もっと分かりやすく、かつラクそうな本がいい」

と考えてしまうでしょう。


編集者もそう考えますから、まず企画が通りません。

そうではなく、あなたらならではの工夫で、読者サービスをすること。

この考え方が、読者と編集者を、グッと引きつけるでしょう。


2つ目の注意点は、

後から出すのに、同じような内容になってしまうこと。

すでに似たような本が出ており、内容までほとんど同じなのであれば、

出版社も後から出す意味はあまりないでしょう。


なので、「私の企画は"読者にとって"ここが違う」

という、差別化を考え、それを出版企画書でも打ち出していくことが、とても大切なのですね。


いかがでしょうか?

注意点を踏まえて「似たような本」を見ていけば、

最短距離で本を出すことも可能。

早ければいいというものでもありませんが、

どうしても早く!という方の、ご参考になれば幸いです。

 

2020/07/30著者の禁句は、"こんなの知っている"

こんにちは、保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタントの樺木宏です。


この記事を読んでいるあなたは、

商業出版で本を出そうという人ですから、

専門分野をもつプロフェッショナルだと思います。

知識も豊富で、読書などのインプットにも余念がない、勉強熱心な人も多いことでしょう。


ただ、あなたが好むのは「自分レベル」の本や情報ではないでしょうか?

プロが好んで読む本は、専門知識を持っていることが前提で、

高度で最先端な、内容であることが多いのです。


自分で本を出そうとするときは、その感覚はいったん脇に置かなければいけません。

なぜなら、どの分野でも、「8割の人は素人」だからです。


大半が素人なのにもかかわらず、プロ向けの感覚のままでいるとどうなるか。

そう、売れない企画書になり、企画が通りません。

仮に、あなたの実績が凄すぎて企画が通ったとしても、

素人が興味関心を持ちにくい内容になってしまい、本が売れません。


だから、どんなに凄いプロでも、いや、凄いプロだからこそ、

自分の感覚をいったん脇に置き、「素人向け」という目線が大切になってくるのです。


そういう意味で、もしあなたが、

書店で素人向けに書かれている本を見て、

「なんだ、こんなの誰でも知っている。たいした本じゃないな」

などというネガティブな印象を持ったら、それは著者として赤信号が灯っているといっていいでしょう。


むしろ逆に、

「こうやって工夫すれば、素人の読者に、もっと関心をもってもらえるのか」

と、感心したり、悔しがったりするようなら青信号。

将来の著者デビューや、より売れる本、という結果につながることでしょう。


著者の禁句は、"こんなの知っている" 。

ご参考になれば幸いです。

 

2019/12/19「いい内容だが企画としては弱い」と言われてしまわない方法

こんにちは、保護ねこ9匹と暮らす出版コンサルタントの、樺木宏です。


さて、ブログなどでは起こらないのに、商業出版ではよく起こってしまうのが、

自信をもってアウトプットした内容なのに、

「売れそうにないから、出せません」

と言われてしまうことですね。


商業出版は文字通り「ビジネスとしての出版」という面がありますから、

こればかりはクリアして先に進むしかありませんが、

悔しいダメだしは出来るだけ避けたいもの。

そこで今回は、

「いい内容なのに企画としては弱い、と絶対言われない方法」

をお伝えしようと思います。


そのポイントは2つです。

あなたのアウトプットが、

1)「新しいメリットがある」

2)「多くの人にメリットがある」

こと。

それを伝えるだけです。


まず1)についてですが、

なぜこれを伝えなければいけないかというと、

本は基本的に、「同じような内容を読んだ人が大勢いる」ものだからです。

売れ筋のテーマであれば、類書が書店に積まれているでしょう。

その中で後から本を出して売って行くためには、

新しいメリットを打ち出して光らないと、埋もれてしまいます。


大事なことは、プロから見て、あるいは業界から見て、

良い内容であることを伝えるのではない、ということです。

プロからみて魅力的なことは、読者から見たら高度過ぎてよく分からなかったりします。

ツボが違うので、魅力を感じられないこともしばしば。

「これが業界の最先端、プロも唸る内容です!」と伝えても、

「で、それが私にどういう得があるの?」と返されてしまうのが読者なのです。

だからあくまで「読者にとって」、新しいメリットを伝えることが大事です。


次に、2)「多くの人にメリットがある」についてですが、

この視点はそもそも、はじめて本を出そうとする人には馴染みがないことが多いです。

というのも、多くの新人著者さんが見ているのは、

読者ではなくてライバルや、自分と関係の深いクライアントだから。

それらの人は高度な知識を持っているので、

「期待に応えるためには高度な事を書かなくては!」

と、新人著者は内心思っていることがほとんどです。

つまり、「高度な知識を持った人にメリットがある本」

をつくろうとしてしまいがちなのです。


しかし、売れるかどうかは、それを読みたい人が多いかどうか、に直結しています。

だから、自分が書きたいことを書きつつも、読み手のレベルを想像する。

そして内容が高度すぎる、通向けのメリットで伝わりずらい、

という場合には、

「かみ砕いて、相手の目線でメリットを伝える工夫」

が大切なのですね。


いかがでしょうか。

「新しいメリットがあること」

「多くの人にメリットがあること」

を伝えれば、それは売れる本になる可能性が飛躍的に高まりますから、

今後は悔しいダメだしは激減し、ストレスの少ない著者活動になることでしょう。


ご参考になれば幸いです。

 

2019/10/10読者の数を劇的に増やす方法とは?

こんにちは、保護ねこ9匹と暮らす出版コンサルタントの、樺木宏です。


さて、本が売れるかどうかの大切なポイントに、

「読者ニーズ」

があります。


本が売れるかどうかは、それを読みたい読者がいるかどうか。

その人数が多ければ多いほど本は売れますし、

その悩みが深ければ深いほど、やはり本は売れます。


これを総称して「読者ニーズ」と言いますが、

出版社は最初にこうした点をチェックしてきます。

本を出すなら、最初に押さえておきたいポイントですね。


とはいえ、頭では分かっていても、実際はなかなか難しいものです。

というのも、私たちの脳には、

「自分が知らなかったときのことが分からなくなる」

という傾向があるからです。


これを「知の呪縛」といいます。

「アイデアのちから」というベストセラーで有名な、チップ・ハースの本から引用してみましょう。

---
>なぜ巷には記憶に焼き付く見事なアイデアが溢れていないのだろう?(中略)
>あいにく、悪者がいるのだ(中略)この悪者の名を「知の呪縛」という。

>いったん何かを知ってしまったら、それを知らない状態がどんなものか、
>うまく想像できなくなる。(中略)そうなると、自分の知識を他人と共有するのは難しい。
>聴き手の気持ちがわからないからだ。

>専門家というのは、ニュアンスや複雑さに魅力を感じるものだ。そこに「知の呪縛」が生じる。
>そうなると単純明快なメッセージを書くことがただの「白痴化」に思えてしまう。

(「アイデアのちから」チップ・ハース 日経BP刊 より)
---

これは、著者にとって隠れた大問題でしょう。

なにしろプロとして知識と経験を積み重ね、レベルアップすればするほど、

「読者に何が響くのかが分からなくなる=売れる本が書けなくなる」

と言われているに等しいからです。


この呪縛から逃れ、ベストセラーを出すにはどうするか?
方法は2つです。

1)脳の傾向に逆らって、読者の気持ちをくみ取る努力をする
2)それを知らない素人の力を借りる

どちらを選ぶか、それは著者としてのあなたの選択ですね。


ただ1つ言えるのは、プロとしての自説にこだわり過ぎると、

容易に「知の呪縛」の落とし穴に落ちる、ということです。

自費出版の本を眺めていると、いかにこの穴が大きく深いか、

ということに気づくことができるでしょう。

そういう意味で、日頃あまり見たいとは思わないでしょうが、

自費出版のラインナップを眺めてみるのも良い反面教師になります。


なおベストセラーを量産し続けているタイプの著者は、多くの人が

「出版チーム」

をつくっています。

つまり2)の選択をしているということですね。

本人がいくら優秀でも、いや優秀だからこそ、知の呪縛から逃れるための選択をしているのでしょう。


いかがでしょうか。

あなたの著者としての可能性を最大限に開花させるための、

ご参考になれば幸いです。

 

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