いなければ始まらない「読者ターゲット」
2013/08/19出版は"博打"にしてはいけません
こんにちは、樺木宏です。
もし株式投資で、
「世の中の人が何といおうと、自分がこの株が良いと思うから、とにかく買う」
という人がいたら、どう思うでしょうか?
博打ですよね。
もっと考えた方がよい、と普通は思います。
株式投資だと分かりやすいのですが、これが自分の本を出す、となると、急に視野が狭くなるのが人間。
例えば、
「自分のノウハウは有意義だから、とにかく本にしたい」
とう考え方です。
一見もっともそうに聞こえますが、当たり外れは運次第の博打です。
その理由は、上記の株の話と同じですね。
売れるかどうかを検証する、という視点が抜けていれば、
それは博打なのです。
そして編集者は、根拠の無い博打を嫌います。
自分で開催するセミナーやメルマガであれば、自己責任ということで済みますが、
出版社が約300万円もの費用を全額負担する商業出版では、そうは行きません。
いつまでたっても企画がとおらない、という事になります。
ではどうするか?
皆がどう考えているか、相手の目線になることです。
具体的には、そのテーマの本は売れているかどうか、調べること。
もし似たような本が全く無ければ、それは出版社が売れないと判断している、と言う事でしょう。
また、似たような本が多過ぎれば、あとから同じ内容を出しても売れませんから、違いを強調しよう、
となるでしょう。
こうした視点を持つだけで、出版が"博打"から"企画"に変わります。
ぜひ参考にしてみて下さいね。
2013/08/08出版ノウハウは、頭でなく感情で理解しましょう
こんにちは、樺木宏です。
出版ノウハウというのは、実は書いてしまうと簡単で、誰でも理解できる事ですが、
いざ「自分事」で感情が入ると、とても難しい事に変わります(笑)
どうしても「自分が」書きたいこと、「自分の」得意なノウハウ、と言う風に、
感情が「自分」を最優先するように働きかけてくるのですね。
そんな中でも代表的なのが、
読者の悩みより、自分の書きたいことを優先してしまうこと。
こうした企画はまず、編集会議を通りません。
なぜなら、「欲求の無い所に人はお金を払わない」からです。
いくら有意義な内容でも、魅力的なタイトルでも、誰もその事で困っていなければ、
お金を払ってまで本を読もうとは思いません。
お金を払う以外にも、読書は時間も使う事になりますし、そもそも本を読む行為は苦痛、という人だっています。
その為、読者が「お金と時間をかけてでも解消したい」悩みを探すことが、とても大切なのです。
でもこれが、頭で分かっていてもなかなか行動に移せない。
どうしても自分の書きたい事に引っ張られて、読者の悩みは2の次になりがち。
ここを頭でなく感情で理解できるかどうかが、
出版を知識で終わらせるのか、実際に出版して著者になるのか、の大きな分かれ目です。
2013/07/19オリジナルにこだわっては企画が通らない!?
こんにちは、樺木宏です。
さて、企画の相談を受けていて良く聞くのが、
「これは私のオリジナルで、似たような本はありません。だから独自性が高い本です。」
というセリフ。
確かに同じような本を後から出しても売れませんから、独自性は大切です。
だから、気持ちはよく分かります。
でも結論を言ってしまえば、オリジナルにこだわっては、企画が通らない可能性が高いです。
特に、そのオリジナリティに一体化してこだわってしまうと、そこで著者デビューの可能性がゼロになる事すらあります。
なぜかと言うと、読者のニーズが無い事が多いからです。
こうしたオリジナリティは多くの場合、"著者の個人的な思い入れ"からスタートしている場合がほとんど。
そうなると、その本を求めている読者がいるかどうか、その切り口が最適かどうか、などは全て後回しになります。
結果、たとえ読者のニーズが弱そうでも、見て見ぬふりをする→読者のニーズが無い企画になる、というパターンに陥りがちなのですね。
商業出版はマーケティングですから、は読者のニーズから開始しなければいけないのは、他の商品・サービスと同じです。
オリジナルにこだわるあまり、読者のニーズが見えなくなってしまっては、本末転倒。
ここでこだわりを手放し、柔軟に切り口を変更出来るかどうかが、その後を分けると言っても過言ではありません。
あなだもぜひ、自分のこだわりよりも先に読者のニーズを優先しているか、チェックしてみて下さい。
採用確度が大きく変わります。
2013/07/05数十万人を狙うには、1人に絞り込む?!
こんにちは、樺木宏です。
さて、初めて出版企画をつくる場合、ついやってしまいがちなのは、読者を広く考えてしまう事。
もちろん多くの読者に買ってもらえればそれに越した事はないので、間違いではありません。
しかし多くの場合、その手段を思いきり間違えているケースが多いのですね。
例えば、会社の人間関係の出版企画。
"上司にも、部下にも、両方役立つ企画"になっている事が多いです。
これでは、上司も部下も買いません。
読者からすれば「自分の為の本だ」となりませんし、対象が幅広いので、どうしても内容が抽象的になります。
あるいは、お金の本の企画。
"高額所得者も、そうでない人にも、両方儲かる本"。
これも、多いです。
心構えや考え方も違えば、当然有効な方法も変わってくるはず。
そこを絞り込んでいない時点で、「読者の心に刺さらない企画」になってしまうのですね。
逆に、想定する読者を思いきり絞り込んだらどうなるか?
一見狭くなってしまうようですが、実際は逆に広く訴求します。
読者の心に深く刺さるからですね。
「自分の為の本だ」「自分にメリットがありそうだ」「自分にも出来そうだ」
となり、深く刺さった企画は売れます。
出版業界には、「たった1人の向こうに何十万人もいる」という、有名な教訓もあるくらいです。
皆さんも、思いきって読者を絞り込みましょう。
採用確度が格段に向上する事、間違いなしです。
2013/06/18あのベストセラー著者もやっている、企画考案のコツとは?
こんにちは、樺木宏です。
よく「流行は繰り返す」といいますね。
ことファッションや音楽の世界では、その流れを見越して企画を立てることも多いです。
実は、これは出版でも同じ。
最近流行っているベストセラーが、30年前の本を真似ていた、という事も。
でもこれに気付いて本を読んでいる人は少ないようです。
例えば、日本マクドナルドを立ち上げた藤田田さんの「ユダヤの商法」。
40年以上前に書かれたベストセラーです。
某160万部を超えた有名ベストセラーに良く似ていませんか?
アイデアは組み合わせなので、全てがオリジナルである必要はありません。
古くて新しいこと、ありそうで無かったことを今の時代に組み合わせ、
価値ある情報として提供すれば、それは立派な企画になるのです。
ヒットを量産するベストセラー著者は、このあたりが上手い人が多いです。
いかがでしょうか?
このように、時代のニーズは繰り返す、という事を知っているだけで、
アイデアの引き出しが広がりますね。
これから本を出したい、あるいは何冊も出していきたい、という方の場合も同様です。
自分が書きたいテーマで、数十年前はどのような本が出ていたか?
を調べてみる事は、いろいろな気づきやヒントが得られるでしょう。
ついつい最近売れている本ばかり意識してしまいがちですが、
たまには思いきって数十年前に思いを馳せてみましょう。