いなければ始まらない「読者ターゲット」
2013/08/08出版ノウハウは、頭でなく感情で理解しましょう
こんにちは、樺木宏です。
出版ノウハウというのは、実は書いてしまうと簡単で、誰でも理解できる事ですが、
いざ「自分事」で感情が入ると、とても難しい事に変わります(笑)
どうしても「自分が」書きたいこと、「自分の」得意なノウハウ、と言う風に、
感情が「自分」を最優先するように働きかけてくるのですね。
そんな中でも代表的なのが、
読者の悩みより、自分の書きたいことを優先してしまうこと。
こうした企画はまず、編集会議を通りません。
なぜなら、「欲求の無い所に人はお金を払わない」からです。
いくら有意義な内容でも、魅力的なタイトルでも、誰もその事で困っていなければ、
お金を払ってまで本を読もうとは思いません。
お金を払う以外にも、読書は時間も使う事になりますし、そもそも本を読む行為は苦痛、という人だっています。
その為、読者が「お金と時間をかけてでも解消したい」悩みを探すことが、とても大切なのです。
でもこれが、頭で分かっていてもなかなか行動に移せない。
どうしても自分の書きたい事に引っ張られて、読者の悩みは2の次になりがち。
ここを頭でなく感情で理解できるかどうかが、
出版を知識で終わらせるのか、実際に出版して著者になるのか、の大きな分かれ目です。
2013/07/19オリジナルにこだわっては企画が通らない!?
こんにちは、樺木宏です。
さて、企画の相談を受けていて良く聞くのが、
「これは私のオリジナルで、似たような本はありません。だから独自性が高い本です。」
というセリフ。
確かに同じような本を後から出しても売れませんから、独自性は大切です。
だから、気持ちはよく分かります。
でも結論を言ってしまえば、オリジナルにこだわっては、企画が通らない可能性が高いです。
特に、そのオリジナリティに一体化してこだわってしまうと、そこで著者デビューの可能性がゼロになる事すらあります。
なぜかと言うと、読者のニーズが無い事が多いからです。
こうしたオリジナリティは多くの場合、"著者の個人的な思い入れ"からスタートしている場合がほとんど。
そうなると、その本を求めている読者がいるかどうか、その切り口が最適かどうか、などは全て後回しになります。
結果、たとえ読者のニーズが弱そうでも、見て見ぬふりをする→読者のニーズが無い企画になる、というパターンに陥りがちなのですね。
商業出版はマーケティングですから、は読者のニーズから開始しなければいけないのは、他の商品・サービスと同じです。
オリジナルにこだわるあまり、読者のニーズが見えなくなってしまっては、本末転倒。
ここでこだわりを手放し、柔軟に切り口を変更出来るかどうかが、その後を分けると言っても過言ではありません。
あなだもぜひ、自分のこだわりよりも先に読者のニーズを優先しているか、チェックしてみて下さい。
採用確度が大きく変わります。
2013/07/05数十万人を狙うには、1人に絞り込む?!
こんにちは、樺木宏です。
さて、初めて出版企画をつくる場合、ついやってしまいがちなのは、読者を広く考えてしまう事。
もちろん多くの読者に買ってもらえればそれに越した事はないので、間違いではありません。
しかし多くの場合、その手段を思いきり間違えているケースが多いのですね。
例えば、会社の人間関係の出版企画。
"上司にも、部下にも、両方役立つ企画"になっている事が多いです。
これでは、上司も部下も買いません。
読者からすれば「自分の為の本だ」となりませんし、対象が幅広いので、どうしても内容が抽象的になります。
あるいは、お金の本の企画。
"高額所得者も、そうでない人にも、両方儲かる本"。
これも、多いです。
心構えや考え方も違えば、当然有効な方法も変わってくるはず。
そこを絞り込んでいない時点で、「読者の心に刺さらない企画」になってしまうのですね。
逆に、想定する読者を思いきり絞り込んだらどうなるか?
一見狭くなってしまうようですが、実際は逆に広く訴求します。
読者の心に深く刺さるからですね。
「自分の為の本だ」「自分にメリットがありそうだ」「自分にも出来そうだ」
となり、深く刺さった企画は売れます。
出版業界には、「たった1人の向こうに何十万人もいる」という、有名な教訓もあるくらいです。
皆さんも、思いきって読者を絞り込みましょう。
採用確度が格段に向上する事、間違いなしです。
2013/06/18あのベストセラー著者もやっている、企画考案のコツとは?
こんにちは、樺木宏です。
よく「流行は繰り返す」といいますね。
ことファッションや音楽の世界では、その流れを見越して企画を立てることも多いです。
実は、これは出版でも同じ。
最近流行っているベストセラーが、30年前の本を真似ていた、という事も。
でもこれに気付いて本を読んでいる人は少ないようです。
例えば、日本マクドナルドを立ち上げた藤田田さんの「ユダヤの商法」。
40年以上前に書かれたベストセラーです。
某160万部を超えた有名ベストセラーに良く似ていませんか?
アイデアは組み合わせなので、全てがオリジナルである必要はありません。
古くて新しいこと、ありそうで無かったことを今の時代に組み合わせ、
価値ある情報として提供すれば、それは立派な企画になるのです。
ヒットを量産するベストセラー著者は、このあたりが上手い人が多いです。
いかがでしょうか?
このように、時代のニーズは繰り返す、という事を知っているだけで、
アイデアの引き出しが広がりますね。
これから本を出したい、あるいは何冊も出していきたい、という方の場合も同様です。
自分が書きたいテーマで、数十年前はどのような本が出ていたか?
を調べてみる事は、いろいろな気づきやヒントが得られるでしょう。
ついつい最近売れている本ばかり意識してしまいがちですが、
たまには思いきって数十年前に思いを馳せてみましょう。
2013/06/12知っていそうで知らない、読者ターゲットの落とし穴
こんにちは、樺木宏です。
読者ターゲット、大切ですね。
もっと言えば、ある意味、何を書くかより大切です。
意外に思われるでしょうか?
でもこう考えてみて下さい。
・意義ある内容だが、読者が少ない本
・意義はそこそこだが、読者が多い本
間違いなく後者の方が売れますね。
という事は、出版企画が通りやすいということで、著者デビューに近づく、という事なのです。
もちろん、著者としては世の中に提供する「価値」と理念がとても大切なので、
ただ売れればよい、などという事はブランディング上もありえません。
しかし実際に初めて出版企画を考えるときは「売れる」という事を軽視していまいがち。
これくら強調して考えたほうが、実際には役立ちます。
では、どうやって読者ターゲットを決めるか、という事ですが、
これがなかなか難しい。
すでにビジネスを上手く回している人でも、自分の本当の読者に気づかないこともあるくらいです。
ではどうするか?ということですが、
「だれに書きたくないか」
「本が売れた時に、どういう人に来て欲しくないか」
を先に決め、消去法で決めていく、という方法もありです。
というのも、ここを間違えると、出版は失敗になってしまうから。
多才で実績ある人ほど、この落とし穴には落ちやすいので、消去法はとても有効です。
いかがでしょうか?
読者ターゲットについての考察、ご参考になれば幸いです。