いなければ始まらない「読者ターゲット」
2017/01/25お釈迦さまに学ぶ、「売れそうだ」と思われる人の共通点
こんにちは、樺木宏です。
さて、私は仕事柄、商業出版で本をこれから出そうとしている人や、すでに本を出している人とお話をする機会が多いです。
というか、編集者以外ではそういう人とばかり会っています。
多くの人に会う中で、
「この人の書く本は売れそうだな」とか「さすがに売れている人だな」
と思うこともしばしばです。
そこであなたにお伝えしたいのは、
「売れそうだな、と思われる人」の、ある共通点です。
どんな共通点だと思いますか?
それは、ズバリひとことで言うと、
「自分の目線ではなく、相手の目線で話をする人」です。
こういう人は、必ずといっていいほど出版できるし、本が売れます。
商業出版で言い換えるなら、
「プロとしての著者の目線ではなく、素人としての読者の目線で本を書ける人」
ということだからです。
そこで私が思いだすのが、仏教の開祖、お釈迦様。
悟りを開くという、ある意味究極に高度な内容を伝えるために、
お釈迦様は、とても分かりやすい伝え方を心がけた、と言われています。
その1つが「対機説法(たいきせっぽう)」と呼ばれるもの。
これは何かというと「相手の能力や個性に応じて、柔軟に工夫する伝え方」です。
お釈迦様は、相手の理解度や立場、欲求に応じて伝え方を柔軟に変え、
どんなに無学の人にでも分かりやすく伝えることが出来た、と言われています。
著者の場合でも、リテラシーが低めの人にも分かりやすい内容にしてあげれば、多くの読者に届きます。
その証拠に、どのテーマでもいちばん売れるのは入門書です。
逆に言えば、著者のプロとしての理解度や欲求レベルでそのまま伝えてしまっては、
相手に伝わらなかったり、売れなかったり、場合によっては誤解されてしまうことすらあるかも知れません。
また、お釈迦様は自分の教えを残したいという弟子に対し、
当時高等な言語とされていたサンスクリット語で書くことを禁じ、
民衆にも親しみやすい口語、パーリ語で残すよう指示したと言われています。
まさに読んでもらうための配慮ですね。
親しみのある言葉づかいで書かれていれば、その人の心により深く届きます。
本であれば、その感動が口コミやSNSなどで周囲に伝染し、さらに売れるということにもつながるでしょう。
だから、「プロとしての著者の目線ではなく、素人としての読者の目線で本を書ける人」
は、売れるのですね。
逆に言えば、著者としての権威を高めようと、高尚なテーマを選んでしまったり、
難しい表現や専門用語を多用することは、ある意味とても残念な行為、とも言えるでしょう。
考えてみれば、仏教の歴史も「分裂」の歴史ですが、
その原動力はいつも、教えが難解になりすぎ、多くの人に伝わりずらくなったことへの反動でした。
いかがでしょうか?
あなたの書く内容がどんなに高度でも、「究極の悟り」ほどではないなら、
必ず分かりやすく書くことができます。
そしてそれは、あなたの本が売れて、ブランド力を高めるための近道なのですね。
ご参考になれば幸いです。
2016/12/21"忘れられていた読者"に向けて書こう
こんにちは。商業出版コンサルタントの樺木宏です。
本というものは、いくら素晴らしい内容を書いても、読む人がいなければ成り立ちません。
だから、「誰に読んでもらうのか?」は、出版する上でとても重要なポイントです。
多くの本が先に世の中に出版されているのですから、
「なんとなくこういう人が読者」
というのでは、なかなか企画が通りません。
そこで考えたいのが、「意外なところに読者がいないか?」という視点です。
例えば、ペットの本は、獣医さんが書く実用書か、ねこ好きの方が書くエッセイやマンガが多いもの。
そのテーマで類書を見回してみると、女性の著者が書くものが非常に多い。
その内容も、とても情緒的でソフトな感じです。
どちらかというと、右脳型の女性著者が、女性向けに書いた本が多い、というのが分かってきます。
そこで、「意外なところに読者がいないか?」と考えてみました。
実用書以外では男性著者が少なく、男性向けのペットの本はあまり無いのですね。
かつてダイエット本も、女性向けのものしかありませんでした。
そこに「オヤジダイエット」がでた事で、一連の中高年男性向けのダイエット本が
ブレイクしたことは、記憶に新しいと思います。
そのように考えると、
「左脳型の男性でもペット本を読みたいのではないか?」
という意外な読者が見えてきます。
それが実は、私が書いた「幸せになりたければ ねこと暮らしなさい」という本の想定読者です。
もちろん、それ以外にも読んで頂けるよう写真を多用してオールカラーにするなどの工夫はしているのですが、
基本的な想定読者は男性です。
いかがでしょうか?
このように、「意外な読者」を考えてみることで、あなたの企画も、
突然ユニークなものに変わり、出版の実現がグッと近づくことでしょう。
ご参考になれば幸いです。
2015/12/09読者層を広げ、読者数を増やす
こんにちは、樺木宏です。
さて、今回の記事でも、実践的な企画のブラッシュアップのアドバイスをお伝えしています。
たとえ本が出版されても、それがベストセラーとなっても、本を出し続けるためには、
結局は企画を考案し、ブラッシュアップすることはついて回るからですね。
そういう意味で、新人著者からベテラン著者まで、お役に立てるよう、意識してお伝えしていきます。
さて今回は、
「読者層を広げ、読者数を増やす」
ことをお伝えします。
このことをお伝えするのには、2つ理由があります。
1つは、多くの方が「読者数が少ない」企画を考案してしまうからなのですね。
あなたの今のクライアントや、身近かにいる人だけを対象にした本では、
読者数が少なく、手を挙げる出版社も限られてしまい、採用確度が低くなってしまいます。
そこで「もっと広げられないか?」と自分に問うてみることで、さらに売れる企画となり、
採用確度が増すでしょう。
2つ目の理由は、例え企画が通っても、部数が少ないとブランディング効果が低いためです。
そうなると集客効果や、講演依頼なども期待できず、次の出版の声がかかる可能性も低くなってしまいます。
そもそも商業出版する目的はそこにあると思いますので、本が出ても結果がなければ、本末転倒でsね。
でもいつまにか本を出す事自体が目的になってしまう人も多いので、こうしたチェックポイントはとても有効です。
このような理由から、もっと読者層を広げ、読者数を増やすことで、
ブランディング効果を高めていきたいですね。
例えば、下記の本。
「そのかめはめ波は違法です!──ワクワクドキドキ大冒険しながら法律武装」
http://goo.gl/vItq5o
この本は、弁護士が書いた法律の解説書なのですが、そう言うと違和感があるくらい、読者層が広がっていますね。
「法律に関心がない読者でも、読みたくなるような工夫」
が光ります。
法律に関心がある人だけに書いているのではなく、あえて「素人」に向けて書いていることが、
この本の素晴らしいところだと思います。
その事で、読者層を広げ、読者数を増やす事に成功しています。
いかがでしょうか?
上記は一例ですが、テーマや業界が違っても、あなたの企画でも活用できるノウハウです。
もともと関心が高い読者だではなく、もっと素人でも「自分事」と思えるような、
敷居の低いメリットを考案してみることで、多くの読者の心をつかむ事ができるでしょう。
ご参考になれば幸いです。
2015/11/18ブランディング効果を上げる、読者層の広げかた
こんにちは、樺木宏です。
さて、私はメールのアドバイスで、
「読者層を広げ、読者数を増やす」
ことを提案することが多いです。
というのは、読者数が少いと手を挙げる出版社も限られてしまい、採用確度が低いことが1つ。
もう1つは、例え企画が通っても、部数が少ない為ブランディング効果が低いためです。
そうなると集客効果や、講演依頼なども期待できず、次の出版の声がかかる可能性も低くなってしまいます。
ですので、もっと読者層を広げ、読者数を増やすことを、アドバイスする事が多いのですね。
例えば、ゴルフに関するノウハウや事例を元に、本を書きたいとしましょう。
それを、ゴルファーに向けてそのまま本にするのでは、読者が少ないので難しいでしょう。
でも下記のような本にすれば、どうでしょうか。
○「なぜ、エグゼクティブはゴルフをするのか? 」
-読むだけで、仕事と人生の業績がUPするショートストーリー-
http://goo.gl/4pgJvJ
ゴルファーだけに向けた本ではなく、一般のビジネスパーソンが興味を持って読めるよう、
工夫していますので、読者数が大幅に広がり、出版可能性も大きく上がっていますね。
実際、この本は過去ベストセラーにもなったそうです。
○「コンセプトのつくりかた」
- コンセプトが見つかれば、やるべき事の99%が決まる -
http://goo.gl/hlFKWL
この本は、任天堂でゲーム機開発に携わった著者が、業界外の一般の素人の読者に向けて書いた本です。
ゲーム業界のプロ向けに書いているのではなく、あえて「素人」に向けて書いていることが、
参考になりますね。
その事で、読者層を広げ、読者数を増やす事に成功しています。
いかがでしょうか?
同じノウハウや事例でも、
「読者層を広げ、読者数を増やす」
ことで、出版の採用確度を大きく上げ、あなたのブランディグ効果を高めることができますので、
この考え方を、ぜひ活用してみて下さい。
2015/09/30本を読みたくない人にでも買ってもらえる、企画のテーマの作りかた
こんにちは、商業出版コンサルタントの樺木宏です。
さて、この記事を読んで頂いている方は、
本を書こうと考えている人か、すでに書いている人だと思います。
そういう方が往々にして見落としがちなのが「一般読者の感覚」です。
ネットを見れば大抵のことは無料で分かりますし、それをスマホでいつでも出来てしまう時代です。
また、できればオフタイムはダラダラして過ごしたいものですから、本を読んで学ぶのは苦痛でもあります。
そんな中、本を買って下さいということは、
「お金を出してストレスある行為をしてください」ということでもあるのですね。
これはハードルが高い要求であり、意識が高い人には盲点になりがちです。
だから、雑誌やWebと同じように考えていては、出版の企画は通りません
雑誌のような「浅く広い」テーマでは読者のストレスをクリアーできないからです。
スマホで通勤時間で無料のWebで暇つぶしをするならよいが、お金を払ってまでは読みたくない、
というのが普通の読者の感覚なのですね。
だから商業出版のテーマは、読者の悩みを浅く広く刺すのではなく、
「狭く深く刺す」ことがセオリーです。
お金を出したくなくでも、ダラダラして本を読みたくなくても、
「それでも逃れたい苦痛を解放してくれるかも」
「こんな風になれたら素晴らしいな」
を刺激しましょう。そして、
「自分の悩みを解消してくれる、自分のためにあるような本だ」
「この悩みを解決できるなら本代を払って、ガマンして読もう」
と感じてもらうことが不可欠なのですね。
いかがでしょうか?
あなたの企画が、"本を読みたくない人にでも買ってもらえる"ためのヒントになれば、幸いです。