いなければ始まらない「読者ターゲット」
2014/04/04"業界のプロ同士"の勉強会"の落とし穴
こんにちは、樺木宏です。
皆さんは、自分の業界プロ同士で、勉強会などに参加しているでしょうか?
ノウハウの共有や人脈をつくる上で、有意義なものだと思います。
ただし。
"著者"という視点からみると、1点気をつけたいことがあるのです。
どういう事かと言うと、
「そこで語られるレベルが、あたり前になってしまう」
事です。
これは、著者を目指す人、あるいは出し続けたい人からみれば、とても大きな落とし穴になり得ます。
なぜなら、
「読者のニーズを見落とす」
ことがあるから。
例えば、先日とても実績とノウハウのある著者と話していた時に、
「えっ、そんな事を普通の読者は知らないの?」
というリアクションがありました。
普段レベルの高い専門知識を情報交換しているので、まさかそんな基本的なことが
分かっていない人が世の中に多い、ということが盲点になってしまっているのですね。
これは、まさに「読者ニーズの見落とし」です。
そしてこういう人がどういう企画をつくるかと言うと、
「同業者からみてもカッコいい企画」
をつくろうとします。
そうなると、一般の多くの素人読者には、全く刺さらない企画、になる可能性が高い。
そうなると企画は通りません。
これは是非避けたい落とし穴ですね。
売れている著者とは飛び抜けて優秀な人では無く、素人レベルまで目線を下げられる人。
市場のニーズに気づける人、という事です。
ご参考になれば幸いです。
2014/03/04企画の大前提となる"読者ニーズ"の考え方
こんにちは、樺木宏です。
さて、商業出版とは文字通り「本を売るビジネスとしての出版」です。
出版社に"売れる!"と思われれば企画が通りますし、売れないと思われれば通りません。
だから、「この本を欲しがる読者は大勢いる=読者ニーズがある」
ことを示すのが、出版企画書の大切な役割です。
出版社は本を出すのに約300万円ほど掛けますから、
売れると言う確信がないと、企画にGoは出さないのですね。
では具体的にどうすれば?と言う事なのですが、
1)同じテーマの本が「今」売れている
2)読者が多いことを、統計などのデータで示せる
上の2つのうちいずれかが必要です。
1)について言えば、今売れていると言う事は、読者ニーズがある、という事。
なので、同じテーマであれば「まだ売れるかも」と出版社は考えます。
ただし、同じ事は皆考えます。
ベストセラーがでたら、似たような本が何冊も書店に並ぶことは当たり前。
そうなると、いかに早く動くかが勝負で、結局常日頃から読者ニーズのリサーチは欠かせない、と言う事になります。
また、昔に売れた本、ではダメです。
すでに読者ニーズは満たされてしまっているからですね。
あくまで「今」でないと、意味がありません。
2)の「読者が多いことを、統計などのデータで示せる」について言えば、「数字」が大切です。
まだ先行するベストセラーはない場合、客観的な信用があるのが「潜在的な想定読者数」だからです。
それも、単なる「20代後半男性サラリーマン・課長職」といった属性だけではダメで、
「その人の抱える悩み」にまで踏み込んでいる必要があります。
本はWebや雑誌と比べても高額な情報代ですから、悩みを解決したいと思っていないと、買ってくれないものなのですね。
いかがでしょうか?
読者ニーズと言っても、いろいろな注意点がありますね。
ここが企画採用の大前提となる大事なところですので、
企画考案の際は、ぜひ参考にしてみて下さい。
2014/02/18居酒屋で後輩にアドバイス"ができれば、本は出せる
こんにちは、樺木宏です。
さて、商業出版というと非常にハードルが高い印象がありますね。
実際大変な事ではあるのですが、
実は私は「居酒屋で後輩にアドバイスするのと同じ」だと考えています。
というのも、そこにあるのは出版企画に求められる本質、そのものだからです。
例えば、後輩から相談を受けているのに、
相手をロクに知らなかったり、
その解決について消極的だったり、
自分の知らない事で語ったり、
と言う事は基本的にありえないですよね。
これは出版的に言えば、
・想定読者を1人の人物が浮かぶほど具体的にイメージできており
・自分の言いたい事だけでなく相手の知識レベルを踏まえて
・ノウハウだけでなく事例や表現に工夫して、分かりやすく伝える
という事になります。
これが出来れば、読者の悩みに深く刺さる本になりますし、
読者の再現性も高い内容になるでしょう。
でも実際に多いのは、
本だからと構えて読者を忘れてしまったり、
相手がイメージ出来ていないので、抽象的かつ難解な言い回しになったり
事実の羅列だけで、分かりやすく伝えようという配慮が欠けていたり、
という企画や原稿です。
そこには読者に対する愛情や、問題解決への熱量が少ない。
多少キツイいい方をすれば、居酒屋の説教以下、の企画が多いのですね。
いかがでしょうか?
身近にあるシーンをイメージするだけで、著者へのハードルは大きく下がります。
ぜひ企画を考えるときは、「居酒屋で後輩にアドバイスするのと同じ」と考えて見て下さい。
一皮むけた企画になること、請け合いです。
2013/10/10優秀な人ほどハマってしまう「落とし穴」
こんにちは、樺木宏です。
商業出版を目指す方は、優秀な人が多いです。
仕事に自信をもち、相応しい実積を挙げている人がほとんど。
しかし、ここに意外な落とし穴があることをご存知でしょうか?
それは、
「優秀な人ほど、読者の欲求と離れてしまう」
という事です。
言い換えれば、せっかく良いものを持っているのに、
読者の欲求を満たさない企画を考えてしまう人が多い、と言う事。
これはこの2年で約50冊の本をプロデュースし、多くの著者の方の企画を見ての実感です。
さて、なぜそのような事が起こるのか?
それは、要求のレベルが違うからです。
著者を目指すほど優秀な実積を挙げてきた人は、高い次元の欲求をもっています。
マズローの段階欲求で言えば、
「承認欲求」「自己実現欲求」
のような、高次元の欲求ですね。
例えば、「天職が見つかる仕事術」
というようなステージの企画が、これに該当します。
一方、世の中の大多数の読者は、そうではありません。
マズローで言えば、
「安全欲求」「親和欲求」
のステージの人がほとんど。
例えば「リストラされない為の仕事術」「部下と上手くやるコミュニケーション術」
という企画です。
両者の意識のギャップは大きいですね。
多くの企画書を見ると、ここの差がそのまま開いたままで、ギャップ顕著に感じられます。
このままでは、いかに有益であっても、売れる企画にはなり得ません。
では、どうしたら良いのか?
これは、著者の方から目線を下げ、降りていく他はありません。
それが、「読者目線」という事ですね。
自分のビジネスの領域での優秀さに加えて、この「読者目線」を身に付ければ、
鬼に金棒ですね。
逆にこの目線が無ければ、いかに優秀とはいえ、商業出版のハードルは高いでしょう。
今日のまとめです。
優秀な人ほど、読者を意識し、目線を下げましょう。
自分の優秀さゆえに出来てしまう盲点を、避ける事ができますよ。
2013/08/19出版は"博打"にしてはいけません
こんにちは、樺木宏です。
もし株式投資で、
「世の中の人が何といおうと、自分がこの株が良いと思うから、とにかく買う」
という人がいたら、どう思うでしょうか?
博打ですよね。
もっと考えた方がよい、と普通は思います。
株式投資だと分かりやすいのですが、これが自分の本を出す、となると、急に視野が狭くなるのが人間。
例えば、
「自分のノウハウは有意義だから、とにかく本にしたい」
とう考え方です。
一見もっともそうに聞こえますが、当たり外れは運次第の博打です。
その理由は、上記の株の話と同じですね。
売れるかどうかを検証する、という視点が抜けていれば、
それは博打なのです。
そして編集者は、根拠の無い博打を嫌います。
自分で開催するセミナーやメルマガであれば、自己責任ということで済みますが、
出版社が約300万円もの費用を全額負担する商業出版では、そうは行きません。
いつまでたっても企画がとおらない、という事になります。
ではどうするか?
皆がどう考えているか、相手の目線になることです。
具体的には、そのテーマの本は売れているかどうか、調べること。
もし似たような本が全く無ければ、それは出版社が売れないと判断している、と言う事でしょう。
また、似たような本が多過ぎれば、あとから同じ内容を出しても売れませんから、違いを強調しよう、
となるでしょう。
こうした視点を持つだけで、出版が"博打"から"企画"に変わります。
ぜひ参考にしてみて下さいね。