いなければ始まらない「読者ターゲット」
2015/03/11必ず商業出版が決まる3つのコツその(1)読者ニーズ
こんにちは、樺木宏です。
さて、必ず商業出版が決まる3つのコツと題して、
基本的な、しかしとても重要な出版ノウハウをお伝えしていきます。
第1回目の今回は、「読者のニーズ」についてです。
商業出版は売れるかどうかで採用の成否が決まります。
いくら素晴らしい内容でも、すごい実績のある著者でも、それを読みたい人がいなければ、
売れる事はありません。
だから企画を採用する側の出版社としては、まず最初にチェックするのがこの読者ニーズなのです。
当然、著者の側としても、出版企画書の中で、必ず押さえないといけませんね。
読者のニーズをアピールするには、2つのやり方があります。
カンタンなのは、同じテーマですでに似た本が出ていて、それが今売れている場合。
出版社も当然それを知っていますから、読者ニーズについては軽く触れる程度でOKです。
気をつけなければ行けないのは、類書が少なかったり、すでにピークを過ぎて枯れているテーマ
の場合です。
この場合は、具体的な想定読者の数と質を、出版企画書の中で、説得して行く必要があります。
その説得力が、企画を検討するかどうかを左右するでしょう。
なお、新人著者の方でありがちなミスは、読者ニーズを丁寧に説得すべきなのにも関わらず、
軽く流してしまうこと。
売れ筋のテーマでもないのに、読者のニーズに言及する事なく、自分の企画内容の説明に終始
してしまえば、企画はスルーされてしまいますので、ここは注意したいですね。
では、具体的にどうやって読者のニーズをアピールするか?と言う事ですが、
・数:その事で悩んでいる人の数は、本が十分売れるほど多いのか?
・質:その悩みは、お金を払ってでも解決したいほど深いのか?
の2つの要素が挙げられます。
ここを出版企画書の中で、十分にアピールしていきましょう。
数については、一般的には100万人の想定読者がいれば、採用確度はある程度高い、と考えて良いでしょう。
質については、まさに著者の経験や、力量が問われる所です。
「どのような悩みに注目して、読者を設定するのか?」
ここが、企画の半分を占めると言っても良いくらい大切なことですから、
じっくりと取り組みたいですね。
私が企画を一緒に考える場合も、かなりの時間をここで費やしします。
いかがでしょうか?
出版社がまず最初にチェックする、読者ニーズ。
出版企画を考える時は、ぜひ時間を割いて考案してくださいね。
2015/01/14商業出版の成否を左右する、たった1つの"視点"とは?
こんにちは、樺木宏です。
さて、商業出版では、あなたの企画が編集会議を通るか通らないか、そこが大事ですね。
私は過去4年で100冊以上の出版企画を通して来ましたが、
編集会議で企画を通す上で、大事だと感じている視点があります。
それは、
「この本は、読者にどんな新しい"得"を提供するのか?」
ということです。
これが明確になっていないと、まずその出版企画は通りません。
いくら素晴らしい実績のある著者で、売れているテーマの本だとしても、
「すでに似たような本が出ているから、もう売れないだろう」
と思われてしまうからです。
そう思われないために
「この本は読者にとって、こんなに魅力的で、新しい"得"がありますよ」
ということを、出版企画書でアピールする必要があるのですね。
その時注意したいのが、その"得"の内容です。
あまり高度な内容だと、読者は敬遠してしまいます。
それは優秀な著者だからできるので、自分にはムリだ、と感じさせてしまいますし、
もっと身近かな事に悩んでいるので、そんな高度な欲求は無い、という読者も多いのですね。
目線を下げて、あなたのレベルではなく、読み手のレベルに合わせることで、
"得"がより魅力的になり、読者にとっても、出版社にとっても、輝きを増してきます。
特に初めて本を出す人の場合は、知名度やファンの数で売る、というワザがつかえませんから、
本が読者に与える"得"の魅力は、そのままあなたの著者としての魅力ですから、
ここはぜひ押さえておいて欲しいです。
あなたの出版企画がさらに編集会議を通りやすくなるための、ご参考になれば幸いです。
2014/12/24何を書くかより、誰が読むかの方が大切です
こんにちは、樺木宏です。
さて、本を書くというと、
「何を、どう書こうか」について、考えますね。
あれも書きたい、これも書きたい・・・となるのが普通だと思います。
でも商業出版に限って言えば、
「誰が読むのか」を考えることの方が、ずっと大切です。
なぜかと言うと、
商業出版は、"読者に買ってもらわないと成り立たない"からです。
出版社の採用基準は、良い内容かどうかではなく、売れるかどうか。
だから、
「読者が書店で、タイトルに目を止めて、手に取ってくれるかどうか?」
「手に取って立ち読みしたときに、目次の冒頭で"自分の為の本だ"と思ってくれるかどうか?」
本を買ってもらう上で最重要なのは、そこなのです。
こうした事を知らないと、考える順番を間違えます。
まず自分が書きたい事を決めてから、誰に当てはまるかを考えてしまう。
そうすると、読み手からみると、「後付け感」を感じてしまったり、
「(自分の悩みは)そこじゃないんだよな・・・」となってしまいがちです。
逆に、最初に誰が読むかを考えて、その人に向けて内容を後から考える。
そうすると、「自分のための本だ」と深く刺さる人が、必ず出てくるのです。
売れかどうかは、こうした事で決まりますから、
当然企画が通るかどうかも、ここがポイントなのですね。
いかがでしょうか?
自分よりも先に相手の事を考える。
それだけで、あなたの企画は格段にレベルアップし、著者としてのポテンシャルが引き出されます。
たったこれだけの事なのに、やらないのは勿体ないですね。
ご参考になれば幸いです。
2014/10/22出版企画書でまずチェックされるのは、読者の数です
こんにちは、樺木宏です。
さて、今回の記事は具体的な出版ノウハウの話。
出版企画書で、まず最初にチェックされるのは、
「想定読者の数」です。
もしここが足りないと思われたら、いかに充実した素晴らしい内容が書かれていても、
その企画が採用される事はありません。
出版社は出版に必要な費用を全額支払い、リスクを負うからです。
売れない本を出してしまえば、赤字になります。
編集者個人としても、そういう本が続けば社内の評価にかかわります。
だから、想定読者が少ない→売れる可能性が低い本→その企画はスルー
となってしまうのですね。
だから企画のアイデアが浮かんでそれを書き留めたあと、あなたが最初にすべき事は、
「この本を、読みたい人はどれくらいいるか?」
を自問自答することなのです。
さらに具体的に言えば、自問自答には、2つのチェックポイントがあります。
1つは、この半年〜1年以内に、類書が多くでているかどうか。
もう1つは、読者が100万人程度いることが示せるか。
です。
このうちどちらかを満たしていれば、読みたい人が大勢いる企画、ということです。
前者のように、類書が多くでていれば、それは売れているからなので、需要があることは明白です。
ただ気をつけなければいけないのは、あまりにも多く出過ぎている場合と、
そうなってから時間が経ちすぎている場合。
それはもう飽和状態になっていますから、難しいと判断されてしまうでしょう。
後者の100万人読者がいるかどうかについては、データで示す必要があります。
業界内の統計や、関連するサービスを利用している人数などを、数字で見せられるかどうかです。
ただここで注意したいのは、単純な年齢、性別、職業などだけでは不十分、という事です。
もっと具体的な"悩み"で絞り込まないと、人数だけ多くても売れない、と判断されてしまうでしょう。
いかがでしょうか?
想定読者の数に注目すれば、あなたの企画は最初の関門を突破し、
採用確度は大きく向上します。
ぜひこのノウハウを活用して見て下さい。
2014/08/12編集者がスルーする企画と、食いついてくる企画の違いとは
こんにちは、樺木宏です。
さて、出版企画は、提案したときのリアクションにより、2種類にわかれます。
・編集者が食いついてくる企画
と、
・見向きもしないでスルーする企画
です。
当然前者の方がよいですよね。
でも残念ながら、後者の企画の方が世の中には多いようです。
それを裏付けるように、出版社の中には、
"送られてくる出版企画や原稿を、ゴミ箱に捨てる係"
なる人が決まっていたりします。
それくらい、スルーされてしまう企画は多いのです。
では、そうならない方法は?
実戦的なことを1つだけお伝えするとしたら、
「読者を徹底的に寄り添う」事をおすすめします。
そうする事で、あなたの普通の企画が「深く刺さる企画」に変わります。
読者の側からしてみれば、自分以外にも大勢の人に向けた本よりも、
自分の悩みにぴったりフィットしていて、"まるで自分の為にあるような本"が欲しいからです。
その為にも、読者の悩みに寄り添うことが大切。
例えば勉強をテーマにした本であれば、
「出来ない人の気持ち、葛藤、過去の挫折、諦めの気持ち、恥ずかしさ」
といった気持ちに寄り添うことで、読者に深く刺さる本になるでしょう。
もし編集者が想定する読者と同じ悩みをもっていたら?それは絶好の機会ですね。
逆に、ここをおろそかにして、「有意義な内容を書いてあるのだから、読んでくれれば分かる」
「やりさえすれば出来るようになる」
などと、上から目線で行ってしまうと、よほどの実績がある著者でない限り、その企画はスルーされてしまう可能性が高いです。
他にもいろいろと企画のノウハウはあるのですが、いずれも準備や情報の蓄積が必要。
そうなると結局実践できずに、「スルーされる企画」になってしまう可能性が高いです。
だからまずは「読者の悩みに寄り添い、深く刺さる企画」にして行きましょう。
必ず企画の採用確度が上がりますよ。