いなければ始まらない「読者ターゲット」
2023/03/16主役は誰か?を考えればうまくいく
こんにちは。
保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタント、樺木宏です。
さて、いきなりですが質問です。
商業出版の主役は誰でしょうか?
そう、お金を払って本を買ってくれる読者ですね。
一瞬「著者が主役」という考えが頭をよぎるかもしれませんが、
趣味のブログならともかく、
「商業」つまりビジネスとして出版する商業出版では、
お客様に貢献しなければ対価は得られません。
こうした当たり前のことをなぜわざわざ聞くかというと、
「自分事になると忘れがち」だからです。
たとえば、内容のレベル感。
ついライバル著者や、レベルの高い同僚やクライアントを意識してしまうのは、よくあることです。
そうなるとつられてしまい、「高度な内容で感心させよう」といった意識が生まれてきます。
しかし大多数の世の中の読者さんは素人なので、
「難し過ぎる」「不親切」という印象をもってしまうのですね。
そうした本は、そもそも出版企画書が出版社に通りませんし、仮に通っても売れない本になりがちです。
あるいは、具体的で例え話が多いかどうか。
プロ同士であれば専門用語を多用したほうがラクで、話も早いです。
しかし相手が素人となると話は別。
腑に落ちる身近かな事例や例え話などを増やさないと、なかなか伝わりません。
でも、そうした例を考えるのは、著者にとってストレスが大きいのです。
知っている結論だけ並べていたほうがずっとラクなので、
ついそうした「素人に不親切」な本になってしまいがちなのですね。
このように、商業出版では意外なところに「ハードル」があります。
言い換えれば、それを意識することができれば、
すでに半分はハードルを超えたようなもの。
ぜひそこを意識化して、著者のハードルをクリアーして本を出して行きましょう。
2021/10/14"○○な本は必ずいい本"の法則とは?
こんにちは、保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタント、樺木宏です。
あなたは、
「○○な本は必ずいい本である」
という法則を知っているでしょうか?
ただ法則とはいっても、私が勝手にそう言っているだけなのですが (;´^_^`)
それは、
「読者に親切な本は、必ずいい本である」
ということです。
もし「本当かな?」と思ったなら、ちょっと考えてみましょう。
読者に親切であるためには、
まず読者が何を求めているかを知る必要があります。
相手のニーズを考えずに、親切は出来ませんよね。
なので、著者の言いたいことの押し売りになりにくく、
「読者が求めていることを伝える」本になりやすいのです。
これが、読者に親切な本がいい本になる、1つ目の理由です。
では2つ目の理由はなにか?
それは、
「分かりやすい表現の工夫」です。
人間、専門用語を使うのがいちばんラクできます。
余計な説明をせずひと言で済むからですね。
ただし、その知識がない人にとっては、意味不明にもなりやすいのが専門用語。
そこで「親切」になろうとすると、
著者にとってはある意味面倒くさい、まわりくどい説明を、丁寧にしてあげることになります。
当然、読み手にとって分かりやすく、すんなり理解できる本になりやすいのですね。
こうした「読者に親切」な本は、その気持ちも読み手に伝わります。
文字として「親切ですよ」などと書かなくても、
行間から書き手の動機を察する能力が、私たちにはもともと具わっているからです。
そうした気持=好意は相手に伝わり、口コミや他の情報も検索してくれる、などの
「ファン化」にもつながっていくことでしょう。
逆にいえば、「私の凄さをひけらかしたい」といった動機で書かれたなら、
それも読者に伝わってしまいますから、要注意とも言えますね。
いかがでしょうか。
「読者に親切な本は、必ずいい本」の法則。
ご参考になれば幸いです。
2021/03/25著者のブランディングは "ブレない" が9割
こんにちは、保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタント、樺木宏です。
商業出版のコンサルタトをはじめて10年以上になりますが、
長く活躍し続ける著者と、残念ながらそうではない人、両方を見てきました。
そうした中で私見をお伝えすると、
「ブレないこと」
これが大切だとつくづく思います。
ブレないといっても、同じテーマで書き続ける、ということではありません。
もちろん、それが出来れば素晴らしいことですが、
世の中には流行があり、それは商業出版でも同じこと。
昔は売れ筋のテーマでも今はさっぱり売れない、ということは良くありますから、
固執するのは逆に危険。
いわば、「何を書くか」というテーマは、時代によって変えたほうがよいでしょう。
しかし、逆にブレてはいけないのは、
「誰に書くのか」
ということ。
たとえば、あなたが「社会的な弱者」に向けて励ましと応援の本を書いてきたのなら、
それを貫くべき、ということです。
それがもし、途中で「既得権益を守る側」を養護するようなことを書きはじめたら、
それまであなたのファンだった読者は失望してしまいますね。
あるいは、「中身が大切だ。自分を磨こう」と書いてきた人が、
「実は容姿の方が9割。どう思われるかを気にしよう」
といった主張にくら替えしてしまっては、失望を通り越して怒りすら買ってしまうかもしれません。
そうならない為にも、「誰に書くか」はブレないことが大切なのですね。
ただ実は、商業出版の著者となると、頭では分かっていても、こうした落とし穴にハマりやすい事情があります。
というのは、「出版社から執筆のオファーが来る」ことがあるからです。
せっかくの機会なので、失うことをもったいなく感じてしまうのですね。
そうなると、
「テーマは同じだから、ちょっと読者を変えてもいいかな?」
とか、逆に、
「違うテーマだから、多少変わってもいいかな」
と、変化を受け入れてしまいがち。
出版社、編集者も良かれと思って提案してくるのですが、
彼らの立場上、最優先事項は「今、売れるかどうか」。
今後その著者が長く書き続けられるかではないし、過去の主張と整合性がとれているか、でもありません。
だから運が悪いと、ブレた本を出してしまうことにもなりかねないのですね。
いかがでしょうか。
長く活躍し続けるためには、ブレないことが大切。
あなたの安定感のあるブランディングのための、ご参考になれば幸いです。
2020/12/10もう少しで本が出せるのに"もったいない人"の共通点とは?
こんにちは、保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタント、樺木宏です。
「本を出したい!」という多くの方が、
実績も素晴らしく、確かなノウハウをもっています。
今書店に並んでいる本と比べても、遜色ないレベルの人も多いです。
しかし、出版社に企画を送っても、ほとんどが却下されてしまい、商業出版で本を出せる人はごくわずか。
一説には、採用される確率は1/200とも、1/1000とも言われているのです。
なぜこんな「もったいない」ことが起こってしまうのでしょうか?
10年以上、本をだしたいという方のご相談にのってきて思うのは、
「読者数」への配慮の少なさです。
実績が素晴らしい人でも、ノウハウが確かな人でも、ここが弱いことが多いのです。
むしろ、実績やノウハウのレベルが高い人ほど反比例して少なくなる、といってもいいでしょう。
長年実績を積めば積むほど、
周りに高度な専門知識を持つ人が増えれば増えるほど、
「素人である読者」の気持ちが、分からなくなっていきます。
その結果、出版したい内容も、どんどんプロ向けの方向に寄っていってしまいます。
それに合わせて、読者数もどんどん減っていってしまうのですね。
ではどうするか?ということですが、
数字を1つの基準としてチェックするのも、よい方法です。
商業出版では、出版社が売れるかどうかを判断するときに100万人が1つの基準となる、とも言われています。
もしそれよりも大幅に少ないようですと、出版社は、
「良い内容だが、読む人が少ないので売れないだろう」
と考え、企画をスルーしてしまう可能性が高くなってしまうでしょう。
そうならいよう、事前に数字でチェックすれば、
「これはちょっと読者を絞り込み過ぎてしまったな」とか、
「もっと素人でもわかるよう、表現を工夫していこう」といった、
有益なヒントが得られる可能性がグッと高まるでしょう。
自分の企画を客観的にみたいとき、数字は強力な武器になりますよ。
ご参考になれば幸いです。
2020/10/29出版企画書も"話し方"が9割!?
こんにちは、保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタント、樺木宏です。
今回の記事のタイトル。
今年の某ベストセラーからもじってみました ^_^
ちなみにその本、タイトルは「話し方」となっていますが、
実は第1章はまるまる「聞き方」になっていたりします。
要はコミュニケーションなので、
「自分の言いたいことばかりをいってもダメで、
まずは相手の欲求を知り、それを満たしてあげればうまくいく」
ということですね。
これは話し方と聞き方だけにとどまらず、
人と人とのコミュニケーション全般に当てはまる、と言えるでしょう。
もちろん、出版企画書も例外ではありません。
なぜなら、本の向こうには、必ず読者がいるからです。
たまに読者の存在が感じられない本がありますが、そうした本は例外なく売れない本。
逆に、読者がありありとリアルに、その心情まで想像できるような本は、
一見たいしたことがなさそうで、すごいベストセラーになっていたりします。
本も、まずは相手の欲求を知り、それを満たしてあげればうまくいく、
ということなのですね。
編集者は、出版企画書でそのあたりを見てきますから、
「著者が書きたいことばかりを並べるのではなく、
まずは読者が読みたいことを知り、それを書いてあげればうまくいく」
と言い換えると、著者にピッタリ当てはまるでしょう。
本も出版企画書も、まずは読者の読みたいことをしっかり把握することから。
売れる本、通る出版企画への第一歩は、間違いなくそこから始まります。
ご参考になれば幸いです。