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出版社に採用される!出版企画力編

2014/05/02"人称"を上げれば、企画は全てうまく行く

こんにちは、樺木宏です。


一生懸命企画を考えたのに、編集者にじっくり読んでもらえる人と、スルーされてしまう人がいます。

絶対に前者の方がよいのは当然ですが、多くの人は後者になってしまうのです。

それはなぜか?

実は答えはシンプル。

「自分のことしか書いていない人」

の企画は読まれないからです。

お金を払って本を買うのは読者。

「どれだけ多くの深刻に悩んでいる読者を救えるか」が商業出版の価値といっても過言ではありません。

だから読者の事を何も考えておらず、自分の主観しか書いていない企画書は、

続きは見るまでもなく売れない企画、と判断されてしまうのですね。

極端な例を上げれば、自費出版に多い「自分の半生を自分目線で解説する本」などは、

読者について全く考慮していないので、一瞬でアウト。

タイトルが素人の読者には意味の分からない専門用語になっていたり、

企画の内容が、過去に類書が全く無いものだったりすると、同様に編集者はスルーします。


ではどうするか、という事なのですが、自分でこの問題を解決する場合は、

「人称」を上げることです。

自分のことしか書いていない企画は、いわば"一人称"の企画。

そうではなく、読者という相手をふまえた"二人称"の視点を持ちたいものです。

さらに欲を言えば、競合する他の本や出版市場を見渡した"三人称"まで持てれば、

企画の採用確度は跳ね上がるでしょう。


自分では無く、読者の悩みに焦点を当てる。

そうすれば、企画がスルーされる事はありません。

採用確度を上げて本を出しつづけたい方の、ご参考になれば幸いです。

 

2014/04/10"有名人の売れている本"は参考になりません

こんにちは、樺木宏です。


書店にいくと、有名な人が書いた本が良く売れていますね。

中には、自分の事だけを書いていたり、どこかで読んだことのある内容だったり

する本も少なくありません。

でも、それが売れている本だからといって、安易に参考にするのは、大変危険です。


というのも、出版企画には2つのアプローチ方法があるからです。

1つは、自分の棚卸しを徹底的に行い、その強みを活かして企画をつくる方法。

いわば、プロダクトアウト型です。

これは、ファンが大勢いたり、ものすごい実績があれば、その強みで他の要素がカバー出来てしまいます。

極端な話、知名度があれば、日記を書いても売れてしまうのですね。

ここを表面だけ見て、新人著者がマネするとアウトです。


もう1つは、世の中のニーズを見極めて、求められている企画を提供する、

マーケットイン型。

今のトレンドを重視し、売れている本に敏感になり、時代の追い風を利用します。

新人著者は、どちらかといえば、こちらの戦略が有効でしょう。

しかし全く同じ企画ではだめなので、やはり強みを活かして「差」を作らなければいけないですね。


いかがでしょうか?

このように、2つのアプローチを意識するだけで、大分変わってきます。

・強みが明確に意識できている人は前者、

・それほど突出していないが、ノウハウに時代性があれば後者。

企画考案の戦略を使い分けて、採用確度を高めていきましょう。


ただ、自分の強みに気づいていないだけの人も多く、また強みは自分だけではなかなか

気づきづらいものです。

もし強みが引き出されれば、プロダクトアウト型、マーケットイン型、両方のアプローチが可能になります。

出版のプロのアドバイスを受けると、驚くほど企画の幅が広がることがあるのは、

こうした理由によるのです。


あなたも、ぜひ自分の企画の幅を広げてみて下さい。

 

2014/03/13企画にダメ出しされて"イラッ"ときたら

こんにちは、樺木宏です。


私の重要な仕事の1つに、

「送っていただいた企画にアドバイスをする」

というものがあります。

というとキレイに聞こえますが、多分に「ダメ出し」の要素が含まれています(汗)


以前何冊も出版に成功した人から、

「最初の企画でダメ出しされたときには、くやしかったですよ~(笑)」

と笑顔交じりに言われましたが、それはそのアドバイスが実って出版に成功したから

楽しい思いでになっているので、もらった当初は「ただ悔しいだけ」だったでしょう。


とはいうものの、出版企画はやっぱり、この悔しさを乗り越えないといけません。

編集者に聞くと、いきなり持ち込まれる企画の採用確率は1000分の1くらい、といいます。

私のところでブラッシュアップした場合は、その200倍以上の成功率になります。

これはなぜかと言うと、事前に企画が通らない理由を見つけ、改善しているいるからなのですね。

つまり、改善とダメ出しは同じものの裏と表。

だから悔しい思いをせずに企画を提出すると、本番でダメ出しされて終了、採用確率は1000分の1くらい、となってしまうのです。

とくに編集者はとても多忙なので、企画のここを直せば行ける、などといった

アドバイスはまずもらえませんから、ダメ出しはとても貴重なのです。


そう考えると、

著者デビュー出来る人というのは、自分の感情を乗り越えた人、ともいえるのですね。


企画にダメ出しされて"イラッ"ときたら、ぜひこの記事を思い出して見て下さい(笑)

 

2014/03/11童話とビジネス書の意外な共通点

こんにちは、樺木宏です。


さて、皆さんは童話を読んでいますか?

自分で本を書こうという人は例外なく優秀な人ですから、

「ビジネス書はたくさん読むけど、童話なんて読まないよ」

という人がほとんどかも知れません。


でも実は、本を書こうと思ったら、童話はぜひ読むべきです。

なぜなら、そこには売れる企画に必要なヒントが、たくさんあるからです。


例えば、日本人で「桃太郎」や「一寸法師」を知らないひとはいませんが、

それをいつ読んだか?と言えば「子どもの頃」「30年以上前」でしょう。

そこには「長く記憶に残る」というヒントがあります。

考えてみれば、歴史に残る書物は「物語」の力を借りているものがほとんど。

最近のビジネス書でも、ライトノベルやマンガのストーリー形式が見られますが、

古くて新しい、効果的な手法なのですね。


他にも「抽象化」というノウハウも、童話には使われています。

例えば桃太郎は今風に言えば、チームビルディングとマネジメント、そして目標達成のプロセスが

凝縮されています。

桃太郎はきびだんごでチームのやる気を引き出し、

鬼退治という大きなビジョンを打ち出して結束を維持している、という事です。

もしこれを会社を舞台にしてしまえば、特定の人にしか届きません。

「部長がインセンティブを前払いしてスタッフのやる気を引き出し・・・」

「売上達成の数字を高く設定して危機感を煽り、結束を高めた・・・」

では面白くないですね(笑)


しかし、エッセンスを抜き出して分かりやすいたとえ話にしてしまう事で、

誰にでも分かる、面白い話になり、読者の裾野が広がります。

文字通り、子どもからお年寄りまで広げることに成功した童話、という事なのですね。


いかがでしょうか?

できる著者は、すでに童話に学んでいます。

あなたも、ぜひ童話の力を取り入れて、企画力をアップして下さいね。

 

2014/02/28編集者と企画の話がはずむ!企画考案の2つのアプローチ

こんにちは、樺木宏です。


さて、本を何冊も出している人なのに、編集者と企画の話が全くかみ合わない、という人は良くいます。

何冊も出していれば企画の事も相当知っていそうなイメージがありますが、実はそうではないのです。

こういう場合、打ち合せも盛り上がらず、企画も決まらず・・・という残念なことに。

「自分の良さが分かってもらえなかった!」と言ってみても始まりません。

実は、原因は他の所にあるのです。


その原因とは、お互いに相手を知らない、という事。

著者と編集者は考え方の方向性が逆なので、コミュニケーションが図れない、という事です。

実は、出版企画には、2方向からのアプローチがあります。

1つは、自分の書きたいことからテーマを見いだす方法。

2つ目は、世の中が求めていることからテーマを見つける方法です。


普通の著者であれば、まず前者から入ると思います。

自分の専門分野で、書きたいこと、伝えたいことを主題にしていく方向ですね。

この方法の利点は、自分のノウハウや経験の範囲内で考案するので、確かな内容になりやすいこと。

また、自分のビジネスのお客さんに向けた内容にしやすいので、ビジネスとの連携が

上手く行きやすいのも良いですね。

ただデメリットとして、「ひとりよがり」になりがちです。

今どれくらい売れているテーマか、という視点が抜け落ちている企画は多いもの。

また、せっかく書けるテーマが埋まっているのに、自分の棚卸しが不十分で気づかない、

という残念なことにもなりやすいです。


一方、2つめのアプローチが「世の中が求めていることからテーマを見つける方法」です。

出版社の編集者などは、こちらの方法がメイン。

今どのような事で悩んでいる人が多いのか?

その問題解決は、どのようなやり方が主流か?

といったリサーチから、企画を考案していきます。

その傾向と対策にはいろいろな方法論がありますが、このあたりが企画力の見せ所です。

しかし、著者はこうしたアプローチを知らないか、知っていても使えない人が多いのですね。


このように、出版企画には2方向の考え方があり、その向きは逆なので、

一方しか知らないと、コミュニケーションが図れない。

だから、「自分の書きたい事を延々と語る著者」と、

「その売れる理由を全く聞けないことにイライラする編集者」という、

残念な構図が出来てしまうのです。


これらを避けるには、著者の側が「世の中が求めていることからテーマを見つける方法」を学ぶしかありません。

編集者に「自分の事をあらいざらい分かってもらって、棚卸しの上企画テーマを考案して下さい」と言ってみても無理。

それをやるには忙し過ぎますし、そういうスキルは別種のものなので、知らない編集者も多いのですね。

編集者との話が盛り上がり、せっかくのチャンスを逃さないために、

ぜひこうした「2つの方向からの企画考案スキル」を身につけたいですね。

 

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