出版社に採用される!出版企画力編
2014/05/23ポジティブな"モヤモヤ感"から逃げない
こんにちは、樺木宏です。
出版企画を考えているとき、一種独特な
"モヤモヤ感"
はないでしょうか?
多くの人が経験している事と思います。
それはあまり快くない感情なので、一刻も早く逃れようと、
"最初に思いついた企画を、そのまま作り込んでしまう"
事もよくあるでしょう。
しかし結論から言えば、"最初の思いつき"は、よくよく吟味したほうがよいです。
なぜかと言うと、自分の書きたいことに注意が向きすぎていて、
読者の悩みやその人数について、ほとんど考えられていないことが多いから。
それでは、自分の中では「これだ!」と思えても、客観的にみれば「売れない」企画となってしまいます。
モヤモヤの苦痛から逃れたいあまり、最初の角度の調整に、十分な時間をとらない人が多過ぎます。
例えばロケットも最初の角度がわずかでもズレれば、着地点は大幅なズレになりますね。
これと同じです。
素晴らしいコンセプトは"モヤモヤ"というストレス状態がセットなのです。
今あるものだけで考えてしまうのはラクですが、
その後企画書作成に費やした労力はムダになってしまう。
そうなる前に試行錯誤して、十分に「売れる」ことを確認してから、
企画書を作り込みたいですね。
2014/05/09一生懸命なのに出版が決まらない人、そこそこの努力で決まる人
こんにちは、樺木宏です。
何冊も企画が通り、堂々たる著者のポジションを獲得する人がいます。
その一方で、最初の1冊に苦労し続ける人がいます。
どうして明暗が分かれてしまうのでしょうか?
実は、元々持っている著者としてのポテンシャルよりも、
"ブラッシュアップへの姿勢"の違いが大きいです。
企画をより良くしていくために欠かせないのがブラッシュアップですが、
ここが上手く行く人と、詰まってしまう人に別れるのです。
結論から言えば、
「上手く行く人は、自分のアイデアを手放す」
という事です。
逆にうまく行かない人は、
「自分の最初のアイデアに一生懸命こだわる」
のです。
なぜここが明暗を分けるかというと、
商業出版は「売れなければ出せない」ものだからです。
自分の書きたいことと、読者の読みたい事は違います。
だから自分のアイデアにしがみついてしまうと、残念ながら商業出版では、壁に突き当たってしまうのです。
また"最初のアイデアには似たような本がある"ことも多いです。
そうなると、いくら有益な内容でも、後から同じような本を出すのは困難です。
柔軟に差別化を考えて、方向転換したほうが近道です。
いかがでしょうか?
ブラッシュアップは自説にこだわり守りに入るのではなく、柔軟に攻めたいですね。
採用確度を増すための、ご参考になればと思います。
2014/05/02"人称"を上げれば、企画は全てうまく行く
こんにちは、樺木宏です。
一生懸命企画を考えたのに、編集者にじっくり読んでもらえる人と、スルーされてしまう人がいます。
絶対に前者の方がよいのは当然ですが、多くの人は後者になってしまうのです。
それはなぜか?
実は答えはシンプル。
「自分のことしか書いていない人」
の企画は読まれないからです。
お金を払って本を買うのは読者。
「どれだけ多くの深刻に悩んでいる読者を救えるか」が商業出版の価値といっても過言ではありません。
だから読者の事を何も考えておらず、自分の主観しか書いていない企画書は、
続きは見るまでもなく売れない企画、と判断されてしまうのですね。
極端な例を上げれば、自費出版に多い「自分の半生を自分目線で解説する本」などは、
読者について全く考慮していないので、一瞬でアウト。
タイトルが素人の読者には意味の分からない専門用語になっていたり、
企画の内容が、過去に類書が全く無いものだったりすると、同様に編集者はスルーします。
ではどうするか、という事なのですが、自分でこの問題を解決する場合は、
「人称」を上げることです。
自分のことしか書いていない企画は、いわば"一人称"の企画。
そうではなく、読者という相手をふまえた"二人称"の視点を持ちたいものです。
さらに欲を言えば、競合する他の本や出版市場を見渡した"三人称"まで持てれば、
企画の採用確度は跳ね上がるでしょう。
自分では無く、読者の悩みに焦点を当てる。
そうすれば、企画がスルーされる事はありません。
採用確度を上げて本を出しつづけたい方の、ご参考になれば幸いです。
2014/04/10"有名人の売れている本"は参考になりません
こんにちは、樺木宏です。
書店にいくと、有名な人が書いた本が良く売れていますね。
中には、自分の事だけを書いていたり、どこかで読んだことのある内容だったり
する本も少なくありません。
でも、それが売れている本だからといって、安易に参考にするのは、大変危険です。
というのも、出版企画には2つのアプローチ方法があるからです。
1つは、自分の棚卸しを徹底的に行い、その強みを活かして企画をつくる方法。
いわば、プロダクトアウト型です。
これは、ファンが大勢いたり、ものすごい実績があれば、その強みで他の要素がカバー出来てしまいます。
極端な話、知名度があれば、日記を書いても売れてしまうのですね。
ここを表面だけ見て、新人著者がマネするとアウトです。
もう1つは、世の中のニーズを見極めて、求められている企画を提供する、
マーケットイン型。
今のトレンドを重視し、売れている本に敏感になり、時代の追い風を利用します。
新人著者は、どちらかといえば、こちらの戦略が有効でしょう。
しかし全く同じ企画ではだめなので、やはり強みを活かして「差」を作らなければいけないですね。
いかがでしょうか?
このように、2つのアプローチを意識するだけで、大分変わってきます。
・強みが明確に意識できている人は前者、
・それほど突出していないが、ノウハウに時代性があれば後者。
企画考案の戦略を使い分けて、採用確度を高めていきましょう。
ただ、自分の強みに気づいていないだけの人も多く、また強みは自分だけではなかなか
気づきづらいものです。
もし強みが引き出されれば、プロダクトアウト型、マーケットイン型、両方のアプローチが可能になります。
出版のプロのアドバイスを受けると、驚くほど企画の幅が広がることがあるのは、
こうした理由によるのです。
あなたも、ぜひ自分の企画の幅を広げてみて下さい。
2014/03/13企画にダメ出しされて"イラッ"ときたら
こんにちは、樺木宏です。
私の重要な仕事の1つに、
「送っていただいた企画にアドバイスをする」
というものがあります。
というとキレイに聞こえますが、多分に「ダメ出し」の要素が含まれています(汗)
以前何冊も出版に成功した人から、
「最初の企画でダメ出しされたときには、くやしかったですよ~(笑)」
と笑顔交じりに言われましたが、それはそのアドバイスが実って出版に成功したから
楽しい思いでになっているので、もらった当初は「ただ悔しいだけ」だったでしょう。
とはいうものの、出版企画はやっぱり、この悔しさを乗り越えないといけません。
編集者に聞くと、いきなり持ち込まれる企画の採用確率は1000分の1くらい、といいます。
私のところでブラッシュアップした場合は、その200倍以上の成功率になります。
これはなぜかと言うと、事前に企画が通らない理由を見つけ、改善しているいるからなのですね。
つまり、改善とダメ出しは同じものの裏と表。
だから悔しい思いをせずに企画を提出すると、本番でダメ出しされて終了、採用確率は1000分の1くらい、となってしまうのです。
とくに編集者はとても多忙なので、企画のここを直せば行ける、などといった
アドバイスはまずもらえませんから、ダメ出しはとても貴重なのです。
そう考えると、
著者デビュー出来る人というのは、自分の感情を乗り越えた人、ともいえるのですね。
企画にダメ出しされて"イラッ"ときたら、ぜひこの記事を思い出して見て下さい(笑)