出版社に採用される!出版企画力編
2017/11/09"赤"ではなく"緑"の出版企画を考えよう
こんにちは、樺木宏です。
世の中が"脳科学ブーム"と言われてしばらく経ちますね。
脳科学者や精神科医など、「脳」に詳しい著者さんたちの本が売れています。
中には人の感情や行動に大きな影響を与える脳内ホルモンを「光の三原色」に例える人もいて、
赤・・・快楽の脳内ホルモン ドーパミン
青・・・怒りの脳内ホルモン ノルアドレナリン
緑・・・幸せの脳内ホルモン セロトニン
の3つのバランスをとることが大事、とのこと。
とても分かりやすい例えだと思います。
さて、この考え方は、商業出版で企画を考案する上でも、役に立つと思います。
景気がいい時や、イノベーションが起こったとき、将来への期待感が大きい時期は、「快楽」の本が求められます。
だから「儲かる」「飛躍的に成長する」といった、
タイトルを見ただけで脳内にドーパミンが溢れるような、
快楽をくすぐる「赤」の企画を考案すればよいでしょう。
でも将来への希望がそれほど感じられない時期は、そうした本はあまり売れません。
そういう時は「等身大」あるいは「控えめな快楽」でアプローチするか、
あるいは「癒し」の方向でアプローチするのが良いでしょう。
つまり、「緑」のセロトニン的企画を、考案していったほうが良いのです。
企画を考える時は、どうしても「自分の考え方ありき」で切り口を決めてしまいがちですが、
こうした背景を踏まえて考案していくことで、売れる本になる可能性が高まります。
もしあなたが「赤」の本を書きたくても、ちょっと立ち止まって「緑」も書けないか考える。
ぜひ試してみて下さい。
2017/11/02今、本を商業出版でどんな本を出すべきなのか?
こんにちは、樺木宏です。
「どんな本をだすべきか?」とは、新人著者からベテラン著者まで、
悩みの尽きないテーマですね。
書店にいくといろいろな本がありますから、
結局は「今売れているテーマで」とか、
「自分がやってきた仕事の内容で」本をだしてしまいがちです。
それはそれで悪い事ではないのですが、それだけだと「浅い本」になりがちで、勿体ない。
そこには、おさえておきたいポイントがあります。
それは、「あなたの物語を本の中に含ませる」ということ。
「今までどうやって社会と関わってきてきたのか」
「なぜそれをやってきたのか」
「これからどう関わるのか」
そうした動機を含む物語が、商業出版の本にはぜひ欲しいのです。
情報を伝えるだけなら、会って話したり、メールやSNSでもできます。
しかし情報過多の時代ですから、それだけでは届きませんし、届いても響かない。
その点、最も権威を持って受け止められるのが商業出版の本です。
共感され、支持される力も強いものがあります。
加えて、売れれば広く拡散する可能性もあるのですから、
商業出版ならではの強みを活かさない手はないですね。
人間を人間たらしめているのは、物語をつくり、共感して一緒に行動する能力。
それが伝わる本でないと、勿体ないし、商業出版の本であるべき必然性も少ないのです。
だから、あなたの「物語」を伝えましょう。
読者の問題を解決するとか、欲求を煽るとか、そういったテクニック以前に、
本の根底に流れる文脈をしっかり最初に決め、それを軸として貫く。
それだけで、出来上がる本が変わります。
ぜひ、読者にとっても、著者であるあなたにとっても、ひときわ思い入れの深い本をつくってください。
2017/06/15尖った本には、ワケがある
こんにちは、樺木宏です。
さて、書店に行くと、どのコーナーにもだいたい、
「主張が真逆の本」
というものがありますね。
例えば起業であれば、
・会社を辞めずに起業の準備をしよう
という本もあれば、
・思いきってリスクを取って辞めることが、成功には不可欠
という本もあります。
あるいは経済であれば、
・日本経済は先行きが暗く、大変なことになる
という本もあれば、
・いやいや、日本経済は世界最強
というような本もあります。
そして興味深いのは、こうした本は「両方とも」同じように売れていることが多いのです。
ここに、あなたの出版に役立つノウハウが隠されています。
それは、「振りきった主張を書くことが大事」ということです。
なぜかと言うと、著者の主張が明快で、迫力を持って読者に迫ってくるからですね。
すると読者は「それは大変だ!」とか「安心した〜」という気持ちがかき立てられるわけです。
逆に、そのあたりが中途半端な本は売れません。
先の例で言えば、「日本経済はそこそこ良く、なんとなく大丈夫」みたいな本が書店に無いのは、
そうした理由からなのですね。
とはいえ、極端な事を書くと、反論なども気になってきますから、いざ自分が著者になると、
気後れしてしまうこともありますので、そのあたりは「覚悟」も必要です。
ただ、もしあなたが新人著者ならば、ここはチャンス。
業界の重鎮やベテランでは、しがらみがあってなかなか書けないことを、
失うものが少ない立場から、思いきって書いてしまうことが出きるからです。
えてしてそうした尖った主張は、読者にとって新鮮なだけでなく、
時代の変化に沿った役立つものであることも多いので、良い本にもなりやすい、
と私は感じています。
あなたも、次の企画は思いきって「振りきった主張」を考案してみてはいかがでしょうか?
2017/05/25出版ノウハウよりも、ずっと大切な大切ものとは?
こんにちは、樺木宏です。
さて、出版ノウハウとう名のつくものには、
やれ差別化だ、読者のメリットだ、という言葉が数多くでてきます。
ようは、何をどう書くか、というノウハウですね。
かくいう私もそうした内容はお伝えしているのですが、
じつはそれ以前に、もっとずっと大切なことがあります。
実は、私が支援をお引き受けするかどうかの判断基準ともしているものです。
それは何かというと、
「なぜそれを書くのか?」
ということ。
言い換えれば、本を出す背後にある「動機」です。
なぜこれが大切なのかといえば、読者にも出版社にも、その「動機」が伝わり、
その後を大きく左右するからです。
動機に共感すれば、あなたを応援してくれるでしょうし、
そうでなければ、逆の結果になってしまいます。
例えば、ビジネス書で言えば、「自慢したい」という動機が透けてみえてしまう企画や、
「ビジネスに誘導したい」という意図がありありと見えてしまう企画です。
目の肥えた読者や、経験を積んだ編集者からみれば、そうした企画の背後にある動機は、
ありありと見えてしまうもの。
こうした企画に対しては、「それを応援しよう」という気持ちにはなりずらいですし、
仮に世に出ても、一時的な売れ行きで終わってしまいがちです。
逆に、「読者を励ましたい」という動機や、「社会を変えたい」という動機も、
読者や編集者に伝わります。
そうした企画には、必ず応援者が現われます。
出版される可能性も高くなりますし、発売後、本の露出が一段落したあとでも、
口コミでじわじわ広がり、長く売れる本にもなりやすいのです。
このことは、単に心情的なものに留まりません。
いまの時代のビジネスのキーワードは「共感」ですから、
本を出したあとのビジネスとの連動にも、当然影響してきます。
つまり戦略としても合理的、と言えるのですね。
いかがでしょうか?
大切なのは、出版ノウハウ以前に、「なぜ書くか?」という動機です。
それが伝わるテーマ、そして切り口。
それこそが、あなたのブランド力を最大限に高める本になるでしょう。
2017/04/27商業出版では『いつ出すか?』を考えよう
こんにちは、樺木宏です。
さて、いわゆる「商業出版のノウハウ」というものが世の中にはありますが、
結構重要なのに、あまり語られていない事があるのを、お気付きでしょうか?
それは、「いつ出すか」です。
何を書けばいいか?
誰に書けばいいか?
それを気にする人は多く、ノウハウも多くありますし、
そうした問いには、多くの答えが用意されています。
しかし、「いつ出せばいいか?」を気にする人は、意外なほど少ないのです。
「時間軸」という視点で、自分の商業出版の戦略を考える人は、少ないということなのですね。
でも考えてみれば、それはもったいないことです。
なぜなら、少しタイミングがずれてしまったら、
ベストセラーの可能性がある本といえども、埋もれて売れない本になることもしばしばあるからです。
その証拠に、重版がほとんどかからなかった本が、
数年後に中身をほとんどそのままで改装して出しただけで、
ベストセラーになったという事例は、実は結構あります。
例えば、「足の一部に焦点を当てた某健康本」は、
最初あまり売れなかったのにもかかわらず、
2年後に再度営業を仕掛けたら、ミリオンセラーにまでなったという話。
あるいは、「某有名アニメの有名キャラに学ぶ自己啓発書」は、
カバーも中身もそのままに、7年後に仕掛け直したら10万部を超えたという話。
こうした「いつ?」を変えただけで、本が売れるという話は、実は多いのです。
出版社もこうした話をあまり外には出さないので、
意外と知られていないだけなのですね。
だからあなたが、「いつこの本を出すべきか?」と問うことは、とても大切です。
しかし、そこで難しいのは、「待つ」こと。
本を出せるとなったら、今すぐ出したくなるのが人情というものですね。
他の著者が同じような本を先にだしてしまうのでは?とう心配もあるし、
プロデューサーにお金を払っていて期限もあるかもしれません。
そもそも、いつ出せば良いかというタイミングを見極めるのも難しいことです。
でも、そうした迷いがあったとしても、やはり「いつ出すか?」という問いは大切。
それを考えることで、あなたのポテンシャルが活かされますし、
著者としての可能性が大きく開花する可能性があります。
ぜひあなたの著者としての戦略に、
「いつ?」
という視点を加えてみて下さい。