あなたも出版できる!心構え編
2016/12/07自分の書きたいことを信じよう
こんにちは、商業出版コンサルタントの樺木宏(かばき ひろし)です。
商業出版というと、「売れなければならない出版」というイメージがありますね。
「こうしないと売れない」
とプロである編集者に言われ、方向性を変えた経験がある著者さんも多いのではないでしょうか?
あるいは企画にダメ出しをされ、違う方向性をアドバイスをされた人もいると思います。
プロにそう言われてしまっては、自分が間違っているのかもしれない、
と思ってしまうのも無理のないことです。
しかし、だからといって、
・書きたくないことを書いたり
・主張を無理に世の中に合わせたり
する必要はありません。
なぜなら、それが売れるかどうか以前に、
「書きたいかどうか、自分の言いたい事かどうか」
は、本を書く側にとっては、一番大切なことだからです。
それを書きたいという「想い」がなければ、いくら内容が素晴らしくても、
それは決して良い本にはならないでしょう。
また、商業出版で本を出すということは、単に紙の本を出すということではありません。
「あなたが世の中から、どのような人として見られるか?」
という話でもあるのです。
ここで妥協して、不本意な本を出してしまっては「むしろ出さない方が良かった」
という本末転倒なことにもなりかねません。
ただ残念なことに、出版社側と著者側では立場が違うので、
「書きたい vs.売れない」の摩擦は起こりやすく、珍しいものではありません。
というのも、
・編集者は、世の中の流れを見ているので、それに合わせようとすることが多く
・著者は自分自身のノウハウや経験を掘り下げるので、そこから発想することが多い
からなのです。
このギャップを解消するために著者にできるのは、
「世の中の流れ」をみて、その視点を企画に組み入れること。
「自分」を少し離れて「読者や社会」の視点から見るということです。
それが出来れば、編集者とも同じ価値観で話すことも可能になります。
そうすれば、「YesかNoか」ではなく、「第3の折衷案」を見いだせる可能性も高まるのです。
視野が広がることで、新しい発想が生まれることもあるでしょう。
ひょっとしたら、自分の独りよがりに気づき、自主的に方向転換できるかも知れません。
いずれにしても、
「書きたいことで、なおかつ世の中の多くの読者が求めていること」
それこそが、あなたが書くべき本なのです。
もしそこが納得できないのであれば、あえて「書かない」という勇気も必要になってきます。
目先のチャンスをスルーしてまで、こだわることができるかどうか?
他ならぬあなた自身のブランディグのために、ぜひ考えてみて下さい。
2016/11/16そもそも、なぜ商業出版を目指すのか?
こんにちは、樺木宏です。
さて、商業出版のノウハウをお伝えしていますが、そもそも、
なぜ商業出版を目指すのでしょうか?
「なんかすごいと思ってもらえそうだから」
「印税がもらえるから」
「集客力が高まるから」
いろいろな理由があると思います。
それぞれ一利あるのですが、私が考える最大のメリットは、
「ポジショニングが定まる」の1点です。
ポジショニングとは、あなたのビジネス上の立ち位置のこと。
これが定まるとなぜ良いかといえば、
ライバル達と比較したときに「あなたが選ばれる理由」が明確だからです。
例えば弁護士といえど、ただの弁護士というだけでは、選ばれにくいもの。
生活保護を受ける弁護士もいる時代です。
そんな時に、お客から、メディアから、「選ばれる理由」が必要です。
こんなときに、下記のような本を出している弁護士がいたら、どうでしょうか?
https://goo.gl/QxEBxQ
メディアから見たら「難しいことを分かりやすく書き、話してくれそうだ」となるでしょう。
実際、この著者さんはTVにも数十回出演していますし、ラジオ、雑誌の寄稿などのオファーも多く来ています。
もちろん、定期的に出版社から執筆のオファーも来るので、本も10冊くらい出しています。
このように、本を出すメリットは、ポジショニングが明確になることで、
「あなたに仕事をお願いする理由」が際立って明確になることが大きいのですね。
もしこのことを意識せず、単に本を出すこと自体を目的にしてしまうと、
たとえ本が出せても、残念ながら思ったようなビジネスへの好影響は少ないでしょう。
そうならない為にも、安易に本の売れ筋に乗っかったり、自分の強みをふまえない企画を
考案するのは避けたいですね。
ただ本を出すのではなく、あなたのポジショニングを明確にした本を出し、
ビジネスやブランディグに最大の効果を得て欲しいと思います。
2016/10/06本をだすことの本当の意義とは?
こんにちは、樺木宏です。
さて、本を出す意義というのはいろいろと語られています。
知名度が上がる、権威が得られる、印税が支払われる・・・
確かにその通りですし、とても大切なことです。
でもそれ以上に大切で、あまり語られていないことがあります。
それは、
「自分の仕事について腹がくくれる」
という効果です。
なぜわざわざそう言うかといえば、本を出すレベルの人でも、意外と自分の仕事に疑問を持っているから。
外側からはそう見えなくても、「このやり方でよいのだろうか」「もっと優れたライバルがいるのでは」
といった不安や迷いを、多くのビジネスパーソンは持っているものです。
それが、本を出す事で変わります。
自分の名前で本として世の中にでるということは、世の中に自分の旗をかざして大きく振るということ。
そこでは賛同や応援だけでなく、批判を受ける可能性もあります。
その不安を押して著者として行動することで、おのずと覚悟が定まってくるのです。
心構えだけでなく、内容にも自信が増します。
それまで磨き上げてきた仕事内容が、出版業界というフィルターを通して、
他のライバル著者達と比較されます。
そこでどうやって差別化するか、より訴求する表現は何か、といったことまで工夫していきます。
その結果、さらに自分の仕事に自信が持てるようになるのですね。
こうなってくると、ビジネス全体にも好影響が出てきます。
強気の交渉や値付け、そして露出の仕方や日々の立ち居振る舞いまでが変わってくる。
当然結果もよりよいものになりやすいでしょう。
著者になるビジネスに好影響がある、というイメージがあるのは、こうした事も含まれているのだと感じます。
本を出すことで、自分の仕事について腹がくくれるようになる。
著者になろうと考えている人の、モチベーションアップになれば幸いです。
2016/09/14なぜか企画が通らない、に効く話
こんにちは、樺木宏です。
さて、本を書きたいという人は、基本的に優秀な人が多いです。
経営者も、医者も、弁護士も、東大卒の人も大勢います。
仕事で実績をあげた人も多いです。
しかしなかなか本が出せずに、「なぜ(こんなに優秀な自分の)企画が通らないのか!?」と、
相談に訪れる人が後を絶ちません。
かたや、それほど突出した実績はなくともすぐに出版が決まり、その後本を出し続けて
ブランド人になっていく人もいます。
なぜこうしたことが起こるのでしょうか?
結論からいえば、「読者への配慮」の違いなのです。
優秀な人が陥りがちなワナは「自分は優秀だから」という心の底の自負です。
だから「自分が」「自分は」と、話の中心が自分になってしまいがち。
そうなると、読者への配慮や工夫は、どうしてもおざなりになってしまいます。
例えば「広く世の中の人の助けたい」という主旨で書いていても、
実際の内容は非常に高度で、一部の専門家しか読めないようなものになっている、
というような事が起こります。
かたや、スムーズに出版が決まる人は、読者への配慮や工夫が秀逸です。
どうやったら興味を持ってもらえるか、喜んでもらえるか、再現してもらえるかの工夫に、
エネルギーを傾けています。
分かりやすいので読者層も広くとれますし、自然とライバルの本と比べても差別化されてきます。
このような読者への配慮の違いは、決定的な違いになります。
お金を払って本を買い、時間を使って読んでくれるのは読者。
本の主役は、著者ではなく読者です。
このことをどれだけ「腹落ち」して出版に取り組めるかが、企画の質とその後の売上にも直結してくるのですね。
言い換えれば「自分」という視野を手放して「相手」のことを考えて読者をつかむ。
さらには「社会」という視点で企画の立ち位置を考え、類書と差別化する。
これが著者ノウハウのエッセンスになるでしょう。
もちろん、優秀な上に、読者への配慮も工夫もすごい、となれば言うことなしなのですが、
初めて本を出すときは皆さん気負ってしまうせいか、先のような傾向が強いので、
ぜひ気をつけていきましょう。
2016/07/13「ブランド力を高めたい人のための、本を出し続ける出版術、
心構えその3:何冊も出す前提で"仕入れ"をする」
こんにちは、樺木 宏です。
さて、シリーズでお伝えしている出版ノウハウ、今回は第3回目。
ここまで心構え編として、
1)突き抜けるまで手数を出す
2)一喜一憂しない、凹まない
とお伝えしてきました。
短距離走ではなくマラソンなので、力まず凹まず、
手数を増やしていくことが「ブレイク」に繋がります。
そうなってくると、ぜひ必要なのが「企画の数」です。
企画が1つしかなければ、1冊出して終わり。
もしそれがベストセラーにならなければ、それで著者人生も終わってしまうかもしれません。
しかし企画がいくつもあれば、それだけ出し続けることができ、その分チャンスも何倍にも
増えていくのです。
とはいえ、どんなに優れたプロでも、自分の専門分野のことだけを書いていたのでは、
いずれネタは尽きてしまいます。
ではどうするか?といえば、
仕入れをすればよいのです。
何冊も出す前提で、企画のネタになる内容を、継続してインプットし続けていきましょう。
具体的には、周辺領域や異分野の読書を続けることが良いでしょう。
アイデアは組み合わせですから、あなたの専門領域と、近い周辺領域の組み合わせが、
新企画になることはよくあります。
また、一見全く異なる分野との組み合わせも、面白い企画になる可能性があるので有望です。
例えばここ数年の流れでは、
「中高年ビジネスパーソンに特化した健康本・ダイエット本」
という組み合わせは一大ブームになりました。
これ以外にも、よく見ると組み合わせで作られた企画は多いもの。
そのためにも、周辺領域や異分野の情報を取り、ノウハウをインプットし続けていきましょう。
それが、将来のあなたの本になります。