不安が消える、知識武装編
2020/04/30自分のブランドは、自分にしか守れない
こんにちは、保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタントの樺木宏です。
さて、商業出版では、かならず似たような本がありますね。
書店でも同じような本が並んでいますし、ネット書店でも似たような本が検索されたり、
リコメンドされたりしています。
ここは実は、出版社と著者、立場によって受け止め方がずいぶん違うポイントです。
出版社の側は、すでに売れている本があるなら、そこには読者がいるので好評価です。
あとから似たような本を出しても問題ないし、むしろ一定の売上が見込めるので好ましい、と考えます。
しかし、著者が同じように考えることは、リスクを伴います。
なにしろ似たような本を後から出すことになるわけですから、
「あの本に近い本を書いた人」
「後追いの人」
というように憶えられてしまう可能性もあるわけです。
結果、抜きんでることなく、埋もれてしまうことになります
このように、こと「似たような本」については、立場によって考え方が真逆になってくる面があるのですね。
これはつまり、
「著者は自分のブランドは、自分で守らなければならない」
ということです。
よかれと思って出版社が企画をオファーしてきても、
あるいは通りやすい企画を出版プロデューサーが提案してきても、
それによって後々まで影響を受けるのは著者自身。
だから決して言いなりになることなく、自分の考えをしっかりともつことが大切です。
時には、何の問題も無いように見えるオファーを断ることが、
あなたのブランド力を守ることにつながることだってあるのです。
ただ気をつけたいのは、似たような本が無ければいいのかというと、さにあらず。
もし類書がほとんどないなら、、読者ニーズがないので本が売れない可能性が高い。
そうなると、「売れない著者」という不名誉なレッテルだって貼られかねません。
自分で判断することがとても大切ですが、バランス感覚も大事、ということです。
そうした感覚を自分の中に培うためにも、自分が書く本のテーマは、
今どんな本が売れているのか。
逆に、どんな本は売れなかったのか。
そうした地道なチェックを日頃から行なうことが、
結局はあなたのブランド力を支えてくれている、ということですね。
長く本を出し続ける人とそうでない人の違いは、
案外こうした地味なところにあるのではないでしょうか。
ご参考になれば幸いです。
2020/04/16「本が出しにくくなった」と思ったら読むコツ
こんにちは、保護ねこ9匹と暮らす出版コンサルタントの樺木宏です。
商業出版で無事著者デビューできて、その後も何冊か出版することができた。
今後も順調に本を出し続け、著者としての活動も続けて行きたい・・・
こういう人は、多いと思います。
ぜひ著者として活躍し続けて頂きたいのですが、
残念ながら多くの著者さんが、
「最近は企画が出版社になかなか通らない・・・」
「最初は良かったが、本が売れなくなってきた・・・」
という悩みを持っているようです。
でも、大丈夫。
実は、誰もが必ず、本を出しづらい時期を通るのです。
その理由は、いくつもあります。
まず、「書くネタが尽きる」こと。
本は1冊あたり約10万字前後もあります。
セミナーで話そうと思ったら、約10時間くらいかかってしまう分量です。
このような情報量をアウトプットし続ければ、いずれ枯れてくるのは当然なのです。
ではインプットすればよいではないか、という声も聞こえてきそうですが、
そうやすやすとはいきません。
インプットをアウトプットに変換できる率は、決して高くないのです。
統計があるわけではありませんが、私見では、100冊読んで1冊書けるかどうか、というところだと思います。
ここでインプットの手間を惜しんで本を出してしまうと、似たような本ばかり出すことになってしまいます。
すると飽きられるか、売れないか、あるいはその両方になってしまうという、別の落とし穴に落ちてしまうのですね。
本を出しづらくなるのが当然、という2つ目の理由は、
「流行は、必ず去る」こと。
いわゆるブームですね。
だれしも最初に本を出すときは、「今、売れそう」という流行に乗っているものですから、
テーマを変えずに、ずっと同じことを書き続けるのは無理なのです。
しかし人間は、前にうまくいったことを繰り返したくなる生き物。
ブームが去ってもそれに気づかず、あるいは気づいていながらも、
同じような本を出し続けようとしてしまいがちです。
だから、企画がなかなか通らない。通ってもなかなか売れない。
そういうことになってしまいがちなのですね。
いかがでしょうか。
このように、誰もが本を出しづらくなるのは、著者として当然のなりゆき。
あなただけではないので、安心して(?)スランプを通過すればよいのです。
ではどうするか?ということについては、
・あなたの本のテーマが何で、
・どのような類書が出ていて、
・今ブームが去ってどのような状況にあるのか?
という、状況次第で打ち手はいくらでもあります。
それを把握することさえできれば、
「自分が変わらなければいけない」こともハッキリと分かりますから、
悩みは課題に変わり、解決されるのは時間の問題となることでしょう。
本が出し辛くなったな・・・と感じたら、それは変化の兆し。
悩んでいても解決しませんから、まずは客観的に状況をつかむこと。
そうすれば、おのずと行動すべきことが見えてきますよ。
ご参考になれば幸いです。
2020/04/09書くべきことは外ではなく、あなたの中にある
こんにちは、保護ねこ9匹と暮らす出版コンサルタントの樺木宏です。
さて、今の時代は情報過多と言われて久しいですね。
爆発的に増えた情報量と、それを手軽にいつでもどこでも取れる端末。
私たちは情報の海に溺れている、といっても過言ではないでしょう。
人は選択肢が多くなりすぎると、選ぶことにストレスを感じ、逆に何も選べなくなるものです。
そうした流れからか、情報を「断捨離」したり、
「ときめいた」モノ以外は全部捨ててしまおう、という考え方の本がかつてベストセラーとなりましたし、
日本だけでなく世界的に流行っているようです。
このことは、本を書こうとする行為そのものにも、言えると思います。
いろいろな情報が玉石混交で溢れていますから、
仕入れた情報をそのままアウトプットして本にしてしまったのでは、
あなたのブランディングも「玉か石か分からない」ことになってしまうでしょう。
たまたま玉に当たれば良いですが、そうでない場合は、
本を出すことによってむしろマイナスブランディングになる可能性だってあります。
そうならない為にも、
本を書こうと決めたら、テーマを「外」に求めるのはほどほどにして、
自分の「中」から探しましょう。
情報が足りないことよりも、その中から「玉を選ぶ作業」が足りないことの方が圧倒的に多いです。
多くのインプットをするなかで、自分の中に引っかかったことに、しっかり「気づく」こと。
そしてそれを核に、インプットを水平展開して、さらに肉付けしていくこと。
それができれば、あとは勝手にうまくいきます。
インプットの質も量も勝手に増えますし、
書くネタが見つからない、ということとも無縁になりますし、
モチベーションが湧かずに本を出せなくなった、ということも無くなりますし、
あなたならではの独自のコンテンツを生み出すことも容易になります。
こうした商業出版につきものの悩みの解決策は、
あなたの外ではなく「中」にある。
ご参考になれば幸いです。
2020/03/19すごい本、すごい著者とはどんなもの?
こんにちは、保護ねこ9匹と暮らす出版コンサルタントの樺木宏です。
SNSの時代、商業出版で売れる本は、口コミで広まります。
「すごい本があるよ」
「この本はおすすめ」
といった感じで伝わっていきますので、
そのように思ってもらう本をつくることが、著者としてのブランディングに直結します。
しかし、これから本を出そうという人の多くは、
ここで少し誤解をしてしまいがち。
「すごいと思われるために、高度な内容を書こう」
「盛りだくさんの内容を詰め込もう」
と思っている人が多いようなのです。
でも考えてみてください。
書き手のあなたはプロです。
対して、読み手はほとんどが素人。
どんなテーマで本を書くにせよ、そこには大きな知識と意識の差があります。
高度な内容をそのまま伝えてしまっては、身近かではなく、ピンとこない可能性が高いでしょう。
ましてや、そうした内容を詰め込んでしまえば、ほぼ間違いなく消化不良になってしまうのです。
「ちょっと意味が分からなかった」
「自分にはできそうもない」
などといった読後感を与えてしまっては、
口コミで広まることは期待できませんね。
「すごい本がある」と読者が口コミで伝えたくなるとき。
そのとき、読者が言っていることは、
「自分がよく理解できた」
「自分にもできそうな内容だった」
ということです。
単なる知識ではなくて、「自分が」実際に使える知識だと感じたこと。
ここがポイントです。
伝える工夫、分かりやすい表現、なにより、著者の「伝えたい」という気持ち。
それこそが、「すごい本」の条件なのです。
そういう意味で、高度な内容を詰め込んでしまうことは、
「すごい本」の真逆を行っている、と言っても過言ではないでしょう。
いかがでしょうか。
この落とし穴を避けることができれば、
あなたが「すごい本」を書ける可能性は格段にアップすること、間違いなし。
ご参考になれば幸いです。
2020/02/20権威は借りてきてもいい
こんにちは、保護ねこ9匹と暮らす出版コンサルタントの樺木宏です。
本を出そうとするとき、「自信がない」と感じたことはあるでしょうか?
多くの人が、「あるある」とうなずくのではないでしょうか。
さて、その理由はいろいろあると思うのですが、
「自分がこんなことを言いきって大丈夫か?」
という不安は、その中でも大きなものの1つでしょう。
商業出版では、権威のある著者が大勢いますから、
「自分には権威が足りない・・・」
と感じてしまったり、
「あとからクレームがついたり、ネガティブレビューを書かれてしまうのでは・・・」
と気になるのも無理はありません。
しかし結論から言えば、そうした不安は無用です。
自信をもって言いきりましょう。
そして、
「こういう素晴らしい人が、このようなことを言っています」
と、それを裏付ける根拠もセットで見せていきましょう。
「それではパクリではないか?」
と思ったかたもいるかもしれません。
しかし考えてみてください。
「誰もが巨人の肩に乗って本を出している」
のではないでしょうか?
例えば、大学教授や博士号をもった著者の本。
驚くほど、引用や流用が多いことが分かります。
自分自身で見いだしたこと、直接経験したことが書かれていたとしても、だいたいそれは一部分。
他は権威ある人の研究などから、流用したものが多いのです。
考えてみれば当たり前の話で、なぜ学会があって学術論文があるかというと、
他の人の有益な研究成果を共有して(いいかえればパクって)、
その肩に乗って研究を進め、さらなる高みをめざすためですね。
それが社会への貢献にとって、もっとも合理的な方法だからなのです。
商業出版の書籍においてもそれは同じです。
読者に貢献するために最も合理的な方法なのだから、
素晴らしい知見を借りてきて、自分の考えを裏付けるために使ってよいのです。
逆に、自分オリジナルの根拠にこだわってしまうと、
結果的に内容が狭く、奥行きも少ないものになってしまいます。
それでは読者への貢献になりませんから、本末転倒なのですね。
もちろん、引用元をしっかり明記することは当然ですし、
量的にも一部にとどめるなど、常識は必要です。
また、結論から理由から事例まで全く同じであれば、
あとから本を出す意味もないでしょう。
しかしあなたが書きたいこと、伝えたいことがあるのに、
「自分がこんなことを言いきって大丈夫か?」
という不安で足踏みしているのなら、
力強い味方になってくれるでしょう。
ご参考になれば幸いです。