不安が消える、知識武装編
2020/02/20権威は借りてきてもいい
こんにちは、保護ねこ9匹と暮らす出版コンサルタントの樺木宏です。
本を出そうとするとき、「自信がない」と感じたことはあるでしょうか?
多くの人が、「あるある」とうなずくのではないでしょうか。
さて、その理由はいろいろあると思うのですが、
「自分がこんなことを言いきって大丈夫か?」
という不安は、その中でも大きなものの1つでしょう。
商業出版では、権威のある著者が大勢いますから、
「自分には権威が足りない・・・」
と感じてしまったり、
「あとからクレームがついたり、ネガティブレビューを書かれてしまうのでは・・・」
と気になるのも無理はありません。
しかし結論から言えば、そうした不安は無用です。
自信をもって言いきりましょう。
そして、
「こういう素晴らしい人が、このようなことを言っています」
と、それを裏付ける根拠もセットで見せていきましょう。
「それではパクリではないか?」
と思ったかたもいるかもしれません。
しかし考えてみてください。
「誰もが巨人の肩に乗って本を出している」
のではないでしょうか?
例えば、大学教授や博士号をもった著者の本。
驚くほど、引用や流用が多いことが分かります。
自分自身で見いだしたこと、直接経験したことが書かれていたとしても、だいたいそれは一部分。
他は権威ある人の研究などから、流用したものが多いのです。
考えてみれば当たり前の話で、なぜ学会があって学術論文があるかというと、
他の人の有益な研究成果を共有して(いいかえればパクって)、
その肩に乗って研究を進め、さらなる高みをめざすためですね。
それが社会への貢献にとって、もっとも合理的な方法だからなのです。
商業出版の書籍においてもそれは同じです。
読者に貢献するために最も合理的な方法なのだから、
素晴らしい知見を借りてきて、自分の考えを裏付けるために使ってよいのです。
逆に、自分オリジナルの根拠にこだわってしまうと、
結果的に内容が狭く、奥行きも少ないものになってしまいます。
それでは読者への貢献になりませんから、本末転倒なのですね。
もちろん、引用元をしっかり明記することは当然ですし、
量的にも一部にとどめるなど、常識は必要です。
また、結論から理由から事例まで全く同じであれば、
あとから本を出す意味もないでしょう。
しかしあなたが書きたいこと、伝えたいことがあるのに、
「自分がこんなことを言いきって大丈夫か?」
という不安で足踏みしているのなら、
力強い味方になってくれるでしょう。
ご参考になれば幸いです。
2020/02/13本を出しつづけられない人に共通する"あること"とは?
こんにちは、保護ねこ9匹と暮らす出版コンサルタントの樺木宏です。
あなたは今、何冊本を出しているでしょうか?
もし何冊も出している、という方であれば今回の内容はご参考になると思いますし、
もしこれから、という人でしたら、きっと将来お役にたてるかと思います。
さて、最初の本と、その後に出す本。
そこには大きな違いがあります。
最初の本は、それまでの膨大な知識・経験の蓄積をそのまま出せるのに対し、
2冊目以降は、すでに書いてしまったことは、重複を避けなければいけないからです。
つまり、本は出し続けていくと、ネタがだんだん枯渇してくる、ということですね。
だから最初の出版の経験で、
「本を出すって、こういうことか」
というイメージが出来ると思うのですが、それはあくまで
「過去の蓄積をそのまま出せた場合」です。
2冊目以降は、
・前回と切り口を変え、
・内容も重複しないようにしながら、
・新しくインプットを加えながら、アウトプットしていく
ことが必要になってきます。
いわば、より企画の重要度が増すのです。
ここを知らないと、不要な苦労をしてしまうことになります。
「あの時はさらっと濃い内容を書けたのに、今回はなんでこんなに苦戦するのか?」
という壁に突き当たるからです。
これを一時的なスランプだと思ってしまうと、なかなか抜け出せません。
前回とは根本的に環境が違うことが原因で、決してスランプではないためです。
また、「こんなに苦労するなら、自分は著者に向いていない」
あるいは「こんなに時間と労力をとられるなら、出版は割に合わない」
と思ってしまうのも同様で、ちょっとピントがズレていることは、
もうお分かりいただけるものと思います。
ではどうするか?
ということですが、結局問題なのは、
「前にこうだったから、今回もそうだろう」という間違ったイメージです。
それをリセットできれば、元々本をだすくらいの優れたノウハウや経験を積んできた方なのですから、
2冊目以降もスムーズに出し続けることができるのです。
そのために必要なのは、
「2冊目以降は、また違った環境での商業出版へのチャレンジだ」
と知っておくことだけ。
それを知っているだけで、おのずと初心に帰ることができ、企画を練ることにつながります。
元々持っているポテンシャルをフルに活かした本、
前よりもっと納得のいく本を出し続けることができるでしょう。
もし「ちょっとスランプかな?」と感じることがあったら、
今回の記事をぜひ思い出してみてください。
2019/12/12なぜ"著者としての強み"はなかなか見つからないのか?
こんにちは、保護ねこ9匹と暮らす出版コンサルタントの、樺木宏です。
さて、いきなりですが質問です。
「あなたの著者としての強みは何ですか?」
いきなり聞かれて、答えられる人は少ないでしょう。
かくいう私も、突然聞かれたらまごつくと思います(笑)
しかし私がそのとき何を言うにしても、絶対に忘れない点は、
「この強みが読者にとってどういうメリットになるのか?」
という点です。
というのも、この「読者にとってのメリット」という視点が無いと、
どんなに優れた強みも、商業出版では価値として認められないからです。
商業出版でお金を払うのは読者。
そして人は何らかの悩みを解消するため、
あるいは喜びを得るためにしか、お金を払いません。
だから、
「それが読者のどんな悩みを解消するのか、あるいは喜びを与えるのか」
が伝わらないのなら、いかに凄い著者の強みでも、価値にはなり得ないのですね。
例えば仮に、「年収の高さ」が強みだとしましょう。
では、年収100億円の人と、年収1千万円の人では、どちらの著者の強みが上でしょうか?
どちらが商業出版として、価値が高いと認められやすいでしょうか。
こう聞くからには逆張りなのは見え見えですが、
ご想像通り、「年収1千万円」のほうが上になります。
金額が少ないのに、なぜ上になるのか。
それは、読者が「自分にも出来そうだ」と感じやすいからです。
例外的な人もいるでしょうが、多くの人は年収100億円と本に書いてあれば、
「自分にはちょっと無理そう」
と、第一印象で感じるほうが普通です。
しかし年収1千万円なら、「がんばれば自分にも出来そうだ」と感じられるので、
「それが読者のどんな悩みを解消するのか、あるいは喜びを与えるのか」
という視点から言えば、価値は上になるのですね。
もちろん、本当に年収100億円の人が本をだそうとしているなら、
著者としての説得力を活かして、別の切り口で企画を考えるので大丈夫です(笑)
ただ大事なのは、「読者にとって」という視点が抜け落ちてしまうと、
いかに凄い強みでも、そのまま価値にはなり得ない、
という考え方なのですね。
このような極端な例でないにせよ、
自分の強みが、読者にとってどのような価値になるのか、
という視点はつい忘れがちなもの。
そこをしっかりと客観的にチェックしていくことで、
意外な落とし穴を避け、あなたの著者としてのポテンシャルを最大限に発揮できることでしょう。
ご参考になれば幸いです。
2019/11/28何歳になっても新しいアイデアを出し続ける秘策
こんにちは、保護ねこ9匹と暮らす出版コンサルタントの、樺木宏です。
さて、人生100年時代とも言われる昨今、
著者としても長く活躍し続けたいものですね。
そのためにも大切になってくるのが、いつまでもアイデアを出し続けること。
ひと昔前でしたら、人間の脳は加齢と共に衰えるだけ、
などと誤った説がまことしやかに語られていましたが、今はむしろ逆。
「ニューロン(神経細胞)新生」といって、まったく新しい脳細胞が生産されることが
分かってきていますし、
別々の知識を結びつける能力は、むしろ中年以降から高まってくる、
ということも分かってきています。
俗に「オヤジギャグ」という言葉がありますが、
知識を結びつけてアイデアを生み出す能力が高まってくるあまり、
ついしょうもないギャグを言いたくなってしまう、
と考えれば、実に脳科学的だといえるのではないでしょうか(笑)
それはさておき、私たちのはいつまでもアイデアを出し続けることができるし、
その能力は加齢と共に人生後半でむしろ高まってくる、
というのが大事なところですね。
ただ、いくらそのポテンシャルがあっても、
それを引き出す具体的な方法がなければ、絵に描いた餅。
そこで、何歳になっても新しいアイデアを出し続ける秘策が2つあります。
それは、
1,3日以上、間を置いて考える
2,繰り返し何度も考える
というシンプルなもの。
なぜこれが有効かというと、
人間の脳は以前考えたことに、どうしても引っ張られてしまい、
1つのアイデアで満足してしまいがちだからです。
そうなると、たまたま最初に思いついた案しか、形にできないことになってしまいます。
それでは量も質も、上がりませんね。
しかし3日以上、間を置いて考えることで、変わってきます。
いい具合に「忘れる」ことができるので、古いアイデアに引っ張られることなく、
次々と新しい案を生み出しやすくなるのです。
いかがでしょうか。
まだまだ先の長い人生、質の高いアイデアを、量多く出し続けるポテンシャルが、
あなたにはあります。
それを活かさない手はないですね。
ますます活躍し続けていただくための、ご参考になれば幸いです。
2019/11/21なぜあの人は、意外とつまらない本を書いてしまうのか?
こんにちは、保護ねこ9匹と暮らす出版コンサルタントの、樺木宏です。
さて、あなたの身の回りにも、
「圧倒的な知識量を誇る人」
がいるのではないでしょうか。
大量のインプットと深い見識を持ち、さぞや書く本も面白いのでは・・・
と期待は高まるのですが、意外とそうでもなかったりします。
平たくいえば、
「もっと面白い話が読めると思ったのに、意外とつまらない」
ということですね。
これはなぜか?
結論から言えば、
「言いたいだけで、読者のことを考えていない」
か、
「知識だけを書いていて、感情をゆさぶる要素が少ない」
かの、いずれかである可能性が大です。
まずは前者です。
人は実は、それほど新しい斬新な知識を求めてはいません。
むしろ、ちょっと知っているくらいのほうがちょうどいいのです。
というのも、本当に脳が快楽を感じるのは、
「いままでなんとなく知っていたことが、ハッキリと分かったとき」
の方だからです。
思うに、それまであった脳の神経伝達の経路が、今までとは別の場所につながったとき、
快楽物質であるドーパミンが分泌されるように出来ているのでしょう。
逆に、知らなかったことを覚えなければならないのは、基本的にはストレスになります。
ですので、いかに知識豊富だからといって、
知識のものを書いても、それほど面白い本にはならないのですね。
むしろ、書き手が優秀で知識が斬新になればなるほど、つまらなくなるのです。
言い換えればこれが、「読み手の気持ちを想像しながら書く」ことが必要な理由でもあります。
「相手の気持ちになる」ことは、こと商業出版では道徳ではなく、ノウハウなのです。
次は後者です。
「知識だけを書いていて、感情をゆさぶる要素が少ない」
本は多く、多くの著者さんが陥っているワナです。
もちろん無味乾燥な知識が並んでいるよりも、
感情をゆさぶるエピソードやメッセージが込められていたほうが、
読み手の心に刺さるのは当然です。
例えば、「歴史の教科書」と「歴史小説」の違いを考えれば、
どちらを読みたいかは明白ですね。
しかし、頭で分かっていても、なかなかこれが難しい。
なぜなら、
「隠しておきたい」から。
だれしも自分の失敗談をわざわざ言いたくないし、、
ましてや商業出版の書籍として、
自分の名前で世に公開するなどということは避けたいのが人情です。
しかし人の心は、ポジティブなこと(成功や自慢話)よりも、
ネガティブなこと(失敗談や反省の弁)の方に強く反応するもの。
これは行動経済学でノーベル賞を受賞した、ダニエル・カーネマンの研究からも明らかになっています。
このジレンマが、
知識だけを書いていて、感情をゆさぶる要素が少ない本、
いいかえれば、ちょっとカッコつけた、でもつまらない本を生んでしまうのですね。
いかがでしょうか?
「圧倒的な知識量を誇る優秀な人が、意外とつまらない本を書いてしまうワナ」
あなたはこうした落とし穴に落ちることなく、
読者の気持ちを想像しながら、隠しておきたいことこそ書いてください。
今よりもさらに、「面白い!」と多くの読者から共感され、支持される著者になること請け合いですよ。
ご参考になれば幸いです。