不安が消える、知識武装編
2019/05/16商業出版で本を出すことは、それほど難しくない!?
こんにちは、保護ねこ9匹と暮らす出版コンサルタントの、樺木宏です。
さて、商業出版というと、一般にはハードルがとても高いと言われます。
統計があるわけではないのですが、一説には、新人著者が出版社に直接企画を持ち込んだ場合、
1/1000くらいの確率なのではないか、という話もあるようです。
なので、
「商業出版なんて自分には無理」
と思っている人も多いですし、
チャレンジしてもなかなか企画が通らないと、
「やっぱり自分には無理か・・・」
と思う人も多いのです。
しかし実は、私はそれほど難しいことだとは、思っていません。
「実力がないのではなく、、壁の高さを見誤っているだけ」
だと、確信しているのです。
つまり、いいコンテンツが埋もれているのに、それを掘り出して前面に押し出していないだけ。
一例を挙げると、例えば出版企画書の冒頭、いわゆる「企画概要」の部分です。
ここで多くの人は、入念に、かつ詳細に、自説を書いてしまいます。
その前提にあるのは、「しっかりと書けば、伝わるだろう」という考え方。
しかし、企画書は、全文を必ず読んでくれるという前提で書くのはNG。
むしろ、斜め読みされることを前提とすることが必要です。
そのためには、できるだけシンプルに、最も伝えたいことを整理し、厳選し、
どうやって伝えるかを考える。
そうすれば、埋もれていた良いコンテンツが掘り出され、前面に押し出されます。
この考え方だけで、おそらく1桁くらい、出版企画書の採用確率はアップするでしょう。
つまり、
なかなか本が出せない原因は、著者としての実力がないことではなく、
「前提」を見誤ったことです。
先の例でいうなら、「全部読んでくれるだろう」「小難しくても分かってくれるだろう」
と安易に考えて、伝える努力の量を見誤ったことが原因、といえるでしょう。
言い換えるなら、そうした「前提」さえ間違えなければ、
あなたのポテンシャルをフルに発揮することができます。
いわば、まだ本気を出せていないだけ。
それがクリアされれば、商業出版で本をだすことは、そこまで難しいことではなくなるのですね。
あなたの「本気」を引き出すための、ご参考になれば幸いです。
2019/02/27商業出版は"合理的な方法"から入ってはいけない!?
こんにちは、保護ねこ9匹と暮らす出版コンサルタントの、樺木宏です。
世の中には、本を出す為のノウハウが溢れています。
情報がありまっている昨今、Webで検索すれば、そうした情報が多くヒットするでしょう。
しかしそこには大きな落とし穴があることをご存知でしょうか?
それは、「具体的方法から入ってしまうことの危険」です。
極論してしまえば、本を出す方法自体は、それほど複雑なものではありません。
今売れている本を調べ、それと差別化すれば、
商業出版で本を出す事は可能です。
だからそうした情報を元に、書店で売れ筋の本を調べ、読者に新しい切り口を出せないか考える。
そのこと自体は、問題ありません。
むしろ、合理的なやり方だと言えるでしょう。
しかし問題なのは、
「そうやって方法から入ってしまうと、あなたらしさが置き去りになってしまいがち」
ということなのです。
たとえば、もし仮にそれで「うまい」切り口が見つかったとしましょう。
しかしそういうやり方で企画を考えている人は、大勢いますから、
あなたの企画も「似たような企画の1つ」になってしまう可能性は大でしょう。
そうなると、あなたも「売れ筋のテーマのその他大勢のひとり」になってしまいがちです。
また、これは実際に経験するとわかることですが、
「うまいやり方」であることと、あなたの「エネルギーが湧いてくる」こととは、
まったく関係がありません。
むしろ、うまくやれるが好きではない、という切り口をもとに企画を考えてしまうと、
あなたのエネルギーは枯渇していってしまいます。
それはあなたの思い入れや熱い思い、義憤、問題提起といった、
「源泉」
とつながっていないのですから、当然とえば当然なのですね。
そういう想いで作った本が、人の心を打ったり、深く刺さるということは、
残念ながらないでしょう。
こうして見てくると、1つ1つのやり方は合理的なのに、
結果として、
「その他大勢のひとり」になってしまったり、
「やる気がでない」から人の心に刺さる本にならない、要するに売れない、
ということが起きてしまいがちなのです。
これが、「具体的方法から入ってしまうことの危険」なのですね。
いいかえれば、細かい知識は集めることができても、
「文脈がない」
ということでしょう。
今の時代、大事なのは知識そのものよりも、
「どのような心構えで、その知識を用いるか」
「どのように連動させて、考えるか」
という、文脈の方なのです。
だから本を出したい、売れる本を作りたい、本を出し続けたい、
という人は、知識を増やすことよりもまず、
「自分の思い入れを大事にしよう」
「自分のやる気が削がれるような要素は排除しよう」
と決めることのほうが大切。
そして本の内容自体も、単なる知識の羅列ではなく、
そうした「文脈」を伝えるものにしていきたいですね。
そこにまた、情報洪水時代の書籍の大事さもあると思います。
あなたの著者ブランディングの、ご参考になれば幸いです。
2019/01/10"好き嫌い"は著者に必須の要素です
こんにちは、保護ねこ9匹と暮らす出版コンサルタントの、樺木宏です。
さて、私もかれこれこの仕事を10年近くやってきまして、
100万部を超えるプロデュースもしてきました。
そんな多くの著者さんを見てきたなかでつくづく思うのは、
「好き嫌いを大事にする」
ことの大切さです。
でも、この「好き嫌い」についての情報は意外と少ないもの。
「成功するための考え方「や、「うまくいく具体的方法」
の情報は世の中に多くあります。
でも、それだけでは嫌いなことをイヤイヤやる、ということにもなりかねませんし、
あまり好きでもない事で成功してしまうことは、結局不幸なことだと思うので、
「好き嫌い」が軽視されているかのような、昨今の傾向は残念に思います。
さて、なぜ好き嫌いが大事なのかといえば、
例えばいくら本を読んでも、好きでなければ未消化だからです。
内心の欲求から突き動かされてインプットしたものと、
外側からの圧や義務感に迫られてインプットしたものとでは、
その定着がまったく違います。
これを脳のしくみで言えば、記憶の仕分けをする海馬のとなりに、
好き嫌いを判断する扁桃体がある、ということ。
つまり、好きな事でなければ、脳は記憶を長期記憶にしてくれない、
いくらインプットしても忘れてしまうし、
ましてや組み合わせて活用などできない、ということなのですね。
同じ努力をしていても、好きか嫌いかで、その成果は天地の差がでてきてしまうのです。
でもここで、
「好きなことだけでは、仕事にならないのでは?」
という声も聞こえてきそうです。
もちろん、それを自分のためにやっていたのでは、
趣味と同じことですから、対価をいただける仕事にはなりにくいでしょう。
でもそれを、「誰かの問題解決にできないか?」とちょっと考えてみてください。
もしそれができれば、立派な仕事として成立します。
特にこれからの時代は、新たな仕事や職種がどんどん増えていく時代です。
今の子供たちが大人になる頃は、6割の仕事が今存在しない、新しいものになるとも言われています。
今の仕事は、どんどん陳腐化していく時代です。
そういう意味でも、「誰かの問題解決にできないか?」と、
新しい仕事を創造していく姿勢はますます大事になってくるでしょう。
そして実は、商業出版で企画を考える事は、その最適なテストになり得ます。
今まで多くの人が悩んでいる悩みを、誰かと似たような本で解決しようとしても、そこは飽和状態。
新人著者が新しく入っていく余地はあまりありません。
しかし、あなたの「好き」なことを「組み合わせ」ていけば、
新奇性や独自性がある、新しい問題解決として、光ったものとなる可能性が高まります。
かけ離れているからこそ、面白い企画になる、ということです。
「好きな事を仕事にすれば、あなたは一生働かなくて済む」
とは孔子の言葉ですが、
好きな事で意欲を感じながら、かつキラリと光るポジションを手に入れる。
それを実現するためにも、今年も商業出版のステージでぜひ試行錯誤していきましょう。
本年も、よろしくお願いいたします。
2018/12/06どうしても出したい企画が通らない・・・こんなときの著者ブランディング戦略とは?
こんにちは、保護ねこ9匹と暮らす出版コンサルタントの、樺木宏です。
さて前回、商業出版で本を出した人は、
「自分が本を一番出しやすい、一番低いハードルを見つけることができた人」
ということをお伝えしました。
商業出版というと、とてもハードルが高い印象がありますが、
決して、もっとも高いハードルを飛び越えた人ではないのですね。
むりろ、高いところを超えずにすむよう、知識と経験を活用していくほうがよいのです。
じつは、この話しには続きがあります。
前回のようなお話をすると、
「なるほど、それはその通りだと思う。でもどうしても、このテーマで本をだしたいんだ」
という人も、必ずいるのですね。
それは、むしろ望ましいことだと思います。
今売れているからといって、安易に迎合してテーマを変えるのではなく、
自分が書きたいテーマ、ライフワークとも言える思い入れを活かした本を出す。
これはとても素晴らしいことです。
でも、今はまだそのハードルは高い。
つまり、そのテーマで出そうとすると、なかなか企画が通らないし、仮に通っても売れない本になる。
そんなときはどうすればいいのでしょうか?
結論から言えば、
「ハードルが高いなら、階段をつくればいい」
のです。
今新人著者の1冊目として、そのテーマだとハードルが高いのであれば、
その前に「ホップ・ステップ」の階段を2つ作る。
そして3冊目に最も出したかったテーマで出す。
これが、最もよい方法です。
例えば、これは実際によくあるケースですが、
著者さんが「どうしてもこのテーマで出したい」というこだわりがあり、
そして私が「それだと時間がかかりそう、あるいは出せない」と思う場合です。
こういう場合は、私のほうから、
「そのテーマと隣接しながら、より読者の多いテーマ」
を提案します。
格段に企画は通りやすくなりますし、売れやすい本にもなります。
それでいて、本来書きたかったテーマの本の、伏線にもなっているということなのですね
その上で、2冊目のテーマ、そして3冊目のテーマも、併せて提案します。
いわば、著者のブランディングというものを、俯瞰の視点で、
かつ時系列で、どういう順番やるかと考えているということ。
それは戦略そのものなのですね。
いかがでしょうか?
出す本の1つ1つは、いわば戦術であり、点です。
それをつなぎ併せていくことで、線となり、面となっていく。
これが、著者のブランディング戦略を考える上で、決して書かせない考え方なのです。
こう考えれば、仮に1冊、2冊の本で失敗しても、
戦術のミスは、戦略で取り返すことができます。
でもその逆は、できないのですね。
著者として長く活躍していただくための、ご参考になれば幸いです。
2018/11/29"商業出版のハードルは高い"というのは誤解だった!?
こんにちは、保護ねこ9匹と暮らす出版コンサルタントの、樺木宏です。
さて、商業出版というと、一般には、
「ハードルが高い」
というイメージがありますね。
確かに出版社が、一般の持ち込みの企画を採用する確率は、
一説には1000分の1、などともいわれていて、
ハードルが高い、という印象を持つのも無理のないことかもしれません。
でももし、あなたの回りに本を出した人がいたなら、
「いや、それほどでもなかったよ」
という人もきっといるはずです。
同じ商業出版なのに、こうした印象の違いは、どこから来るのでしょうか?
ここで、ウォーレン・バフェットの言葉をご紹介しましょう。
「成功は、飛び越えられるであろう30センチのハードルを探すことに精を傾けたからであり、
2メートルのハードルをクリアできる能力があったということではないのです。」
ご存知のようにバフェットは株式投資の伝説的な成功者であり、世界有数の億万長者。
この言葉は投資について語られた言葉なのですが、商業出版においても、完全に当てはまります。
つまり、出版に成功した人は、
「自分が本を一番出しやすい、一番低いハードルを見つけることができた人」
なのです。
決して、もっとも高いハードルを飛び越えた人ではないのですね。
そう考えると、これから本を出そうという人も、
「自分にもできそうな気がしてきた!」
と感じはじめたのではないでしょうか。
あなたにとって、一番本が出しやすく、ハードルの低いテーマとは何か?
その問いを持ち続けていれば、アンテナが自然と立ってきます。
書店で本を眺めていても、潜在意識が勝手に働いて、
あるときふと「ヒラメキ」という形で、問いの答えが浮かんでくるでしょう。
そう考えれば、商業出版できるかどうかというのは、基本的には時間の問題で、
あとは一気に集中して「ハードルの低いテーマを探す」か、
「浮かんでくるまで待つか」の違いしかない、
とも言えるのですね。
いかがでしょうか?
むやみやたらと、商業出版のハードルを高く考える必要はありません。
無理せずとも、「自分にもできそう」と思えるテーマ。
ぜひ探してみてください。