不安が消える、知識武装編
2018/02/01実力が先か、本が先か?
こんにちは、樺木宏です。
さて、普通に考えれば、
「本を出す力量が身についてから、本を出す」。
と考える人が多いと思います。
確かに、実績がなければ、出版社も「なぜこの人に書いてもらうべきなのか?」
という疑問をもってしまうでしょう。
また、読者にまったく価値を提供できない本を出してしまうことは、
著者のブランディグにとってもマイナスです。
しかし結論から言えば、
「実力と本は同時進行が一番効率が良い」のです。
なぜなら、本を出そうと考えることは、成長を加速させるから。
近年の読書術の本のトレンドに、「アウトプットを前提にしよう」というものがありましたが、
目的意識は、質の良いインプットを、大量に行うことにつながります。
忙しくてなかなか読書量を増やせない人でも、本を出そうと考えている人は、
自然と気になる本にアンテナが立ち、手に取って読む習慣を続けられるのですね。
また、商業出版の本というものは、思っているほど「自分の話」だけでは済みません。
読者のレベルや嗜好に併せて、いろいろな角度から、さまざまな事例を集めておくことも必要です。
だから「本を書くだけの実力がついた」と思っても、そこからさらにインプットが必要だったりして、
結局は「もっと前から準備しておくべきだった」となりがちなのですね。
そう考えると、「もう本を出せる」と思う「前」に、本を出そうと考えることが、実は著者への最短距離。
本を出したいと思ったら、ぜひ臆せずにチャレンジしていきましょう。
2017/10/19過去のノウハウ分析は"ほどほど"でよい理由
こんにちは、樺木宏です。
さて、出版ノウハウをお伝えし続けて久しいこのメールマガジンですが、
「こうすれば絶対上手くいく!」
という内容は、あまりお伝えしないようにしています。
なぜかと言うと、
「実は、文章化できることは少ない」からです。
いいかえると、すでに出ている本がなぜ売れたのか、といった検証はある程度ロジカルにできるのですが、
新しい企画を考える、という「仮説立案や課題発見」は、ある意味アートです。
そこで過去の本から得られた分析結果をお伝えしても、それとこれとは話が別、ということで、
あまり機能しないことも多いのですね。
すでに起ったことを説明できる能力はもちろん大切ですが、もっと大事なのは、
これから考えるあなたの企画を、いかにより良いものにするか。
もちろん、必要最低限知っておくべきノウハウは、確かにあります。
でもあまりそれにこだわりすぎても、かえって柔軟な企画考案の足をひっぱることもありますから、
「ほどほど」が一番。
企画を考案し、本を出していくことはまさに温故知新。
昔の本の知識を活かしながらも、そこから新しい知識・売れる企画を見いだしていきたいですね。
2017/09/28企画力は、たとえば"金棒"のようなもの
こんにちは、樺木宏です。
次々と出版される本をみていて、「もったいないな」と思う事があります。
それは、「スゴい実績の著者さんほど、企画は普通」ということ。
というのも、一般に、出版社側との力関係で、著者のほうが強くなればなるほど、
「著者が書きたいと思ったことがそのまま本になる」
という傾向があるのです。
相手が有名著者であれば、出版社も意見を押し通すことは出来ないでしょうし、
書く側の著者の方も、こういう本なら出していいよ、という感じになるもの。
そうなると、力の強い側の意見が、そのまま通ってしまいがちなのですね。
ただ、それはとても勿体ないこと。
なぜなら、企画は金棒のようなものだからです。
著者の力量や実績が「鬼のようにスゴい」としても、
優れた企画という「金棒」をもてば、もっと凄いことになるからです。
言い換えれば、鬼のように強いからといって、素手で戦う必要はない、ということ。
専門分野で優れている、ファンが多い、販売力がある。
それらの強みに優れた企画が加われば、まさに「鬼に金棒」なのですね。
新人著者から、スゴい実績の人まで、商業出版では「企画」は常に味方です。
2017/09/07年をとればとるほど、著者としては強くなる
こんにちは、樺木宏です。
早く本を出したい、というのはよく聞く話ですね。
同年代のライバルが商業出版で本をだしていると、焦る気持ちもわからないではありません。
しかし、本を出すのに、焦る必要は全くありません。
なぜなら、年をとればとるほど、"良い本"が書けることは、脳のしくみからも明らかだからです。
よく脳は若い頃に完成して、あとは神経細胞が減っていくだけ、というような俗説を聞きますが、
それは完全に間違い。
脳の神経細胞は、再生して増えるものもあるのです。
さらには脳は、30過ぎてから「つながりを発見する能力」が飛躍的に伸びます。
一見なんの関係ない物事同士を、つなげる力です。
脳の中で、すでに構築したネットワークをどんどん密にしていくということでもあります。
そしてそのことは、商業出版に欠かせない「アイデアの発想」や、
実生活に結びついた「論理的思考」に、直結しているのですね。
だから著者としての力量は、30歳を超えてから伸び始める。
さらに言えば、その後年をとればとるほど、能力が増していくのです。
例えば、「オヤジギャグ」という言葉がありますね。
これは中年になると物事のつながりに気づきやすくなり、
その気づきの嬉しさのあまり、そのまま口に出してしまう、
という脳の働きでしょう。
もちろん、あなたにはギャグを口にする前に、一呼吸おいて、
客観的に面白いかどうかをチェックして欲しいところですが・・・
ともあれ、著者になるのに"遅い"ということはあり得ません。
むしろ、優れた脳の働きと、積み重ねた経験の力を活かして、
満を持して「良い本」がつくりやすくなるのですから。
年をとればとるほど、著者としては強くなる。
納得のいく本が、商業出版で出せるようになる。
ご参考になれば幸いです。
2017/08/31著者にとって、よい出版社とは?
こんにちは、樺木宏です。
本を出すなら、少しでもよい条件で、というのが人情ですね。
そうなると、出版社もよいところで・・・となりがちですが、
ここはちょっと考えどころです。
というのも、「よい出版社」とは、そんなに単純な話ではないからです。
例えば、「規模」。
大きい有名出版社がいいかというと、全くそんなことはありません。
逆に出版点数が多すぎると、あなたの本が埋もれがち。
それが新人著者であれば、なおさらです。
刊行している点数や企業規模ではなく、あなたの本をどれだけ重点的に扱ってくれるのか?
そこがポイントです。
極端な話、大手出版社でその月出る本の10番目の扱いになるくらいだったら、
月1冊しか出さない出版社のNo.1の扱いになったほうが、はるかに「後押し」が多く、
結果として露出も売れ行きも上になるでしょう。
また、「得意分野」という視点も大切です。
出版社にはそれまでの実績から得意分野とそうでない分野があります。
それは流通する書店の違いにもなりますし、置かれる棚の違いにも現われます。
大きな総合出版社よりも、小さい専門出版社の方が、特定のテーマでは信用があり、
書店での露出が大きい、などとということも普通のこと。
だから、あなたの本のテーマが得意な出版社が、よい出版社、
ということなのです。
こうしてみると、知名度や企業規模で出版社を判断するのは、まさに「錯覚」。
人間は簡単にヒューリスティクス(知らずに用いてしまう安易な解決手段のこと)の
影響を受けますから、しっかり知識武装して望みたいですね。