不安が消える、知識武装編
2017/09/28企画力は、たとえば"金棒"のようなもの
こんにちは、樺木宏です。
次々と出版される本をみていて、「もったいないな」と思う事があります。
それは、「スゴい実績の著者さんほど、企画は普通」ということ。
というのも、一般に、出版社側との力関係で、著者のほうが強くなればなるほど、
「著者が書きたいと思ったことがそのまま本になる」
という傾向があるのです。
相手が有名著者であれば、出版社も意見を押し通すことは出来ないでしょうし、
書く側の著者の方も、こういう本なら出していいよ、という感じになるもの。
そうなると、力の強い側の意見が、そのまま通ってしまいがちなのですね。
ただ、それはとても勿体ないこと。
なぜなら、企画は金棒のようなものだからです。
著者の力量や実績が「鬼のようにスゴい」としても、
優れた企画という「金棒」をもてば、もっと凄いことになるからです。
言い換えれば、鬼のように強いからといって、素手で戦う必要はない、ということ。
専門分野で優れている、ファンが多い、販売力がある。
それらの強みに優れた企画が加われば、まさに「鬼に金棒」なのですね。
新人著者から、スゴい実績の人まで、商業出版では「企画」は常に味方です。
2017/09/07年をとればとるほど、著者としては強くなる
こんにちは、樺木宏です。
早く本を出したい、というのはよく聞く話ですね。
同年代のライバルが商業出版で本をだしていると、焦る気持ちもわからないではありません。
しかし、本を出すのに、焦る必要は全くありません。
なぜなら、年をとればとるほど、"良い本"が書けることは、脳のしくみからも明らかだからです。
よく脳は若い頃に完成して、あとは神経細胞が減っていくだけ、というような俗説を聞きますが、
それは完全に間違い。
脳の神経細胞は、再生して増えるものもあるのです。
さらには脳は、30過ぎてから「つながりを発見する能力」が飛躍的に伸びます。
一見なんの関係ない物事同士を、つなげる力です。
脳の中で、すでに構築したネットワークをどんどん密にしていくということでもあります。
そしてそのことは、商業出版に欠かせない「アイデアの発想」や、
実生活に結びついた「論理的思考」に、直結しているのですね。
だから著者としての力量は、30歳を超えてから伸び始める。
さらに言えば、その後年をとればとるほど、能力が増していくのです。
例えば、「オヤジギャグ」という言葉がありますね。
これは中年になると物事のつながりに気づきやすくなり、
その気づきの嬉しさのあまり、そのまま口に出してしまう、
という脳の働きでしょう。
もちろん、あなたにはギャグを口にする前に、一呼吸おいて、
客観的に面白いかどうかをチェックして欲しいところですが・・・
ともあれ、著者になるのに"遅い"ということはあり得ません。
むしろ、優れた脳の働きと、積み重ねた経験の力を活かして、
満を持して「良い本」がつくりやすくなるのですから。
年をとればとるほど、著者としては強くなる。
納得のいく本が、商業出版で出せるようになる。
ご参考になれば幸いです。
2017/08/31著者にとって、よい出版社とは?
こんにちは、樺木宏です。
本を出すなら、少しでもよい条件で、というのが人情ですね。
そうなると、出版社もよいところで・・・となりがちですが、
ここはちょっと考えどころです。
というのも、「よい出版社」とは、そんなに単純な話ではないからです。
例えば、「規模」。
大きい有名出版社がいいかというと、全くそんなことはありません。
逆に出版点数が多すぎると、あなたの本が埋もれがち。
それが新人著者であれば、なおさらです。
刊行している点数や企業規模ではなく、あなたの本をどれだけ重点的に扱ってくれるのか?
そこがポイントです。
極端な話、大手出版社でその月出る本の10番目の扱いになるくらいだったら、
月1冊しか出さない出版社のNo.1の扱いになったほうが、はるかに「後押し」が多く、
結果として露出も売れ行きも上になるでしょう。
また、「得意分野」という視点も大切です。
出版社にはそれまでの実績から得意分野とそうでない分野があります。
それは流通する書店の違いにもなりますし、置かれる棚の違いにも現われます。
大きな総合出版社よりも、小さい専門出版社の方が、特定のテーマでは信用があり、
書店での露出が大きい、などとということも普通のこと。
だから、あなたの本のテーマが得意な出版社が、よい出版社、
ということなのです。
こうしてみると、知名度や企業規模で出版社を判断するのは、まさに「錯覚」。
人間は簡単にヒューリスティクス(知らずに用いてしまう安易な解決手段のこと)の
影響を受けますから、しっかり知識武装して望みたいですね。
2017/08/03好影響がある本と、そうでない本の違いとは?
こんにちは、樺木宏です。
本を出した後の"好影響"は、人によってまちまちです。
他のメディアからオファーがどんどんくる、という人もいれば、
全く反響が無い、という人もいます。
それは必ずしも、売れたかどうか、とは直結していません。
あまり売れていないのに、メディアの露出が急激に増えることもあれば、
その逆もあるのです。
その違いは何でしょうか?
私は、「重み」 が感じられるかどうか、だと考えています。
いかにも流行に乗って出しました、的な本を何冊だしても、
その「軽い感じ」は読者に伝わってしまうものだからです。
そうではなくて、著者の過去の経験が活かされ、苦労して身につけた、
そういうテーマなら、事例が豊富で、理由に説得力があり、主張にキラリと光る独自性が生まれます。
そこに「重み」が生まれてくるのですね。
自然と「信用」につながりますし、「もっと話を聞きたい」というオファーも増えてくるのも、
ある意味当然といえるでしょう。
それを積み上げた人が、「出版社からオファーがどんどんくる著者」になることは、
周囲を見ていても、実証されていると感じます。
そういう意味では、自分がエネルギーをあまり注いで来なかったテーマで出した本は
どうしても軽くなりがちですから、例え出版できるにせよ、あえて出さない方がよい、
という判断も必要ですね。
「うまく出そうとする」のではなく、いかに「重み」を出せるテーマで本を出すか?
そうした視点もぜひ、取り入れて見て下さい。
2017/06/012冊目が一番大変!?という話
こんにちは、樺木宏です。
はじめて本を出す、というといろいろ大変なイメージがありますね。
でも実は、「2冊目のほうがもっと大変」といったら、驚くでしょうか?
確かに、出版の決まりやすさという意味では、2冊目はラクなことが多いです。
本を出したということは、一定のレベルにある、という安心感がありますから、
出版社もハードルを下げてくる部分もあります。
(前に出した本があまりに売れていなれば、その限りではありませんが・・・)
また、一度本をだしているので、ある程度進行なども分かっており、
無用な不安は少ない、という利点もあるでしょう。
しかし、それ以外はほぼ全て、2冊目の方が大変です。
まず、ネタが少ない。
最初の本はそれまでの集大成ですから、長い経験とノウハウの全てを注ぎ込めます。
しかし、2冊目は、すでに書いてしまっていることは、あまり書けません。
出しきってしまっていることも多いので、大変です。
だから、日々のインプットを何倍もやる必要があります。
それうしないと、陳腐な二番煎じの本を出してしまうことにもなりやすいのです。
加えて、成功体験が邪魔をします。
前の本の時の状況と、今の状況は違っていることが多いもの。
でも前の出版に成功した印象があるので、その時の考え方を繰り返してしまいやすいのです。
そうすると、「似たような本がいっぱいある古めの本」になることもしばしばです。
さらには、もし1冊目の本が売れていた場合、プレッシャーもかかってきます。
人は、得る喜びよりも、失う恐怖の方を強く感じますから、
本を出すのが怖くなってしまうこともあるでしょう。
それを乗り越えることに躊躇すると、次の本は出せなくなってしまいます。
このように、2冊目の本はよほど注意して出さなければならず、
にもかかわらず、すでに本を出しているということで出版社からオファーがきたりしますから、
実は大変なのですね。
ただ、このことを知識として知っているだけでも、
ある程度ココロの準備ができます。
そしてチャレンジを続けていった結果、いつしか「ベテラン著者」と呼ばれるようになるのですね。
ぜひ「2冊目」は、細心の注意を払って、全力でチャレンジしていきましょう。