不安が消える、知識武装編
2016/12/14「企画を通す苦労」はすべきか否か?
こんにちは、樺木(かばき)宏です。
あなたは出版社から、出版企画を却下された経験があるでしょうか?
「何度も却下されているよ」という人もいるでしょうし、
「意外とすんなり通った」という人もいるでしょう。
苦労は買ってでもせよ、ということわざもありますが、
私は「企画を却下されるストレス」は、あまり経験しない方がよいと考えています。
というのも、気持ちが落ちこんでしまい、行動しずらくなってしまうからです。
出版企画というものは、自分自身のノウハウだけでなく、思い入れもこめた大切なもの。
それを却下されてしまうと、「自分には著者になる能力が欠けているのでは?」という疑念が生まれます。
それはとても大きなストレスなので、「もう感じたくない」ということで、企画を考えなくなったり、
出版社に提案することをやめてしまいたくなるのです。
たとえ打たれ強い人でも、何度も何度も却下されていれば、遅かれ早かれ、同じような状態になってしまいます。
私はむしろ逆に、
「企画が意外とあっさり通ったな。やっぱり自分はデキる人間だ」
と思ってもらうのが、理想的だと考えています。
エジンバラ大学のジョンソン博士によれば、
「自己の能力を(たとえ過信でも)高く評価する人は、競合に対して有利になり、集団のなかで優位に立ちやすい」
ことが証明されているそうです。
だから、本を出そうという人は、自信過剰なくらいでちょうどよい。
逆にそうした天狗の鼻が折れないように、注意すべきなのです。
とはいえ、過信だけで企画が通るほど、商業出版は甘くはありません。
そこは事前の準備を、謙虚に行うことも大切。
事前に何度も何度も企画を練り、いわば事前にダメ出しして、本番の採用確度を上げることは言うまでもないでしょう。
「練習は謙虚に、本番では天狗になる」
これがベストですね。
とはいえ、「悔しさをバネに」できる場合もあるでしょうから、
それはそれで活かしていきましょう。
不要なストレスはあまり感じることなく、ぜひ著者のキャリアの好スタートを切ってくださいね。
2016/11/30ちょっと待った!その本、まだ出してはいけません
こんにちは、商業出版コンサルタントの樺木宏(かばき ひろし)です。
さて、本は早く出せば出すほど良い、と思っていませんか?
確かに時間は有限ですから、早く出すほうが、メリットが多い面もあります。
しかし、実はすぐに本を出すことは要注意なのです。
なぜなら、商業出版で本を出すことは、「拡声器」をつかうようなものだからです。
それが良い声であれ、悪い声であれ、拡大されて多くの人に伝わってしまいます。
それが十分練られた、納得のいくものなら良いのですが、そうでない場合、取り返しがつきません。
例えば、「ライバルと比べていないケース」。
これは一番陥りがちなワナです。
あなたの本より先に多くの本が世に出ているのですから、それと比較することは不可欠。
そうでないと「いままでの本と似たような企画」というレッテルを貼られてしまい、
企画が通りませんし、仮に通っても「二番煎じの著者」になってしまいます。
あるいは、「自分の強みを客観的に掘り下げていないケース」
せっかくの強みをスルーしてしまい、本に反映していない人が実に多いものです。
自分の強みというものは、自分ではなかなか分かりません。
これには理由があって、脳は極力省エネをしようとするので、
良く知っていることは、いちいち「すごい」と思わず「当たり前」と感じさせるからなのですね。
そして、「今かけることをそのまま書くケース」。
これも、ありがちなワナです。
自分の業務内容や専門領域の内容を、そのまま周囲の向けに書くイメージがあると、
読者を狭めてしまいます。
いかがでしょうか?
このように、十分ポテンシャルを活かしていない企画や本が、実に多いもの。
この記事を読んで頂いているあなたには、ぜひこうした落とし穴を避け、
「今書けるベストの出版企画、そして本」を作り上げて欲しいと思います。
2016/11/02なぜ著者の学歴は、"中卒"が最強なのか?
こんにちは、樺木宏です。
さて、今回の記事のタイトルは、
「なぜ著者の学歴は、"中卒"が最強なのか?」。
違和感を前面に押しだした疑問系のタイトルにしてみました。
これはべつに煽ったり盛ったりしているわけではなく、
私は本当に「中卒」が最強だと思っています。
それはなぜか?
なぜなら、「落差」が大きいため、インパクトと説得力が大きいからです。
例えば、ビジネスパーソンなら誰もが名経営者として知っている、松下幸之助さん。
小学校を中退して9歳で丁稚奉公に出て、苦労して今のパナソニックの礎を築き上げた
エピソードはとても有名ですね。
松下幸之助さんの「道をひらく」という本は200刷、500万部を突破している、超ベストセラー&ロングセラーです。
ここでもし、松下幸之助さんが有名企業の御曹司だったとして、良い教育を受けて良い大学にいき、
親から会社を継いでいたらどうでしょうか?
例え同じ能力があったとしても、ここまで尊敬されてはいなかったでしょう。
500万部を超えてまだ本が売れ続ける、とういことも無かったはずです。
その証拠に、日本に大企業はパナソニック以外にも多く、名経営者も著者大勢いるにも関わらず、
ここまで尊敬され、本が売れている人はなかなかいません。
その違いの1つに、語る内容もさることながら、小学校を卒業して丁稚奉公という「落差」があるのは間違いないでしょう。
大きなインパクトを生み、語る内容の説得力が高まっているから強いのです。
そういう意味で、学歴は低ければ低いほど、尊敬されます。
今の日本の教育制度では中学校まで義務教育ですから「中卒」が最強、なのですね。
あなたがプロフィールをつくる際も、良い点ばかりを並べるのではなく、
こうした「落差」を上手くつくれると、インパクトと説得力を高められるので、
ぜひ工夫してみて下さい。
なお、大切なのは「低さ」ではなく「落差」。
その後の成長や実績がないと、落差が生まれませんので、そこはしっかりと押さえてください。
あなたの著者としてのブランディグの、ご参考になれば幸いです。
2016/10/26今知らないことも、あなたの執筆ネタになる
こんにちは、樺木宏です。
さて、本を出したいとは思うものの、
「200ページもの量は書けないのでは?」とか、
もう本を出していて、
「さらに本を出すネタはもう残っていない」
という人は多いものです。
一方で、本を10冊、20冊と出し続ける人がいるのも事実。
この違いはどこから生まれるのでしょうか?
それは、
「今は知らないことを書く」
という考え方を知っているかどうかの違いです。
例え書きはじめたときは全てを知らなくとも、新たにインプットしながら、情報をアウトプットしていく、という事ですね。
こうする事で、あなたが書ける内容は大きく広がりますし、読者により有益な本を届けることにもつながります。
実際、ベテラン著者がオファーを受ける際は、このように新しいインプットをするものです。
執筆依頼を受けてから、本を大量に買い込んで勉強する、という人もいます。
ここで、「本というのは、自分の知識を書くものでは?」
と思われるかも知れませんね。
その場合は「成長しながら書き続ける」と考えて見て下さい。
考えてみれば、新人著者のときに最初から「本を10冊書いてください」といわれて、書ける人はほとんどいません。
でも1冊本を書き、それにともなって多くのインプットが生まれ、あらたな学びがあり、考え方も進化し・・・
と、徐々に成長しながら、いつのまにかベテラン著者になっていくものなのです。
そう考えると、「新たに学びながら、成長しながら、今知らないことを将来書く」
というのも、すんなりと腑に落ちるのではないでしょうか。
また、しっかり読むということは、考えることにも直結しています。
本を読みながら着想を得たり、アイデアが閃いたりすることもよくあるものです。
そういう意味でも、たとえ知っていることでも再度インプットするのは意義あることですね。
堂々と、今は知らないことも視野に入れて、本を出し続けていきましょう。
2016/10/19自分の本への"勘"があてにならない理由
こんにちは、樺木宏です。
自分の本を出すというのは、人生の中でも大きなイベントですね。
その分思い入れも強くなりがちですが、ここで気をつけたいことがあります。
それは、
「あまり自分の勘を信じない方が良い」
ということです。
思い入れに水を差すようですが、この考え方は本当に役立ちますので、
商業出版の企画を通し、より売れる本をつくるために、あえてお伝えしたいと思います。
なぜ自分の勘を信じない方がよいのか?
それは、どうしても自分のことは客観視できないからです。
思い入れの強さは、悪い面を隠し、良い面ばかりを意識してしまうことにも繋がります。
それは今の読者が求めているものを見えにくくさせますし、
ライバルの本との差別化を考えるときには、邪魔になります。
さらには、著者さん自分自身の中にあるる「本当の強み」も、見えなくさせてしまいます。
私はよく「こういう本を書きたい」という相談を受けるのですが、
それがその人の書けるベストの企画であることは1%以下です。
今まで150冊以上の商業出版の企画を通したうち、著者さんが最初に考えた企画がそのまま通った例は1冊しかありません。
残りの149冊以上はどうやって通したかというと、著者さん本人も気づいていなかった「ベストの企画」を探したのです。
その人が書けるあらゆる企画の可能性を全て考え、それに優先順序をつけ、可能性の高いものから企画にしていく。
こういうプロセスを経る事で、著者としての成功確率は飛躍的に高まるのですね。
いかがでしょうか?
自分自身というのは、1番客観的に見れないもの。
ぜひ一度立ち止まって、成功への最短距離を歩いていきましょう。