あなたも出版できる!心構え編
2020/03/26商業出版は「北風」ではなく「太陽」がうまくいく
こんにちは、保護ねこ9匹と暮らす出版コンサルタントの樺木宏です。
「商業出版で著者デビュー」というと、どうしても肩に力が入りがちですね。
自分の考えを、より正しく、より強く訴えたい、と思うのも無理はありません。
ただそうなるとどうしても、
「〜が正しい」
「〜すべき」
といった、大上段に振りかぶった表現が増えてきます。
言い換えれば、「義務」を読者に訴えるイメージですね。
しかし、商業出版でこれは得策ではありません。
なぜなら、ひとを動かすのは義務ではなく、意欲だから。
考えてみれば、本というものは今の時代、決して安いものではありません。
情報がいくらでも、いつでもどこでも、無料で取れる時代です。
約千数百円の情報代は、決して安いものではないでしょう。
そんな中で、「〜すべき」といったところで、
それにお金を喜んで払おうという人はあまりいないのです。
しかし、「意欲」は違います。
人は悩みを解消できると感じれば、喜んでお金を払います。
あるいは、より心地よい感情が得られると思えば、お金を出し惜しみすることはないのです。
だから、商業出版で訴えるべきなのは、義務ではなく「意欲」なのです。
イソップ童話の「北風と太陽」はそういう意味で、
著者に大きなヒントを与えてくれるものなのですね。
もちろん、著者であるあなたが、自分の言いたいことを大事にするのは当然です。
しかしそれをただ前面に出すのではなく、ましてや押し付けることなく、
「どうやったら自然に読み手の意欲を引き出せるか」
と考えること。
このことだけで、あなたの企画の採用確度は劇的にアップし、
売れる本に変わることでしょう。
ご参考になれば幸いです。
2020/03/12著者は、"何によって人に憶えられたいか" が9割
こんにちは、保護ねこ9匹と暮らす出版コンサルタントの樺木宏です。
さて、ご存知のように、商業出版は出版社がお金を全額払い、著者は印税をもらって執筆しますから、採用のハードルが高いと言われています。
だからでしょう、
「とくにかく本を出すにはどうすればいいか」
と考え、本を出すこと自体が目的になってしまう人が多いようです。
あるいは、本を出した後「○万部売りたい」と、部数が目的になる人も大勢います。
本を出し、売れさえすれば、ブランディングができて集客にも好影響があるはず、と考えるのですね
が、しかし。
それは正しくありません。
なぜなら、
著者のブランド力は、どれだけアピールできたかという「量」ではなく、
読者が本を読んでどんな読後感をもったかという「質」で決まる
からです。
例えば、
今売れ筋のテーマだからといって、安易にそれに乗っかってしまうケース。
確かに出版が決まる可能性は高まるでしょうし、それを読む人も増えるかもしれません。
しかし、そのテーマがあなたの人柄や考え方、そして信念を反映していないなら、
誤ったイメージが読者に伝わってしまう可能性だって高いでしょう。
そうした本が少々売れたからといって、それがあなたのブランディングになるでしょうか?
なりませんよね。
ブームは必ず過ぎ去るものですから、お手軽に手に入れたものはあっさり去ってしまうでしょう。
一方で、すでに出した本はずっと残り続けますから、誤ったイメージもその先、残り続けるのです。
本を出そうとするなら、考えるべきは、量ではなく質。
ドラッカーの有名な言葉、「あなたは何によって人に憶えられたいか」は、
新人著者にこそ当てはまる言葉なのですね。
ご参考になれば幸いです。
2020/01/30書きたいことを"決めすぎない"ほうがうまくいく
こんにちは、保護ねこ9匹と暮らす出版コンサルタントの、樺木宏です。
さて商業出版で本を書くとき、
「これを書きたい!」
という熱い思いはとても大切ですね。
それは書く原動力となり、行間から伝わって読者の心を打つものです。
ただ想いが強いあまりに、書きたいことを細部まで細かく決めすぎてしまうと、
それはそれで別の問題がでてきます。
というのも、目次の章や節といった細かい枝葉が決まってしまえば、
「誰に何を書くのか」というコンセプトも決まってしまうからです。
枝葉が決まってしまえば、幹や根っこの位置も決まってしまうのです。
これの何が問題かというと、売れないコンセプトだったときに、
売れるように企画を変更できないことです。
たとえば、読者が少ないから、もっと多くしようとします。
しかしそれは「誰に」書くのかという、コンセプトを変えることです。
いわば幹や根っこの部分を変えたいのですが、枝葉の位置が固定されていれば、
それが難しくなってしまうのです。
あるいは、似たような本と同じになりそうなので、
切り口を変えたい、あるいは書く内容を絞り込みたい、と考えたとします。
そうすれば差別化できて、企画が出版社からOKがでるでしょう。
しかしそれは「何を」書くのかを変えるということですから、
枝葉が先に決まっていると心理的に抵抗が生まれてしまいます。
結果、コンセプトが変わることはなく、売れる企画になることもまたないのですね。
いかがでしょうか。
書きたいことを細部まで細かく決めすぎてしまうことは、
自由なコンセプト考案を妨げ、あなたの著者としての表現の可能性をもスポイルしてしまうのですね。
想いは大切にしつつも、ある程度の「余白」を常に残しておくことで、
こうしたデメリットを避け、著者としての可能性を最大限に発揮していきましょう。
ご参考になれば幸いです。
2020/01/09自分らしい本でなければ失敗する!?
こんにちは、保護ねこ9匹と暮らす出版コンサルタントの、樺木宏です。
何冊か本を出すとしても、「その後」をイメージしておくのとそうでないのでは、
本の内容から満足感まで、大きく違います。
ぜひ「本を出す」といった短期的な目標だけでなく、
「本を出した後、自分はこんな気持ちになっている」
という「その先」のイメージを大事にすることが大切です。
たとえば、私が今もっているイメージは、
「よりその人らしさを掘り下げ、出してよかったと心から思ってもらう」
というものです。
これは世の中の流れとは、ちょっと異なるかもしれません。
この10年、どちらかというと、
「売れるネタをいち早く察知し、うまくパッケージして送り出す」
というのが、出版業界の流れであったように思います。
内容はよりメリットを大きく、あるいはよりハードルを低く、
流通では巨大電子サイトをうまく利用し、
SNS等で情報発信力の高い人を重視する、
というような話はいくらでも聞きましたし、そうした事例も見てきました。
しかしその結果、
誰が書いても同じような本が書店にはあふれ、
マーケティングという名の刈り取り合戦も下火になり、
SNS疲れの人も多く、かつての影響力はありません。
さらに問題なのは、本を出した人がそれほど充実感を得ていないのではないか、
と思われることです。
それではよい本を出そうという人が続きませんし、
読む人もよい本が無ければますます本から離れる、という悪循環でしょう。
商業出版では主役は読者ですが、
それを支えているのは送り手の充実感や熱意です。
だからそこに焦点を当てて、
「著者としてのあなたならではの、心から出してよかったと思える本」
を支援したい、そんなことをイメージしています。
ご参考になれば幸いです。
2020/01/02よい本、かつ売れる本を出し続ける人の共通点とは?
こんにちは、保護ねこ9匹と暮らす出版コンサルタントの、樺木宏です。
私もこの仕事をはじめて10年ほど経つのですが、
よい本で、かつ売れる本を両立している人に共通しているポイントがあるように思います。
それは、
「ベストセラーを出そうとする人ではなく、読者の役に立つ本をつくろうとする人」
です。
どう違うのかといいますと、
ベストセラーを出そうとする人は、出来るだけ多く取ろう、と考えている人です。
そのためのリサーチや類書の研究などはするので、一定のレベルの本は出せます。
ただ本は情報量が多く個性も隠しきれませんから、どうしても動機が透けてみえてしまいます。
それが行間や読後感から伝わり、今一つ拡散しないというか、
本気で共感する人が現れない、という印象です。
対して、読者の役に立つ本をつくろうとする人は、
自分のもっているものを与えよう、と考えている人です。
そうした想いの部分は、本の情報量であれば、見る人が見れば伝わります。
たとえ明確に意識出来なくとも、なんとなく読後感などで分かってもらえることも多いものです。
本の評価が口コミやSNSで拡散し、固定ファンも増えるのは、こちらのタイプです。
またこのタイプの人は、結果よりもプロセスに焦点を当てています。
企画を立てる、本を書くというプロセス自体を楽しめますから、
自然と注がれるエネルギーも大きくなり、継続していくことも苦ではありません。
商業出版はけっこうハードルが高いチャレンジなのですが、
楽しみながらクリアし、いつのまにか本が出ていた、という印象の人が多いです。
ベストセラーを出そうとする人が結果に焦点を当てるあまり、
プロセスで疲弊してしまい、その後が続かない例が多いのとは対照的です。
こうしたことは、仏教の世界では、
「布施」という言葉をつかって説明するようです。
布施とは与えること。欲とは取ること。
取ることが破壊を招き、与えることでプラスのエネルギーが生まれる、と言われています。
これは商業出版で本を出し、著者になるということにも、全く当てはまるように感じています。
「本」「著者」というとなにやら権威もあって分かりにくなっていますが、
本来メディアとは、人と人とのコミュニケーションの補助手段に過ぎません。
人が主で、本が従。
いにしえから伝わる教えが当てはまるのも、当然といえば当然ですね。
ご参考になれば幸いです。